2022.07.08
夏季休業中の商品発送についてのお知らせ
【夏季休業中の商品発送について】

夏季休業期間中の商品出荷対応につきまして、下記の通りご案内いたします。

≪発送休業日≫
2022年8月10日(水)~2022年8月16日(火)

上記期間中のお申込みについては、2022年8月17日(水)以降に順次発送とさせていただきます。
予めご了承ください。
通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。

ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

未曾有の人材難に直面した会計業界 会計事務所が生き残るには「未経験者 ・新卒採用」を!

未曾有の人材難に直面した会計業界 会計事務所が生き残るには「未経験者 ・新卒採用」を!
平成28年度(第66回)税理士試験の申込者は4万4044人と昨年から3千人近く減少。
2010年の6万2996人からわずか6年で2万人近くも減りました。 
これは会計業界にとって未曾有の危機といってもよいでしょう。
同時に会計業界は現在、 深刻な人材難に陥っています。 
人材確保で悩んでいる会計事務所所長は、採用に関するパラダイムシフトを図る時期に差し掛かっています。
それは「未経験者・新卒採用」です。

 

人材難がもたらす負のスパイラル

「人が全然採れない」
この言葉が、今では会計事務所所長同士のあいさつ代わりになっているように、会計業界の人材難は深刻化しています。

税理士試験申込者数は、わずか6年で2万人近く減少しています。
(グラフ「税理士試験申込者数の推移」参考)



税理士を目指そうとする人材が激減しているということは、税理士業務そのものと、職場としての会計事務所に魅力を感じる人が減っていることを示しています。
これは、業界全体としての危機です。

会計事務所の人材難は、特に小規模事務所ほど深刻です。
小規模事務所は、次のような悩みを抱えているのではないでしょうか。

「採用サイトに求人広告を掲載しても、小規模事務所にはなかなか応募や問い合わせがなく、費用対効果が悪い」
「ハローワークに求人を出しても、なかなか応募が来ない。
条件に年齢や性別を出せないことから、希望しない人材の応募が多く、選考に多大なコストがかかる」
「実務に忙しく、採用に多くの時間を割けない」

このまま会計事務所が思うように採用できなくなると、どうなるのでしょうか。
次のような負のスパイラルに陥ってしまうでしょう。

「求人をかけてもなかなか応募が来ない」

「欠員状態が続き、職員の業務負担が増え、心身が疲弊する」

「サービスの品質に影響が出る」

「顧問先が減少する」

「慌てて採用できた人材は能力不足」

「仕事と事務所になじめず短期間で辞めてしまう」

「職員に業務のしわ寄せが来る」

「さらなるサービスの低下」

「顧問先が減少し、職員の給与水準が上がらない」…


このような負のスパイラルが続くと、事務所の成長はおろか、存続もおぼつかないでしょう。

下記のうち、1つ以上チェックが入ったら、採用体制のあり方を見直す必要があります。

[採用に関するチェックリスト]
  • □なかなか良い人材を採用できない
  • □所長が面接で意気投合した人を採用しても、事務所の仕事と雰囲気になじめず、すぐ辞めてしまうことが多い
  • □未経験者や新卒を採用したことがない
  • □職員教育の体制が整備されていない
  • □採用に関する仕組みが整っていない
 

採用から育成の流れをつくることが不可欠

なぜ、小規模事務所ほど人材難が深刻なのでしょう。
それは、今まで会計事務所勤務経験者しか採用してこなかったからです。

現在のような売り手市場では、経験者は会計事務所の就職事情で有利な立場にあります。
そのため、給与や待遇が良く、高度な専門業務を扱える大手税理士法人に流れていく傾向が強いのです。

ではなぜ、小規模事務所は経験者ばかりを採用してきたのでしょうか。
それは、人材育成の必要がないからです。
小規模事務所は教育制度が整備されていなく、教育に携わる余裕を持つ人材がいないケースが多いのです。
そのため、即戦力となる経験者を採用し、業務をまわしてきました。

ところが、現在は小規模事務所ではなかなか経験者が採れません。
この状況を打開するには、所長が採用に関するパラダイムシフトを図る必要があるのです。
それは「未経験者・新卒採用」です。

ただし、ただ未経験者や新卒を採用するだけでいいわけではありません。
当然ですが、未経験者や新卒を採用したら、戦力になれるよう教育を施すことが不可欠です。

日本労働教育総合研究所所長・特定社会保険労務士の野崎大輔氏は「採用から育成の流れをつくることが不可欠」と説いています。

「2:6:2の法則」という言葉があります。
上位2割が優秀な人材で、中位6割が普通の人材、下位2割ができの悪い人材ということですが、会計事務所の採用に関しても同じことが言えるといいます。

「上位2割の人材は、業界トップクラスの税理士法人に流れていくか独立します。
一般の会計事務所は、中位6割の人材の中でも下のレベルと下位2割の層から選ばなければいけなくなるでしょう。
妥協して採用して『やっぱり使えない』と辞めさせることを繰り返していては、人材を確保できません。
これからは下位2割の人材を育成し、中位6割の人材へと引き上げられる仕組みをつくらなければいけないのです」
(野崎氏)

人材育成として、まず着手すべきことは何でしょうか。
野崎氏は、仕事をするにあたって必要な「意識と行動」の教育を重視しています。

人材育成というと、専門知識やビジネスマナー、コミュニケーションスキルなど、ノウハウ的なものに目がいきがちです。
もちろんこれらは必要な知識とスキルですが、それよりも先に行うべきことは、仕事の基礎となる「意識と行動」の徹底であると野崎氏は強調します。

