ものづくり補助金や創業補助金の申請をしっかりサポート! 補助金採択のポイントは「革新性」の有無にあり!?
- 2020.05.26
- 株式会社 アックスコンサルティング

ものづくり補助金や創業補助金の申請をサポートして、しっかり採択されれば、顧客満足度が格段に上がり、新規の顧問契約や報酬アップにつながります。
しかし、申請には手間がかかり、必ず採択されるわけではないので、補助金申請を扱うのを敬遠する会計事務所は少なくありません。
補助金が採択されるにはポイントがあるのです。
今回は補助金が採択される事業計画のポイントについて、公認会計士の若杉拓弥氏に解説していただきます。
事業計画のポイントは、審査基準を守ることです。
審査基準は公募要領に全部載っています。
公募が出たら内容をしっかり確認して、審査基準を全部読み取ってください。
審査基準とは、技術化面、事業化面、政策面の3要素です。
これらを満たす申請書をいかにして作成するかが大事です。
審査員は技術化面が2人、事業化面が2人、政策面が1人の計5人で構成されます。
ポイントはビフォーアフターの明確化
では、審査の主な着眼点について見ていきましょう。まず、革新性です。
社内・社外的な真新しさ、変化があるかということです。
補助金の審査は全般的に、革新性が最も大事です。
補助金を申請する事業が、既存事業と異なることが前提になります。
既存事業の延長では、なかなか採択されないのが現状です。
では革新性とは何かというと、「生産方法を手作業から機械化する」や「まったく新規の製品を作る」といったものです。
ビフォーアフターを明確に比較できることが、革新性を満たす最低条件です。
「ビフォー(革新以前)はこういう状態だったのが、アフター(革新以降)はこんな風になりますよ」と、ビフォーアフターを明確にすることが最大のポイントとなります。
ビフォーアフターが明確でないと、どんなに細密な申請書を書いても、採択されにくいです。
まずは自社の現状や事業課題の明確化が重要ですね。
ちなみにアフターでは
「競合他社がやっていない」
「業界初」
といったキーワードまで打ち出せればベター。
事業全体の革新性を積極的にアピールしていきましょう。
一方、事業が革新的であればあるほど、実現の可能性に疑問が出てきます。
「資金的、能力的、体制的に実現可能なのか」
「スケジュールに問題がないか」
など、実現の可能性を裏付ける必要があるでしょう。
審査員は補助金の費用対効果が大きくなるような計画書を期待しているので、できる限り具体的な計画書が必要です。
なおかつ社会性もチェックされます。
「政策や社会への寄与はあるか」
「雇用創出、賃上げをもたらすか」
といった点も事業計画に加味しないといけません。
このように補助金の申請には既存事業と異なる革新性が前提となります。
まずは自社の現状と事業課題を明確にし、具体的な事業計画を作成することが望まれます。
会社の強みを考え抜いて事業計画のテーマをつくる
では、事業計画にどうやって革新性を持たせるのか。それは、事業計画のテーマです。
事業計画をつくるときに30字前後のテーマをつくります。
「これは他社ではやっていない」「これは革新的だ」と審査員に思われるテーマを、いかにして考えるかが、最大のポイントになります。
下記にに私が実際に扱った事業計画のテーマ例を挙げておきます。
「最新」とか「効率化」などに関連するキーワードを盛り込むことがポイントです。
「革新性」を感じさせる事業計画テーマの一例
- グローバルな品質保証体制と医療分野への体制の構築
- クリーンエネルギーのさらなる発展と普及に向けた太陽光パネルリフォーム事業
- 先進医療・地域医療拡充に向けたCAD /CAM設備導入による歯科補綴物製作の効率化
- 医療の高度化に向けた医療機器メーカー向け超精密ポールゲージの開発
- 最新溶接ロボットの導入による社内生産力の強化と地域の担い手となる若手人材の育成
- 業界初、水性かつ透明の防錆表面処理技術の確立
- 本社一括発注・複数拠点異部数配送事業参入(川下展開)に向けたITと最新製本機の導入
- 工程自動化による精密加工・生産性向上のための自動刃曲設備の導入
- 精密かつ効率的な品質管理体制構築のためのマイクロスコープ導入
- 最新鋭POD機導入により、絶版本等極小ロットの印刷及び高速道路チケット等バリアブル印刷などの新市場の開拓
次の3つのSTEPを踏んでいきます。
- STEP 1:会社の強みを考える
- STEP 2:成長市場を考える
- STEP 3:テーマを考える
しかし、いきなりテーマから考えると、事業計画の中身がぶれてしまいます。
まずはSTEP 1からスタートしましょう。
「会社の強みは何か?」
「利益率の高いサービスは?」
「社名の由来は?」
などをじっくり考えていくのです。
STEP 1で会社の強みをしっかり考えると、STEP 2は難しくありません。
市場調査を行って
「この業界はこの市場が伸びている」
「今後はこの分野が伸びていきそうだ」
ということがわかれば、成長市場にひもづけてテーマを考えていけばいいのです。
STEP 1 とSTEP 2 を踏まえ、会社の強みを活かした独創的な事業で、かつ成長市場に向けたビジネスの事業計画ですと、採択されやすくなるでしょう。
プロフィール

若杉公認会計士事務所
代表 公認会計士
若杉拓弥(わかすぎ たくや)氏
慶應義塾大学卒業。当時全国最年少学年公認会計士合格。実家の医院を継げなかった過去から、会社の医者として会計士の活動を展開。事業計画を起点に第二創業経営者の社外CFOとしてコンサルティング業務を展開。補助金の事業計画はもちろん、融資における事業計画にも定評があり、赤字・消費税滞納でも、10年赤字・債務超過でも融資を引き出した実績を持つ。
関連コンテンツ