2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

人格の土台を改革! これが企業を激変させる!! 社会保険労務士・野崎大輔氏の人材開発コンサルティング



ブラック企業という言葉を筆頭に、過重残業や鬱病による自殺が問いただされる現在、会社側を擁護する発言は時代に逆行しているかのようにも思える。
しかし、現実に会社の環境を悪くする原因は従業員にあるケースが多いという。

今回は、こうした諸問題について社会保険労務士として企業の労働問題に長年対峙し、2013年には人材コンサルティング会社『グラウンドワーク・パートナーズ株式会社』を立ち上げ、中小企業の従業員の育成・開発を行っている野崎大輔氏に労働現場の実態を伺ってみた。
 
 

社員を守る法はあっても社長を守る法はない!

「世間ではあまり話題になっていませんが、従業員側が原因となって会社の雰囲気を悪くし業務効率を下げている例はたくさんあります。こうした人はクレーマーのようなタイプで、仕事はしない、もしくはできないのに自分の権利ばかり強く主張してきます。何か自分に不都合なことがあったらインターネットで検索して労働組合や労働関連の法を調べて知識をつけて会社に物申してきます。時には自分の都合の良いように会社の悪口を社内に拡散することにより、他の従業員を巻き込んでしまうこともあります。
こうした従業員たちは数が増えると、良い従業員が辞めていくこともありますし、会社の取り組みにも協力しないという反会社の抵抗勢力となります。ガン細胞のようにどんどん会社を蝕んでいきます。
この様な従業員は改善が難しいケースが多く、本来ならすぐに辞めてもらった方がいい。しかし、中小企業の経営者は、それをすると色々と問題になるのでは?と恐れるあまり放置し、状況が悪化してしまうのです」。

野崎氏に依頼が来る頃には、非常に切迫した状況になっている場合が多いという。
こういったクレーマー従業員に対して、しかるべき正当な手続きをとれば辞めてもらうことは違法ではない。
野崎氏は状況に応じて問題社員との面談には社長と同席し、問題点を指摘し、改善するように注意指導をすることもあるという。
面談に同席するのは、社長が面談時に問題社員につけ込まれたり、会社が不利となる言動を抑制するためだ。
社会保険労務士という専門家が同席することで社長も安心し、第三者の視点で会社に問題がある場合はその点も指摘をすることで問題社員に対しても会社としてきちんと対応するという姿勢が見せられるようだ。

「2012年にはじまった『ブラック企業大賞』が一般化したことにより、“会社が悪い”という構図が作りやすくなっています。従業員が外部の労働組合に加入した場合、組合員が社長を責めるといった構図になることがあります。そうするとたとえ従業員側に非があったとしても、心理的に社長は己に落ち度があったように感じてしまうものです。もちろん私もその場に同席して、会社がその従業員に行った対応に明確な理由や根拠があることを説明します。
世間では“社長”というと屈強な人物を想像するようですが、生身の人間です。会社で労働問題が起こると自分の会社であっても出社したくない、心配で眠れないと弱音を吐きたくなることだってあります。究極的にはいえば、私の仕事はそんな社長たちに安心感を与えることなんです」。

 

中小企業は人材面でハンデがある!
だからこそ育成で劇的な改善もできる!!

野崎氏は10年以上前から企業の問題社員対応に当たっており、当時からこのような問題は発生していたという。
しかし、ここ4〜5年で加速度的に増えたと語る。

「理由は3つあります。一つ目は情報が広がったということです。誰でもインターネットで検索すれば簡単に情報を得ることができますし、ブラック企業というキーワードが一人歩きして何でもかんでもブラックという雰囲気になってきました。
二つ目は従業員側から会社に対して未払い残業を請求するなどの行為を“ビジネス”として請け負う人間が増えたことです。
三つ目は意識の変化です。誤ったワークライフバランスの考え方、自分本位な仕事に対する姿勢、モラルの低下などが入り混じった人が増えています。
あまりマスコミはフォーカスしませんが、会社がブラック企業と悪者にされるように会社に悪影響を及ぼす酷い社員もいるのが現実です。また、10年以上労働問題に接していて、問題の原点には会社の風土、いわゆる従業員の教育にあることを突き止めました。そして、2013年からはコンサルティング会社を立ち上げて企業の人材育成にも力を入れています」。

人材の育成といっても、業務スキルアップ研修のようなものではない。ここでいう育成は業務に取り組む以前の人となりに主軸を置いた、いわば人間力形成の土台づくりを示す。
時間を守る、社会人としての礼儀・挨拶や、仲間を思う気持ちであったりと、いわば幼少期から親や教師に言われていた当たり前の要素なのだが、実はこの基本的なことが欠落している従業員は意外と多いため、しっかりとした基礎を築くことから始めるという。

