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顧問先からの質問に即座に答えられる税理士になるには? 記事



「“働き方改革”のため、これまで1人でやっていた業務に対して、社員をもう1人採用することにしました。そうすると、いくら売上を増やせばよいのでしょうか?」
「経常利益をあと500万円増やしたいんだけど、それにはどれだけの売上が必要なんですか?」
顧問先の経営者さんからこんな質問を受けることは会計事務所にとって日常茶飯事かと思います。
そんなときに即座に答えられず、「調べて後日連絡します」となっていませんでしょうか?
または、複雑な解説をして、経営者さんを置いてきぼりにしていたりしていませんでしょうか?

この手の質問は、『損益分岐点売上高』を理解していれば、即座に回答することができますよね。
ただ、顧客対応をしている職員さん全員が、損益分岐点について正しく理解されていますでしょうか?更に言えば、「会計の初心者である社長さまに、シンプルに分かりやすく伝えられる」というレベルの職員さんはどれだけいるでしょうか?

損益分岐点売上高を計算する際にボトルネックとなるのは、固定費と変動費の区分。
ここを厳密に分けようとすると手間がかかってしまいます。
一方、卸・小売業の場合、変動費を売上原価のみ、固定費を販売費及び一般管理費、営業外収益、営業外費用のすべてと、とりあえず割り切って計算すると比較的簡単に損益分岐点売上高が計算できます。

顧問先が知りたいのは“大ざっぱな数字”であって、決して厳密な数字を求めているわけではないことがほとんどです。税理士や会計事務所の場合、どうしても1円単位まで正確な数字を出したくなる傾向にありますが、顧問先企業の管理会計のシミュレーションに関してはアバウトな数字で十分です。

「年収400万円の社員さんを1人採用するなら、御社の場合、900万円の売上増加が必要です。1ヵ月平均で75万円、営業日数を1ヵ月25日とすると1日当たり3万円の売上を増やすことが求められます」
例えば、こんなふうにすぐに計算して回答すれば、顧問先は必ず「頼りになる先生だ」「いつも分かりやすく教えてくれる」と思うようになります。
損益分岐点について内容はもちろん、簡単な伝え方を意識し直すだけで、大きなコストを要さずに“頼れる会計事務所”になり、顧問先満足度が上がっていきます。

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