2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

会計事務所の高付加価値ブルーオーシャン 今こそ歯科医院マーケットに参入しよう



競合激化やクラウド会計の普及により、会計事務所は高付加価値サービスの提供が不可欠となっています。
そこで注目されるのが、歯科医院マーケットへの参入。
安定した診療所数と、根強い会計事務所へのニーズから、ブルーオーシャンとして位置づけられています。

 

歯科医院はコンビニより1万件以上も多い

下のグラフは、歯科診療所とコンビニエンスストアの数の推移を示しています。
平成27年12月末時点の歯科診療所の総数は6万8,746院。
ここ5年間はほぼ横ばいで推移しています。
一方、コンビニエンスストアの平成27年12月末時点の店舗数は5万3,544店。
至る所にある印象を受けるコンビニよりも、歯科医院のほうが1万件以上も多いのです。
都市部では、同じ雑居ビルに複数の歯科医院が入居している例も珍しくありません。

さらに歯科医院は都市部ほど過密状態にあります。
平成26年の各都道府県の歯科診療所数を、各都道府県の可住面積(実際に開発された面積)で割り、1平方キロメートル当たりの歯科診療所数を計算すると、次のようになります。

1位:東京都…7.6院
2位:大阪府…4.2院
3位:神奈川県…3.4院
4位:埼玉県…1.4院


東京都は1キロ四方の中に歯科医院が7.6院と、密集ぶりがうかがえます。
さらに、東京都の人口を歯科診療所数で割った数値=1歯科診療所がカバーできる住民数が1,257人で、全都道府県で最少の47位。
1位の福井県2,669人の半分以下となっています。
 

1歯科医院当たりの歯科医師数は約1.51人

もうひとつ、歯科医院の競合をカオス状態にしている統計結果があります。
平成26年末の歯科診療所数は6万8,839院で、歯科医師数は10万3,972人。
1歯科医院当たりの歯科医師数は約1.51人になる。

つまり、大半が1人の歯科医師で歯科医院を経営していることになります。
これは、会計事務所(公認会計士事務所+税理士事務所)の総数3万1,222件(平成24年経済センサス─活動調査)と、税理士登録者総数7万5,621人(平成28年2月末現在、日本税理士会連合会)とで算出した、1会計事務所当たりの税理士数約2.42人よりも少なく、歯科医院の零細ぶりが表面化しています。

これらデータから、有資格者=歯科医師が院長先生1人プラス数人のスタッフだけの状態で歯科医院経営を行い、競合に立ち向かっているのが、歯科業界の現状といえます。
このレベルの規模ならどんな業種であれ、きちんと戦略立てた経営をしているとは考えにくく、しっかりとした経理処理も期待できないでしょう。
それゆえ、歯科医院に対して、会計事務所がサポートできる余地が十分に残されているといえるのです。
パートナーとして経営支援を行えば、付加価値の高い業務にかかわることができます。
 

本来業務をベースにコンサルタントと差別化を図る

歯科医院は会計事務所に何を求めているのでしょうか。
歯科医院経営情報誌の月刊『アポロニア21』(日本歯科新聞社)編集長・水谷惟紗久(みずたに・いさく)氏に、歯科医院と会計事務所との関係性等について話をうかがいました。

「会計事務所と良い関係性を築いている歯科医院は少ないです」(水谷氏)。
その原因として、歯科医院が会計事務所に求めることと、会計事務所が歯科医院に施しているサービスとの間にギャップがあることを挙げています。

大半の会計事務所は、歯科医院に対して税務申告とその周辺業務を行うことをゴールとしています。
一方、歯科医院は会計事務所に対して、「経営のことをどこまで聞いていいかわからない」ケースが多いといいます。
なので、経営全般を見てもらいたい歯科医師と、税務申告までやればいいと考えている税理士とのやり取りがかみ合わなくなる例が、少なくないそうです。

「会計事務所は歯科医院との契約時には『どこまでかかわるか』『どこまでかかわりたいか』をすり合わせた上で、業務内容を線引きすることが必要です」(水谷氏)

医療機関は経営、人事、増患などさまざまな分野のコンサルタントが関与するケースが多のですが、歯科医院も同様です。
会計事務所もコンサルティング要素が強い業務を行うことで、付加価値を高められるでしょう。
一方、水谷氏は、コンサルタントと同じ土俵に立たず、税理士ならではの強みを活かせるサービスを実践すれば、良好な関係を築けると考えています。
その理由は、税理士とコンサルタントとの根本的な立ち位置の違いにあります。

「コンサルタントは基本的にスポットでのテコ入れで利用されます。短期間でのゴールとビジョンを示し、そこに向かって突き進みます。一方、会計事務所は継続的に税務・会計をサポートするのが前提です。なので、本来業務をベースとしたサービスがいいでしょう。コンサルタントと張り合って動くと、短期間の付き合いで終わってしまうかもしれません」(水谷氏)
会計事務所が歯科医院に実践するとよいサービスとして、水谷氏は以下の4つを挙げています。
  • 経営計画
  • 管理会計
  • 経理代行
  • コスト削減
いずれもニーズと付加価値が高い税理士・会計事務所のスイートスポット。
5年後、10年後までの経営計画に携われるのは会計事務所の「特権」でもあります。
そして、管理会計でPDCAサイクルを回していくと、歯科医院の業績は上向いていくでしょう。
すると、会計事務所は歯科医院にとってかけがえのない存在になり、付加価値に見合った報酬が期待できます。

