2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

アディーレの弁護士たち 昆虫が好き!田島寛明弁護士

アディーレの弁護士たち  昆虫が好き! 田島寛明弁護士

現在、国内屈指の超・巨大弁護士法人となったアディーレ法律事務所だが、今回ご紹介する田島寛明弁護士(たじまひろあき)は同事務所が3人の時から、補助者として事務所に勤務していた黎明期を知る一人。後に法科大学院へ進学し、苦学の末、司法試験を突破するのだが、それ以前、田島氏は昆虫ショップを経営していたという一風変わった経歴がある。

本インタビューでは弁護士としてはもちろん、等身大の一人の人間としてその半生を伺ってみた。

 

大学卒業と同時に昆虫ショップを経営
夏はバカ売れだが……冬はションボリ

「7センチを超えると、当時は“大物”でした。」

田島氏が大学3年生のころに、多くの外国産のカブトムシやクワガタの輸入が解禁されることになった。それは世間一般の人にとっては、何ら変化を感じないものだったかもしれない。しかし、田島氏はこの出来事を“ビジネスチャンス”と踏んで“昆虫の販売”に乗り出す。

「国産のオオクワガタは一時期、黒いダイヤモンドと呼ばれるほど高価で希少だったんです。1センチ単位で価格が異なり、7センチを超えるとミリ単位で金額が変わってきます。大きく育てるために、比較的大きな個体を掛け合わせサラブレッドを作るんです。また、エサにも気を使います。クワガタはオガクズを食料としているのですが、菌床ビンといって、キノコの菌を混ぜた栄養価の高いオガクズを作り、これを食べさせて巨大なクワガタを育成するんです。また、“天然モノ”“養殖モノ”でも価格が異なります。もちろん前者の方が高価になるのですが、これを見分けるのは……至難の技です(笑)」。

若年層の“起業ブーム”が訪れるのは数年後の話であり、田島氏は大学卒業後、就職せずに自営業という当時としてはかなりニッチな選択をしたことになる。しかも、その業種は“昆虫ショップ”。普段、あまり聞かない事業なだけに、その全体像を伺ってみた。

「私が学生時代、外国産のカブトシやクワガタの輸入が解禁されるようになりました。それによって以前は“標本”でしか見ることができないヘラクレスオオカブトなどの、珍しい外来種の昆虫を飼うことができるようになったんです。ここに目を付けました。ビジネスを始めようとすれば、商品を仕入れるための資本が必要となりますが、昆虫ならば最初の親虫を購入して繁殖させれば、少額の資本で始められ、儲かるのでは?と考えました。さっそく親虫を購入して飼育を開始し、卒業と同時に事業として動き始めました。増えた昆虫は、まだ当時は珍しかったインターネットの通販か、縁日の出店やイベントなどで販売していました。繁忙期はかなりハッキリしていて7、8月がピークです。1日で数十万円の売上が立つこともありました」。

カブトムシやクワガタは夏の風物詩。飛ぶように売れた。また、飼育の過程でボーナス的な収入もあったという。

「何千匹もクワガタを飼って、繁殖させていたところ偶然“雌雄同体”が生まれたんです。それをオークションに出したところ1匹で30万円以上の値段が付きました。やったー! と喜んで沖縄旅行へ行ったんですが、後々、聞いた話だと、テレビの鑑定番組では、なんと300万円もの値段が付いていたというではありませんか!? そして私の販売履歴を見た他の方から“100万円で売ってくれ!”というオファーもありましたが、時はすでに売却後。もったいないことをしましたね(笑)。」

しかし、季節は田島氏に恩恵を与える一方、不遇も与えた。

「問題は冬なんです。夏はバカバカと売れ、お祭り前日は徹夜で働きます。友人にも手伝ってもらって値札を付けてもらったり………。一方、冬は見向きもされません。一部に自宅に温室を用意している“マニアック”な方々がいますが、そういった人を満足させるため、輸入して商品ラインナップをそろえるのは……大変なんですね。そこで一般の昆虫ショップは爬虫類ショップなどを併設しそちらで売上を立てるのですが、私はイニシャルコストを抑えるために店舗をもたない出先販売形式だったため、冬は売上が立たずピザ屋で働いていました」。

とはいえ、昆虫の飼育は一年中しなければなりません。そのあたりについて伺うと

「昆虫の飼育となると、冬にガンガン暖房を稼働するイメージだと思いますが、実は逆なんです。日本の夏というのは諸外国の夏よりも厳しく、温度管理をしないと死んでしまうんですね。ワンルームマンションで飼育していたのですが、国産の昆虫だったら10度程度でも大丈夫です。ちなみに外来種の昆虫は冬眠しないので一年中動いています。エサ代は……夏場は食べまくります! よくカブトムシにスイカの切れ端を食べさせている姿を見かけますが、あれは大失敗! ただの水分です。エサがないからしかなたく食べているんです。エサはバナナが一番! 高たんぱくで栄養満点です。また今は栄養価の高い昆虫用ゼリーも色々でていますね」。

様々な昆虫を養殖・販売して3年目に突入した。が、事業の将来性に疑問を持ち……田島氏は廃業を決意する。

「夏場は月50~60万円の売上が有りましたが、事業の拡大を考えたときに、人件費・設備投資など試算すると、割に合わないことが明確でした。そこで、もうやめようと……。それから、まだ開業したばかりのアディーレ法律事務所にアルバイトで入所しました」。

 

