【ベンチャーファーム】成長スピード著しいITベンチャーを支援したい
- 2022.06.29
- プロパートナーONLINE 編集部
クラウド会計ソフトやAIの発展とともに、新たな波を起こす今、
注目のベンチャーファームの成長の極意を紹介します。
今回は野口五丈公認会計士税理士事務所の代表、野口五丈氏にお話をお伺いしました。
クラウド会計を導入IT企業と足並みを
ITベンチャー企業のサポートで確実に成長している、野口五丈公認会計士事務所。事務所を構える渋谷は、”ビットバレー”とも言われる、
日本でも有数のITベンチャーの集積地でもあり、年70件ペースという破竹の勢いで顧問先を増やし続けています。
野口氏が開業した2012年は、ちょうどクラウド会計ソフトが世に出回り始めた時期。
開業後しばらくの間、交流会で名刺を配るなど地道な営業を続けていた野口氏は、
このクラウド会計ソフトに早い時期から目をつけていました。
なぜならクラウドになじみやすいIT業界は独立する人が多く、
IT産業自体も日本において数少ない成長産業の一つだからです。
この戦略は見事にヒット。
現在、同事務所の顧問先企業の8~9割がITベンチャー企業とのこと。
「これまでの会計ソフトと異なり、いつでもどこからでもチェックができる画期的なシステムだと思いました。
これまで業界では巡回訪問が続けられてきましたが、クラウド会計ならお客様のところへ行く回数が減ります。
それと同時に、報酬を下げてあげることもできます。
月次巡回に時間を割かなくていい分、
会計業務以外のコンサルティング業務といった高付加価値のサービスを
より多くのお客様に提供できるようになりました」
最新技術と人間の間”通訳”を目指す
野口氏が提供する”高付加価値のサービス”の中でも、資金調達やものづくり補助金等の申請手続きサービスは、特に出色しています。
「今までの会計事務所は企業の決算書を全部見られるにも関わらず、
それを自分たちの営業に活かしてきませんでした。
会計士の仕事は申告書を作るだけではなく、
会計業務を通して顧客の満足を創出してあげることだと思います」
野口氏はクラウドやAIのような最新の技術と人間の間に入り、”通訳”してあげるのが自分の仕事だと語ります。
そしてこのポジションの仕事は今後もっと需要が増えていくだろうと推察します。
「監査法人にいた時にはチェック屋、計算屋でした。
今はたとえば、銀行に一緒に行って事業を説明してあげ、
アプリ開発のための補助金申請が通ったりすると、
お客様は『一生の恩人です』とまでいって喜んでくれます。
やりがいもひとしおですよ」。
まさに天の時を得て、クラウド会計に強みを持った会計事務所として発展の道を突き進む野口氏。
何年先に従業員規模何人の、などといった具体的な展望は持たないものの、
今後、”クラウド会計で日本一の会計事務所”になることを目指すとのこと。
さらに、同氏は次の課題は”人”の部分だと語る。
「リクルートに関しては、幸いにもクラウド会計をやりたいという人が集まってきてくれています。
今急務なのは、マニュアル整備、社内業務の標準化。
しかしこれも、『Teachme Biz』というクラウド型のマニュアル作成ツールがあるので、
誰が見てもわかりやすい動画ベースのマニュアル作成を首尾よく進められそうです」
クラウドの出現は業界にさまざまな受け止められ方をしたが、これを好機と捉え、
見事に自身の”上昇気流”に変えた野口氏。
時代に逆らわず、スピーディーな対応が、最高の武器となったようです。
プロフィール
野口五丈公認会計士税理士事務所(東京都渋谷区)
野口 五丈氏
2012年開業。ITベンチャー企業のスタートアップ支援や補助金申請など数多く手掛ける。
拠点数:1拠点
従業員数:13名
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