水谷氏は会計事務所が歯科医院に特化するポイントとして、「歯科医院経営に関連する業法を理解する」ことを付け加えています。

「医療法、歯科医師法、薬事法の3法を理解し、歯科診療の法的な流れをつかんでおきましょう。知らないでアドバイスをすると、必ずトラブルに発展します」(水谷氏)
 

歯科医院マーケットに参入しやすい下地

前号の「税理士業界ニュース」第68号で掲載した、中島由雅税理士のインタビューで触れた通り、次のように、会計事務所は歯科医院マーケットに参入しやすいバックグラウンドがあります。
 

●経営指導しやすい

保険診療で予約制なので、売上の把握と見通しが容易。


●契約時に競合がいない

紹介が中心なので、きちんとコミュニケーションを取れば、競合せずに新規契約できる。
 

●歯科医師と税理士は共通点が多く、共感できる

ビジネス構造での共通点と、共感できる悩みが多く、良好なパートナーシップを築けば、相乗効果が生まれやすい。

一方、歯科医院マーケット参入でボトルネックとなるのは、新規顧客や紹介を受ける人脈等の開拓にあります。
この最大課題を解決するために、このほど「歯科実務研究会」を発足させました。
歯科医院特化を狙いたい会計事務所は、ぜひ活用してください。
 




プロフィール

 




月刊『アポロニア21』(日本歯科新聞社)
編集長
水谷 惟紗久(みずたに いさく)氏

 




INTERVIEW
 

会計事務所が歯科医院にできる仕事は無限にある!


「会計事務所が歯科医院にできる仕事は無限にあります」。
医業・歯科医業に特化し、現在60件の顧問先を直接担当している、株式会社みどり合同経営代表取締役・山口明男氏に話を聞きました。


─現在も60件の担当をお持ちなのですね。

山口氏 (太字 以下同様)
はい。
この仕事を昭和56年から続けています。
医科・歯科の顧問先が約110件。
そのうち60件、私が毎月訪問して担当しています。
医療機関は24時間年中無休なので、私も土日祭日でも対応していますよ。

─主にどんなサービスを実践しているのですか?

山口氏
メインは経営計画ですね。
これが原点です。
毎月計画通り進んでいるかチェックします。
そこで浮上した問題の解決をお手伝いしていきます。

─どんな問題が多いのですか?

山口氏
銀行からの借入金問題ですね。
金利負担が大きければ、借り換えできるようサポートします。
先日も、金利負担を700万円減らせるよう、借り換えしました。
金利を低減することは、リスクのない純利益を上げる方法です。
これを手伝うと、お客様は儲かります。
そうしたら、顧問料を多くいただけるようになります。

─ほかにはどのようなサービスを行っているのですか?

山口氏
たとえば、持分なし医療法人への移行を実施して、4億6,000万円の贈与税を1億円に減らしました。
あとは相続税対策で不動産管理会社を設立したり、多岐にわたります。
会計事務所ができる仕事は無限にありますよ。

─「無限」なのですね。

山口氏
そう、無限ですよ。
会計事務所はIT化が進んで、仕事がなくなるなんて言っている方がいますが、お客様のことを本気になって考えれば、打つ手はいろいろあります。
他の会計事務所さんから当社に移ってきたお客様の例を見ると、かわいそうでしたよ。

─どんな例があるのですか?

山口氏
いろいろあるので、列挙します。
いずれも会計事務所が適切なフォローをしていない例です。

[A歯科]
  • 医院経営の目的が明確になっていない
  • 月次試算表ができていない
  • 個人、医療法人、管理法人の関連が把握されず、計画経営が行われていない
  • 借入金の返済額、利率の管理ができていない。返済額が多く、金利が高い
  • 個人の役員報酬を取り過ぎて、所得税負担が大きい

[B歯科]
  • 経理処理体制ができていない。処理担当者が年配で力不足
  • ナンバー2がいない
  • 手を広げ過ぎて毎月の数字の把握、管理ができていない
  • 医師、スタッフは多いが、各部署の連携が取れていない

[Cクリニック]
  • 会計事務所が年3回しか訪問しない
  • 生命保険処理がずさん
  • 月次処理が適正に行われていなく、月次報告がされていない
  • 相続・事業承継対策ができていない
  • 退職金資金準備ができていない

[D医院]
  • サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の指導がなく、月200万円の赤字
  • 月次試算表ができていない
  • 会計事務所は決算のみ
歯科医院に対して会計事務所ができることはたくさんあります。
人間力を高めて本気になって向き合えば、お客様は儲かるし、会計事務所の報酬も上がりますよ。

 




株式会社みどり合同経営(岡山県岡山市)
代表取締役
歯科実務研究会 代表理事
山口 明男氏
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