マーケットリサーチ事例~相続~ 記事

こんにちは。アックスコンサルティングです。

前回の記事では、「正しいマーケットリサーチの3つのポイント」についてお伝えしました。今回は、リサーチの方法をふまえたうえで、事務所で実際にマーケットリサーチをする際に参考にできる、分野別ポイントをお伝えします。今回のテーマは相続についてです。

 

今最も注目される巨大マーケット、相続

日本全体の高齢化、2015年の税制改正などの影響により、相続は、今最もニーズがある分野の一つです。この記事をお読みいただいている先生のなかには、すでに相続事業に取り組んでいる先生もいらっしゃるのではないでしょうか?

それでは、前回のリサーチ方法を踏まえ、相続マーケットにおける3C分析を行っていきましょう。

1つ目のC:カスタマー(Customer)

国税庁の調査結果によると、平成27年の改正後、被相続人約130万人に対し、課税対象者は前年度の5万6,000人から10万3,000人となりました。前年比180%であるため、非常に大きなマーケット拡大といえます。

一方で、被相続人一人あたりの課税価格は、2.4億円から1.4億円まで下がっているため、相続財産による報酬を設定している場合、最低金額を設けないと単価減となる可能性があります。

そのほか、Web上では事務所の市区町村、もしくは都道府県単位での被相続人数も調べることができます。

2つ目のC:競合(Competitor)

競合については、「Web上での競合」「税理士会での噂」「ハウスメーカー・保険会社・葬儀会社・JA」などについて、どの事務所が関係しているかを調べることからスタートします。たとえば、公民館や商工会でのセミナーをみることで、現状どこに力を入れているかがわかります。また、新聞を複数集めることで、チラシの有無も確認することができます。

特に以下の業界や会社は一度強く入り込まれると、提携の乗り換えや乗り合いがしにくいといえます。

・保険会社
・葬儀会社
・JA

最近では全国レベルの税理士法人がこれらのパートナーと提携している場合も少なくありません。

保険会社、葬儀会社、JAなどは、Webに関しては、相続だけではなく、遺言書や民事信託といったテーマで調べ、さらに自然検索の順位だけではなく、リスティング広告の内容も調べてみましょう。掲載内容には申告数が掲載されている場合があります。

そして、これらをBtoC、BtoBと大枠に分けチャネル別にまとめることで、おおよその競合把握ができるようになります。後述の自社リソースと比較するために、どのようなポイントをアピールしているか、価格はいくらなのかも記録することも大切です。ただし、多くの税理士法人での最低提供サービス金額は20~30万円ほどになっており、低価格化と高付加価値化の二極化が著しいため、いずれの戦略にせよ、競争は厳しい状況だといえるでしょう。

3つ目のC:自社リソース(Company)について

税理士事務所の場合、リソースの考え方の基本としては、毎年の平均的な申告件数が10件未満なのか、それ以上あるかによって異なります。10件未満の場合、対外的な知名度はほとんどないと考えて、チャネル開拓をする際には、自らの手で明確な強みをつくらなければなりません。たとえば、提供サービスによる差別化なのか、提携先を増やすことによる付加価値の提供か、戦略はさまざまですが、以下の項目を精査する必要があります。

・提供サービスに独自のものがある
・価格による差別化ができるか
・販路(紹介ルート)が確立しているか
・実績

仮に、申告数がアピールできない場合、総相談件数や相談会の開催数、相談できる担当者数などによって、事務所のサービスクオリティを保証するなどの方法があります。

加えて、数字にできるものはアピールがしやすく、数値改善も容易です。申告以外の数を集計するのもマーケティングやブランディングでは大切となります。

定性的な「親身に相談します」や「無料相談します」といったアピールだけではなかなか競争に勝てないほど、相続マーケットは競合が増えているのが現状です。これまでの数字の流れを把握したうえで、「事務所のサービス内容を権威付けできるようなアピールにつながる数字がないか」を調べてみましょう。

また、自社提供サービスについて、相続申告数やそれにかかる業務での差別化が難しい場合は以下のような戦略も立てられます。

・遺言書の作成特化
・民事信託の活用
・事業承継をはじめとしたM&Aへの特化

相続税申告とは別の商品で認知度の高い商品をつくるという方法です。サービス作りは、ノウハウを蓄積していく必要がありますが、外部パートナーをうまく活用するなどの工夫で商品化が可能です。

今回はマーケットリサーチの具体例として、相続マーケットについてお伝えさせていただきました。相続マーケットが今なお拡大し続けているのは事実です。しかし、それはここ数年の動向でもあることから、参入している事務所も増加傾向です。そのため、Webや各チャネル・シェアはすでにある程度押えられている可能性が高いです。その場合は、明確な価格の競争力かパートナーへの高いコミッション、もしくは新サービスの開発などが必要になります。

次回は、「マーケットリサーチ事例~会社設立・経理代行~」についてお伝えいたします。本日もお読みいただきありがとうございました。

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