「まず、現実的に、残念ながら中小企業は求人の段階で、社長が望む“優秀な人材”を獲得できません。そういった人材は大手企業か、独立してしまいます。ただ、そこで肩を落としてばかりはいられません。労働力人口も減少していることから今後は人材そのものを採用することが難しくなり、選べなくなってきます。
経営者は社員の定着率を高めることと採用した人材を教育して、優秀な人材へ育てていくことが会社の経営上、重要なテーマとなります。
ここで大切なのは、“自立型の人材を育てていかなければならないという点。
だから単純な“スキルアップ”教育はダメなんです。人材育成で重要なのは、教えずに教えるということです。こちらからやり方や答えを教えるのではなく、考えさせることが大事です。
私はケーススタディ等をやるのではなく、自社の現状の問題や課題をどのように解決していくかということを社員に考えてもらいます。今までやったことがないことも出てくるので上手くいかないこともありますが、このプロセスで考える習慣を身につけていきます。
自分たちで自社の課題を解決すれば職場も良くなるし、このプロセスで自立性を育むことができるので一石二鳥です。
つまり人材育成と組織改善を同時にやっているということになります。
時間や人員に余力がない中小企業はこのように進めていくことが良いのではないでしょうか。
このような自立した人材が育ちはじめると企業は抜本的に変わってゆきます。それぞれが積極的に改善点を見出し、実践していく。問題が発生すればその都度、自分たちで解決していく。良い方向へオートメーション化して、もう私が口を挟む必要も無くなっていきます」

実際にあったケースを紹介すると、首都圏の動物病院ではスタッフ5名、年商4,000万円の時に野崎氏に依頼。
スタッフの行動指針を示したクレドの作成に着手し、スタッフ自身にクレドの内容から定着策までを考えて実行する自律性を育成し、仕事の課題や問題点の発見、解決の習慣化に成功。4年目にはスタッフ数18名、年商2億を超えるまで成長する。
動物病院の規模は4〜5名が一般的。個人病院だということを考えればかなりの規模へ成長したといえる。

「現在の社員教育の例をあげると、社員みんなでゲームをやったり、軍隊のような厳しい試練を乗り越える、というモノがあります。これらの効果が無いというわけではありませんが……一時的なんです。
行動が定着するまでには一定期間の継続性が必要です。
社員のモチベーションを上げるために給料を高くしようと考える会社があります。悪いことではありませんが、お金でモチベーションを維持するのは難しいでしょう。例えば給料を20万円から25万円にしてもその満足感は数ヶ月しか持ちません。しばらくするとその生活に慣れてしまうからです。
結局のところ根本的な問題の解決をせずに従業員のモチベーションをあげるのは難しいんです」。

野崎氏は自律した人材をより多くの企業で育成できるよう、コンサルティング手法を再整理し体系化を進めている。
企業にとっても従業員にとってもより良い環境で仕事に取り組むことを目的においた有意義な内容だけに、早期の完成を願ってやまない。

 

コンプライアンス尊守が、企業に悪影響を与える!?

数多くの労働問題に間近で接してきた野崎氏が、2016年にハラスメントを主題に取り上げた一冊『「ハラ・ハラ社員」が会社を潰す』〈(講談社+α文庫)907円、キンドル版756円〉を上梓した。

本書は何にでも「ハラスメント」と騒ぎ、過剰反応する人物とその事例をあげ、その影響によって業務の停滞していく様子を解説を交えて紹介している。
仕事中の雑談を上司が注意した結果、パワハラと騒がれ結果的に会社に咎められてしまったケースや、飲食店全体に漂う強烈なコロンを個性と主張する従業員。飲み会に何度誘っても断る社員を誘わなかったことが社内騒然の問題に発展するなど、会社員なら誰もが経験する可能性のある身近な内容だ。

本書ではハラスメントという大義名分を武器に、言いがかりに近いことを言って周囲を困らせる行為をハラスメント・ハラスメントと定義し、こうした社員を「ハラ・ハラ社員」と命名している。
ハラ・ハラ社員を放置することでさまざまなマイナスが発生し、時には企業を傾斜に追い込む危険性があることのシグナルを喚起している。
 

プロフィール

人材開発コンサルタント
グラウンドワーク・パートナーズ株式会社
代表取締役 野崎 大輔(のざき だいすけ)氏

日本労働総合研究所
所長 特定社会保険労務士
〒160-0022 東京都新宿区新宿4-3-17
FORECAST 新宿 SOUTH 5階
TEL:03-6380-6458

1976年生まれ。大学卒業後、就職をせず独学で社会保険労務士試験に挑戦し合格。IT系上場企業の人事部門で問題社員対応やメンタルヘルス対策に従事し、社内の労働問題の解決、激減させた実績を持つ。2008年に社労士事務所を設立し独立。300件以上の労務問題に対応した後、2013年に人材育成の専門会社、グランドワーク・パートナーズの設立に参画。組織風土の変革、人材開発を行っている。


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