「人材育成を建築で例えるならば、スキルや資格といったものは建物で、意識と行動は地面の下の基礎にあたります。
この基礎部分の教育を『人材育成基礎工事』と言っています。
どんな工事でも、基礎工事をしっかり行わないと強固な建物ができません。人材も同じです。
『すぐやる』『協力する』『自ら動く』『素直に話を聞く』などといったことは、仕事をする上で当たり前のこと(基礎)ですが、ここができていないのに強固な建物を建てようとしても、できるはずがありません。
自律した職員に育てたいのであれば、まずは基礎の部分からしっかりと身につけさせることが必要なのです」
(野崎氏)
 

人材育成に注力することは採用にもつながる

未経験者が会計事務所に就職するための支援を行っている、株式会社大原キャリアスタッフ・コーディネーターの佐々木優子氏は、野崎氏同様、未経験者を採って教育する採用戦略を推奨しています。

「経験者の採用が難しくなっているという背景も当然あるのですが、未経験者を採用して、戦力化できるよう育成する会計事務所が、少しずつ増えています」
(佐々木氏)

少し前までは、社会保険や就業規則、給与規程などの労務管理体制が整っている事務所が採用に有利でした。
しかし、今では各事務所とも労務管理手続きの整備が進み、差別化を図れなくなっています。
人材難時代に良い人材を確保するためには、どれだけ教育体制が充実しているかをアピールできるかが重要だと佐々木氏は強調します。

「人材育成に力を入れていることを上手に伝えている事務所は、規模の大小にかかわらず、人材を確保できていますね」
(佐々木氏)

会計事務所が未経験者や新卒を採用することについては、主に次のようなメリットが挙げられます。
 
  • 何の知識・スキルもないので、ゼロベースから事務所の方針通りに教育できる
  • 「以前勤めていた会計事務所での仕事の進め方」に固執することがなく、教育しやすい
  • 所長が掲げる事務所の経営理念を、まっさらな気持ちで受け止められる
  • 所長の考えや価値観を雑念なく学び、共感できるようになるので、ゆくゆくは事務所を支える幹部職員へと成長する可能性がある
会計事務所の商品は、実際に顧客と接触する「人材」そのものです。
人材を採用できないことは、事務所経営の存続にかかわります。
人材難時代を迎えた今、所長が採用に対する意識を変え、未経験者や新卒を採用して育成することで、事務所経営が大きく上向くことも期待できるのです。
 


<INTERVIEW>
未経験者を採用するなら「人を育てる」ことを決断しよう

近年の会計事務所の就職事情は、どのように変化しているのでしょうか。
実際に学生の会計事務所への就職を支援している、大原キャリアスタッフのコーディネーター・佐々木優子氏に話を聞きました。

─税理士試験の申込者が減る一方ですね。

佐々木氏
そうですね。
科目別に見ると、簿記論の受験者が対前年比で88.7%と落ち込んでいることから、新規の受験者数が減少していることが読み取れます。
業界全体としても危機的な状態です。

─ここ最近の会計業界の就職事情で変化した点はありますか?

佐々木氏
採用活動が通年化してきたことですね。
これまでは税理士試験後や合格発表後の時期に集中していましたが、ほぼ通年で採用活動を行っている会計事務所が増えました。

─具体的にはどのような動きがありますか?

佐々木氏
大手や準大手と言われる税理士法人は早めに採用活動を行っています。
2月の時点で内定を出し、入社は試験後の9月からでいいという例は珍しくありません。
新卒採用の場合ですと、1年前の4月に内定を出し、その間、アルバイトで業務を手伝ってもらうケースもあります。
大手事務所でさえ、人材確保に危機感を持ち、焦っている印象を受けています。

─通年採用に伴い、学生さんにも変化があるのですか?

佐々木氏
はい。
少し前までは8月の税理士試験まで勉強に集中して、試験後に就職のことについて考える学生が大半でしたが、今では試験勉強と就職活動を同時に進める学生が出てきました。
早めに内定をもらっておけば、安心して試験勉強に集中できますからね。

─学生さんでも早くから就職活動を始める方とそうでない方との二極化が生じているのですね?

佐々木氏
そういうことになります。
ただ、現在は未曾有の人材難なので、スタートが出遅れてしまった学生でも比較的すぐに決まってしまいます。

─人材難ということは、学生さんから見ると就職しやすいということですよね。

佐々木氏
はい。
ここ数年で、会計事務所側の募集条件が下がっています。
大手税理士法人の場合、4年ぐらい前までは、有資格か最低でも4科目合格していないと、就職は厳しかったです。
しかし今では、2科目合格していれば十分なくらいです。
法人税法や消費税法あたりを合格していれば、会計事務所のほうから「会いましょう」となりますよ。

─小規模会計事務所が人材を採用できる条件とは何ですか?

佐々木氏
まずは所長先生が「人を育てよう」と決断することです。
今では所長先生が望む経験とスキルを持った人材を採用することは、難しいです。
経験とスキル、知識のない人材を教育していくことが、会計事務所に求められるのです。
それにはきちんとした教育体制を整えることが必須。
あとは「研修制度が充実」「先輩がしっかり指導」「試験勉強しやすい」というように、応募者の目線に立った文言を求人票や採用サイトなどでアピールすると、良い人材が応募してくるでしょう。

─採用するにあたって、お勧めの層はありますか?

佐々木氏
実は、30代後半から40代にかけての未経験者が採用にお勧めだったりします。
社会経験がそれなりにありながらも、わざわざ会計業界の門をたたいてくるので、モチベーションが高く、責任感が強い人が多いです。
待遇がよくないのを承知している方もいます。
この年齢層は大手をはじめ、多くの会計事務所が敬遠するので、逆に狙い目だと思います。

 


プロフィール



株式会社大原
(東京都千代田区)
キャリアスタッフ
佐々木 優子 氏
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