【注目士業に一問一答】社労士の枠にとらわれないサポートで、コンビニから日本を元気に!
- 2022.01.21
- プロパートナーONLINE 編集部
「人」を軸にした支援で、コンビニをはじめとする企業をサポートしている、
こんくり株式会社代表取締役の安 紗弥香さん。
社会保険労務士としての知識と経験を活かした多角的なサポートを目指し、
コミュニケーション研修や起業家向けオンラインサロンの主宰など、幅広く活躍しています。
そんな安さんの熱い思いを伺いました。
Q1 安さんは「コンビニ社労士®︎」として活動されていますが、
どのような経緯で社労士になったのでしょうか?
大学卒業後は、ディズニーストアに勤務していました。学生時代に、ディズニーシーでアルバイトをしていたこともあるのですが、
私は「モノを売る」ということにすごく喜びを感じたのです。
接客して販売するとか、
売り場をつくって商品を買っていただくことが楽しかったんですね。
しかも、ディズニーイズムを体感しながら、販売の仕事もできる。
そこがとても面白かったんです。
5年ほど勤めた後は、大手コンビニチェーンに転職をしました。
コンビニは、同じ小売りでも、それまでとまったく異なる現実的な販売で、
とても良い勉強になりました。
私は、社員や加盟店のオーナー向けのトレーナーをしていたのですが、
その研修で出会ったオーナーさんたちが皆、
素晴らしい方ばかりだったんです。
「この業界、この店を良くしていきたい」
と本当に熱い思いを持っていて、
私自身、とても成長させてもらいました。
それなのに、「なぜコンビニ業界は人気の職業ではないんだろう?」
というのがずっと疑問で……。
そこで、「コンビニ業界に恩返しをしたい」
「コンビニから日本を元気にしたい!」と、
まだ会社に勤めていた2012年に社労士資格を取得。
2013年に独立し、企業研修などを行う事業を始めました。
Q2 社労士として独立して、苦労されたことはありますか?
「コンビニから日本を元気にしたい!」と独立したものの、それまでは販売とトレーニングが仕事だったので、
社労士の実務はやったことがなかったんです。
しかも、事務作業そのものが苦手(笑)。
3平米くらいのレンタルオフィスを借りてスタートしたのですが、
当時は迷走していました。
もともと「社労士になりたい」と思っていたわけではなく、
「コンビニから日本を元気にしたい」という思いが先にあり、
社労士はあくまでそのための手段。だから、社労士の業務より、
まずはなるべくたくさんのコンビニオーナーさんと出会うために、
研修の講師などをメインでやっていました。
ところが、なかなか売上にはつながらず、どんどんジリ貧に……。
そこで、「一度、社労士としての原点に立ち返ろう」と考えました。
ちょうどそのタイミングで、ブログを通じて知り合った女性から
「一緒に社労士法人をつくろう」と声をかけてもらい、
社会保険労務士法人プレミアパートナーズを設立することになりました。
そこからは本気で社労士業務をやってみようということになり、
顧問先も徐々に増えていきました。
Q3 コンビニ社労士®︎として、
どのようなお仕事をされているのでしょうか。
お客様はフランチャイズのオーナーさんがメインです。独立してコンビニを始めた方もいれば、ホテルのオーナーで、
相乗効果を狙って1階部分をコンビニにしたという方もいたり、
さまざまです。
もちろん、労務のアドバイスや雇用契約に関する指導もしますが、
主にサポートするのは、コミュニケーションの取り方。
店長会議などに参加して、スタッフのモチベーションをどう上げていくか、
どう指導するとうまくいくかなどのアドバイスを行います。
私は防災士の資格も持っているので、防災に関する話をすることもあります。
社労士があくまで手段の一つであるように、
コンビニ業界が元気になれば、手段は何でもいいんです。
みんながコンビニ経営や店舗の運営に
やりがいを感じられるようなサポートができれば、
すごくうれしいなと思います。
その空気が、店舗のスタッフさんやお客様にも伝わっていくと思います。
Q4 最近では、コンビニ業界だけではなく、
起業家向けのオンラインサロンを始めたと聞きました。
オンラインサロンでは、どのような活動をされているのでしょうか?
2021年9月に、企業経営に必要な情報収集ができる『MANA-formation™️』(マナフォメーション)
というオンラインサロンを立ち上げました。
当初はコンビニオーナー向けのオンラインサロンをやろうと思っていたのですが、
コンビニオーナーはオンラインのイベントになじみのない方が多く、
今はまだ難しいと判断しました。
そこで、コンビニオーナーに限定しない経営者・起業家の方に向けたサロンを開始。
経営者は、自分の業界の情報は知っていても、
それ以外のことが全くわからないという人が少なくないのですが、
情報を自分から取りにいかないと、知らないことがリスクになります。
たとえば、専門家の力を借りれば簡単に済んでしまうことを知らず、
一生懸命自分だけの力でやろうとして時間が圧迫され、
体を壊してしまったり……。
そういった負のスパイラルに陥らないために、
士業をはじめとする専門家が定期的に情報を発信しています。
現在、社労士、税理士、組織開発や健康管理のスペシャリスト、
占い師などが、それぞれの専門知識を提供しています。
Q5 仕事をする上でのモットーは何ですか?
モットーは、「感謝と承認」です。自分自身が常に感謝と承認ができる人であること、
そして、感謝と承認ができる人とお付き合いすること。
それができない人とは、そもそも仕事にならないと思っています。
感謝と承認の力って、本当に魔法みたいなもので、
みんなの心がどんどんプラスになるんです。
組織のなかで後ろ向きな人がいたとしても、
全体ではプラスになっていく。
私自身、普段から心がけることで気持ちが穏やかになります。
だから、その気持ちは絶対に失くさないようにしています。
Q6 今後の展望について、教えてください。
実は今、社労士としての仕事の在り方を変えようと思っているところです。これまで8年近く社労士業務に携わってきて、
私が本当にやりたいことは、また別のところにあると感じています。
先ほども話しましたが、私は、企業の支援につながることで、
皆さんに喜んでもらえることなら、手段は何でもいい。
たとえば、オンラインサロンの会員数を現在の10倍にできれば、会員同士、
全国のいろいろなエリアの人とのビジネスマッチングの可能性も広がります。
そういう前向きなムーブメントを起こしたいと考えています。
社労士としての知識と経験を活かしながら、より幅広い仕事を創造し、
本当に自分が得意だと思うことにチャレンジできる
環境をつくっていきたいと思っています。
プロフィール
安 紗弥香さん
こんくり株式会社 代表取締役
1979年、愛媛県松山市生まれ。上智大学文学部教育学科卒業後、ディズニーストアに5年間勤務し、コンビニエンスストアチェーン本部へ転職。社員や加盟店を対象にした研修トレーナーとして活躍。コンビニのより良い労働環境づくりのサポートを行うため、社会保険労務士資格を取得し、2013年に独立。社労士業務と並行しながら、接客・マナー、コミュニケーション、プレゼンテーションなどの研修を開催。2017年に、こんくり株式会社を設立し、コンビニ業界などの小売業、各種業界の人事・労務管理、人材育成研修、プレゼン力・コミュニケーション力アップ支援など、総合的なアドバイスを提供している。
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