正しいマーケットリサーチの3つのポイント

連載2回目となる今回の記事は、正しいマーケットリサーチの方法について3つのポイントをお伝えさせていただきす。

前回の記事では、新規参入や現状のサービス改善で増収を続ける先生と、現状維持に気を取られたり、誤った情報に惑わされたりしてしまう先生の違いについて解説いたしました。結果として、事務所の成長がうまくいかない先生との大きな違いは、適切なマーケットリサーチをしているかどうか、ということをお伝えしています。

 

意識するべきは3つのポイントだけ

あらゆる業務は、情報が少なすぎるた場合、意思決定しづらいものです。しかし、情報が多すぎても混乱しますし、集めるためには時間がかかります。結局、取捨選択の判断を誤ってしまうことにもなりがちです。

では、本当に適切なマーケットリサーチとはいったい何なのでしょうか?

私たちは、「意思決定を行うために最小限の情報を漏れなく短期間で集めることを適切なリサーチ」と仮定し、おすすめしています。そして適切なリサーチに必要な要素は、3つのことを意識するだけで実現できるのです。

1.フレームワークを活用すること
2.複数人で行う(社外の支援者に協力してもらう)
3.1つの情報を鵜呑みにしない


次項から詳しくみていきましょう。

 

ビジネスフレームワークを上手に使うこと

まず、「フレームワークを活用すること」にどんな意味があるのかお伝えいたします。

ビジネスにおけるフレームワークとは、「ビジネス上で共通して用いることができる考え方、意思決定、分析、問題解決、戦略立案などの枠組みのこと」を指すものです。フレームワークは、経営戦略の立案や業務効率の改善などに役立てられます。

さまざまなパターンがあり、それぞれ役割や効果が異なります。フレームワークを活用する最大のメリットは、考えが整理されることです。リサーチなどの情報収集では、何か抜けている点がないかを探し続けることが課題になります。

このように、フレームワークに当てはめて検討することで思考が整理され、漏れがなくなります。そのため、短時間で一定量のアウトプットを出すことが可能です。

今回のようなマーケット調査では、フレームワークの中でも「3C分析(さんしーぶんせき)」を使用してみると良いでしょう。3C分析とは、日本で最も有名なコンサルタントと言われている大前研一(おおまえけんいち)氏が広めた分析方法です。自社はもちろん、競合する企業や顧客をもリサーチし、戦略を考える方法で、Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの言葉の頭文字をとったビジネスフレームワークです。

3C分析ではまず、Customer(市場・顧客)の分析として把握したい内容によってマクロ分析・ミクロ分析・顧客分析などを行います。
マクロ分析は、景気や法改正、人口の増減や現在の流行などの社会的な動きを見つけ出すことが目的です。ミクロ分析は、業界内の変化とそれによって受ける影響を見極めるものです。

そして顧客分析では、先述の2つの分析結果がクライアントに与える影響を検討していきます。この場合は、自社の立ち位置も含めて検討しましょう。たとえば、顧客ニーズを検討してみるだけでも、業界の展望を予想しやすくなります。

次にCompetitor(競合)の分析として、競合業のビジネス結果やその結果が出た理由などを調査します。競合企業の実績とその結果を出した要因を分析することで、競合相手の市場変化への対応方法を知ることができ、自社へ取り入れられる方法や他者との差別化を図るための物差しとなります。

たとえば、同様の製品にみえたとしてもマーケティングやシェア率によって最終的な売上が異なることは少なくありません。その要因を検討することで、自社に応用できる要素や自社への影響も考えやすくなるでしょう。

最後に、Company(自社)の分析となります。
自社の状況に対して、VRIO(ブリオ)分析などを用いて、今後の事業展開の判断材料を検討してきます。

VRIO分析とは、経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)の4つに関連する問いによって自社の経営資源が強みや弱みかを検討していくものです。こうしてそれぞれの現状を調べ、自社の方向性を決めるための材料にしていきましょう。

 

客観的な意見や発想が重要なヒントに

2つ目の「複数人で行う(社外の支援者に協力してもらう)」については、リサーチを行う際、事務所内の職員の方たちだけで行うのはおすすめできません。

なぜなら、よほど積極的に外部の交流会に参加している、独自のネットワークを持っているなどでない限り、一緒にワークを行っても新たな視点は出てこないことが多いためです。たとえば、「正しいリサーチをすることで意思決定を行う最小限の情報を漏れなく短期間で集めること」を目標とするなら、違う視点を持った方(関連会社の担当者、他の税理士先生など)と積極的にお話をしたほうがよいといえます。

客観的な意見やリサーチを専門としている企業もあるため、そういった企業を頼るのも1つの戦略です。

 

視野を広く保つことも重要

最後に、「1つの情報を鵜呑みにしない」というポイントについてお伝えします。

マーケット調査で最も大切なものは客観性です。たとえば、「過去に事業を共に行ったA先生の話していることだけを信じてしまう」「ネットで拾った情報だけで決めてしまう」といった行動は、視点を狭めてしまい、誤った選択をしてしまう可能性が高まるため注意が必要です。

先ほどの2つのポイントを意識したうえで、複数の方から意見をもらうことが大切です。そうすることで、勘違いと事実の誤差を小さくすることができるでしょう。視野に関しては、新たなマーケットや顧客開拓にもつながるため、幅広い視点が必要です。

今回は、適切なマーケットリサーチをするための3つのポイントについてお伝えしました。自社のリサーチに足りない要素がある場合は反映しつつ、今後の経営に取り入れていきましょう。

次回は「マーケットリサーチ事例~相続~」をテーマに解説予定です。
どうぞお楽しみに!

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