【特別対談】人事制度のスペシャリストが語る!社労士が取り組むべき 人材戦略支援とは?
- 2022.02.17
- プロパートナーONLINE 編集部
(左)社会保険労務士法人スマイング代表 成澤紀美氏
大手電機メーカーなどでシステムエンジニアとして勤務後、1999 年に開業。
IT 企業に特化し、採用や人事評価のコンサルティングも行う。
従業員数:24 名
所在地:東京都渋谷区
(中央)フクシマ社会保険労務士法人代表社員 福島省三氏
商社勤務を経て、1989 年に開業。
職務職能給などの賃金体系の指導・相談、就業規則などの諸規定の作成も行なっている。
従業員数:32 名
所在地:広島県広島市
(右)〈オーガナイザー〉株式会社アックスコンサルティング代表取締役 広瀬元義
従業員が成長する仕組みを整え、運用・相談で長くサポートする。
採用、オンボーディング、人事評価、賃金設計といった人材戦略マーケットが拡大するなか、
社会保険労務士は顧客とどのように関わっていくべきか?
人事評価制度において業界トップクラスの実績を誇る二人に聞きました。
広瀬:
お二人は人事評価や給与の設計にも取り組んでいますが、
どんなサービスをお客様に提供しているのですか?
福島:
等級制度と評価制度、そこから賃金をシミュレーションできるシステムを
パッケージにしています。50人規模の企業が対象で、導入には助成金も使えます。
成澤:
弊社はIT業界に特化しているので、技術者をどう育てるかというビジョンから決めます。
スキルマップをつくって、等級や評価に落とし込むんです。
「スキルを活かしてどんな結果を出したか」や、「マネジメント能力に重きを置きたい」など、
会社によって求めるものは異なります。
広瀬:
なるほど。人事は、給与評価だけではなくて、
従業員が心地よく自分を成長させていく仕組みづくりです。
現状、この分野に取り組んでいる社労士の先生はごく一部ですが、どうしてですか?
福島:
経験がないからではないでしょうか?あとは、人事コンサルだけでは収益性が低いんです。
弊社では、人事パックを入り口に、給与計算や教育につなげています。
営業が苦手な先生が多いので、提案ツールも必要ですね。
成澤:
人事制度を一からつくったら、正しく運用することが大事なんです。
なので、相談顧問などで長くお付き合いできる仕組みにしています。
広瀬:
人事を変えると会社がどう変化していくのかを見せることが必要ですね。
最後に、お二人は人事マーケットの将来性をどう見ていますか?
成澤:
景気に影響されますね。景気が悪くなると人事制度の売上は落ちます。
賃金調整のためにマイナス思考の評価制度をつくりたがるお客様が増えるので。
福島:
私は、採用が鍵だと思います。学生は、面接でキャリアップについて尋ねますよね。
そのときに自社の人事制度を見せられないと採用できないし、定着しません。
人事サポートができないと、社労士の未来はありません。