【第3回】平成 31 年度税制改正の概要を徹底解説!新設された特別寄与料について 記事



 

被相続人の介護に尽くしてきた長男の妻の貢献も報われるようになった
「特別寄与料」の取扱いについて

辻・本郷ダイレクトアシストの八重樫巧氏と片ユカ氏が解説。

平成30年度の民法改正では、新たに相続人以外の者について
特別の寄与を規定する法律が創設されました。

この制度は、被相続人の財産の維持または増加について特別の貢献をした相続人に、
その貢献に応じて多めに財産を取得することを認めるものです。

これまでは、長男の嫁など相続人でない者には寄与分を受け取る権利がありませんでした。
例えば長男の嫁は、長男が亡くなってしまうと、どんなに義父の介護に尽くしたとしても、
全く恩恵を受けることができなかったのです。

しかし、寄与の対象者が拡充されたことで、
無償で療養看護などの労務を提供した親族を「特別寄与者」とし、
寄与に応じた金銭を「特別寄与料」として相続人に請求できるようになりました。

請求できるのは、相続人でない親族で、
遺言・死因贈与などを受けておらず、無償で労務提供をした場合です。

また、特別寄与と認められるのは、
外部の介護サービスを依頼しなければならない程の状況で長期間介護が行われたなど、
相続財産の維持に貢献したと評価できる場合で、
民法877条1項に規定されている同居親族の扶養義務の範囲を超える部分に限られます。

請求期限は相続開始および相続人を知ってから6カ月以内、または相続開始から1年以内です。
改正前からあった相続人の「寄与分」は遺産分割における具体的相続分を決める際の考慮事由ですが、
相続人ではない者の特別寄与料は遺産分割とは関係なく、
相続人または家庭裁判所に請求するもので、相続とは異なる枠組みであること
に留意してください。

平成31 年度の税制改正では、特別寄与料の金額を、
被相続人から遺贈により取得したものとみなす「みなし相続」の規定が追加されました。

特別寄与者は、受け取る特別寄与料の額が確定したことを知った日から10カ月以内に
相続税の申告書を提出しなければなりません。
特別寄与者が、「被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人」に該当する場合は、
相続税額の2割加算の対象となります。

特別寄与料を支払う側は、支払った金額に応じた相続税が減少します。
相続人が複数の場合は、各相続人の相続分で分担した特別寄与料の額を、
各相続人の課税価格から控除して計算します。

申告期限までに支払い額が確定しなかった場合は、
確定後4カ月以内に更正の請求をすることが可能です。

【講師プロフィール】



(左)辻・本郷税理士法人 審理室室長 八重樫巧氏
1977~2007年まで東京国税局及び管内税務署勤務。
税務に精通した経験をもとに、辻・本郷税理士法人 審理室長を務める。
東京国税局勤務時代では、資料調査課で公益法人の税務調査を担当。

(右)辻・本郷税理士法人 審理室税理士 片ユカ氏
資産課税担当


※月刊プロパートナー2019年11月号より抜粋

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