【辻・本郷審理室が答えます!】第6回 3年程超過した債権免除を行う際の留意すべき事項は?
- 2020.05.26
- 株式会社 アックスコンサルティング
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3年程超過した債権免除を行う際の留意すべき事項は?
【解説】
法人の有する金銭債権について、債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、
その金銭債権の弁済を受けることが出来ないと認められる場合において、
市の債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額はその明らかにされた日の属する事業年度において貸し倒れとして
損金の額に算入することとされています(法人税法基本通達9-6-1(4))
この場合の貸倒損失の計上は、金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合の債務免除の取り扱いですので、
その債務者が第三者であることをもって無条件に貸倒損失の計上ができるというものではありません。
第三者に対して債務免除を行う場合であっても、同通達に掲げる場合と異なり、金銭債権の弁済を受けることが出来るにもかかわらず、
債務免除を行い、債務者に対して実質的な利益供与、寄付金を図ったと認められるようになるような場合には、
その免除額は税務上、貸倒損失には当たらないことになります。
したがって第三者に対して債務免除を行う場合には金銭債権の回収可能性を充分に検討する必要があります。
特に「債権者の債務超過の状態が相当期間継続」しているという場合における「相当期間」とは、
債権者が債務者の経営状態をみて回収不能かどうかを判断するために必要な合理的な期間をいうことから、
形式的に何年ということではなく、個別の事情に応じ総合的な判断を行う必要があります。
この他、債務免除について、民法519条では「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅する」と規定されています。
このため、債務免除は債権者の一方的な行為となり、債権債務が消滅したことを客観的に示すことが困難な場合もあります。
したがって、債務免除を行う旨を書面により明らかにする必要があります。
なお、必ずしも公正証書等の公証力のある書面によることを要しませんが、書面の交付の事実を明らかにするためには、
債務者から受領書を受け取るか、内容証明郵便等により交付することが望ましいと考えられます。
※出典)
辻・本郷ダイレクトアシスト ゼミナールvol.3
質問回答事例集 法人税・消費税・個人所得税・資産税
辻・本郷ダイレクトアシスト ゼミナールvol.3
質問回答事例集 法人税・消費税・個人所得税・資産税
最後に・・・
いかがでしたでしょうか。顧問先に対して、上記のように、きちんと根拠を説明しながら回答をするのは
専門外の分野ですと時間も大幅にかかってしまいます。
今回ご紹介した『辻・本郷審理室ダイレクトアシスト』では
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皆様のご入会お待ちしております!
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