事務所が拡大する渦中、多忙の中で法科大学院入学

「当時、私は25歳。法学部の出身だったこともあり、弁護士を目指すことにしたんです。過去に肉体労働や営業職などたくさんのバイトをしましたが、どれも慣れると“退屈”を感じてしまう。そこで、この悩みを払拭できる職業はないか? と探求した結果、事件ごとに業務が異なる“弁護士”に辿り着きました。そういう意味では“経営者”も同じですね。日々変化する環境が好きなんです。
入所したアディーレ法律事務所ですが、この頃はまだ3人だけの事務所で、“これから事務所拡大をする!”というタイミングだったこともあり、物凄く忙しかったです。法人化する前で、相談窓口のコールセンターを作ったり、支店開設のための物件探しや、業務フローの構築、採用面接など業務は山のようにありました。私もアルバイトから正社員となり、そして管理職となりました。そんな仕事の合間を縫って、弁護士を目指し司法試験の勉強(旧試験)をしていたんですが、とても続きませんでした。
そのうち新・司法試験へと制度が変わって、法科大学院が世に出てきました。私はこれをチャンス! と考え夜間のロースクールに入学しました。しかし……、忙しさは変わらず勉強をする時間などないんです。そこで本格的に勉強するため休職をすることにして……受験生活を始めました」。
 

受験時代はどういった生活をしていたんですか?

「実は、休職のタイミングで結婚をしたので、受験時代は妻が外に働きに出て、私は家事をするといったスタイルを送っていました。とはいえ、司法試験はさすがに難しく。通算で5年ぐらいは机に向かいました。結果的に合格してアディーレ法律事務所に戻ってきましたが、不合格だったら戻れなかったですね(笑)」。
 

弁護士となってから昆虫ショップの経験や事務員としての経験で役に立っていることを教えてください。

「私はもともと事務局側の管理職ですから、事務局側の仕事の流れもわかっています。当事務所は弁護士と事務局のそれぞれが組織として動いており、両者の関係をうまく調整し、仕事を動かしていかなければなりません。私は弁護士であり、事務局の経験もあるので、両者の間を取り持つのが私の役割のひとつと感じています。事務局は相手が弁護士だから言いにくい、そのまた逆で弁護士も事務局に遠慮して言いづらい。こういったことで仕事に支障がでるようなことがないようにフォローしています。また、昆虫ショップでは様々なお客さんの相手をしていましたから、コミュニケーション能力は磨かれたと思います。弁護士もサービス業ではありますが、ときには依頼者の利益のために依頼者に対して厳しいことを言わなければならないこともあります。伝え方を間違えると依頼者を怒らせるだけになってしまいます。こうした“シーンに応じたコミュニケーションの仕方については、過去の昆虫ショップ経営や事務員として管理職をしていたときの経験が生きていると感じています」。

余談だが田島氏は弁護士になる以前、何万分のイチともいわれる落石事故に遭遇したという。この時は法学部の一学生でしかなかったが、結果的に身近に法律を感じた一つの出来事であった。本企画の趣向とは少し異なるがこのアンビリバボー(?)な体験について伺ってみる。

「学生時代、友人と車に乗って栃木県の塩原をドライブに行ったのですが、小雨の中、まさかの落石に遭遇したんです。最初は、バンッ! という破裂音が聞こえ、タイヤがパンクしたのかと思って路肩に止めたところ、バックミラーの裏側から窓ガラスが蜘蛛の巣のようにひび割れた状態になっていました。落ち込みましたね。中古車とはいえ自分の車でしたから。帰ってから修理店へもっていくと、とてもリペアできる大きさではなく、フロントガラスの交換で修理費の見積は12万円! 学生にはキツい金額です。困っていると友人の父親が、道路の管理業者に言えばなんとかしてもらえるかもよ? とのこと。ダメ元で電話してみると、“不法行為に基づく損害賠償の請求をしていただければ、賠償致します”といった内容だったんです。結果的に修理費用は損害賠償請求をすることで支払ってもらうことができました。具体的な法律論はまだ学習していませんでしたが、法律を身近に感じた瞬間でした」。

 

どんな遠回りも必ずプラスになる!

さて、これまで田島氏に大まかな半生を語って頂いたが、本人いわく“遠回りをした”という。最後にこの点を踏まえた上でこれから弁護士を目指す方に向けてメッセージを頂いた。

「弁護士を“安定した仕事”だと思っている人が一定数いるようですが、今の時代、その考え方はちょっと違うかと思います。ただ、弁護士というライセンスがあれば、まだまだ食っていくには困らないかなとは思います。
弁護士になった後は、当事務所のような大きな事務所や企業の法務部のような“組織”に入るもいいですし、独立も可能です。弁護士という職業は、独立するのに資本は少額で済みますし、リスクも少なくて済むので、独立はしやすいです。独立しても、地方では弁護士会から回ってくる仕事でもそれなり食っていけると思うので、自分の努力次第でなんとでもなる“自由”な職種だと思います。
司法試験に合格するまで、皆さん、紆余曲折があると思います。ストレートに行く人もいれば、私のように遠回りをする人もいます。この“遠回り”の部分が実は“弁護士”になったときに凄くプラスになると思います。弁護士の仕事は、法律知識だけではなく、対人的な様々な能力や知識を求められるので、弁護士以外の経験もすべて役に立っていると思います。これまで遠回りしてきた方も、その経験は弁護士になってからきっと生きてきますので、己を信じて頑張ってほしいです」。
 
プロフィール
田島 寛明(たじま ひろあき)氏
資格:弁護士
所属:東京弁護士会
出身:東京都
出身大学:明治学院大学法学部・大宮法科大学院大学
所属委員会等:法教育センター運営委員会
関連コンテンツ