税制改正大綱で士業が意識しておくべきポイントとは
- 2022.12.09
- プロパートナーONLINE 編集部
![税制改正大綱で士業が意識しておくべきポイントとは](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/20220201_kaisei_thumnail.jpg)
士業の守備範囲に本格的な変化の波が到来
2022年の対応が未来を大きく左右する⁉
注目すべきは「デジタル化」「事業継承」「生前対策」
税理士・峯岸秀幸氏が、2022年の税制改正の要点を踏まえたうえで、
士業が何をやるべきなのかを解説します。
2022年の税制改正に注目!今後、士業のやるべきこととは
今回の税制改正の全体像としては、さほどサプライズのない印象でした。加えて、岸田政権の意図が読めない改正だったように思います。
また、コロナ禍による減税措置が強く出ることを期待した
国民も多かったのではないでしょうか。
しかし、住宅ローン控除の延長を例にとってみても、
2025年入居まで延長されるものの、
2022年入居分から控除額が縮減、
2024年以降はさらに縮減するため、
総じて国民への恩恵が少ない印象を受けました。
また、少額の減価償却資産として一時の損金にできる制度を
利用して大量の低額なドローンを購入し、
事業年度に全額損金算入したうえで貸し出す
「ドローン節税」といった節税スキームの封じ込めなど、
非協力的な納税者に対処するための改正が目立ったように思います。
このような税制改正のなかでの目玉といえば、
賃上げ税制ではないでしょうか。
企業が給与を増やして社員教育などを充実させた場合、
大企業は最大30%、中小企業は40%を法人税から
差し引けるようにするものです。
今回の改正では、大企業では新入社員ではなく、
継続雇用者を対象としています。
労働人口が減少するなかで継続雇用者の賃上げを促すことによって、
岸田政権が掲げる「成長と分配の好循環」
につなげることを狙いとしています。
しかし、実際は賃上げに教育訓練費の増加、
そのうえでの黒字決算と、適用のハードルは高く、
そのため、優遇税制の恩恵を受けられる企業は少ないのではないか、
というのが見解です。
もう一点、注目すべきは、コロナ禍で法人版事業承継税制の
特例承継計画の提出が2024年3月末まで延長された一方で、
特例制度の期限は2027年までとし、延長しないと明示された点です。
この特例制度は、贈与税・相続税が大幅に優遇される制度でしたが、
打ち切りの期日を明記された以上、
この税制を活用して事業承継を行うかどうかを
2022〜2023年いっぱいまでに決断しなければいけません。
このことは、顧問先の経営者の世代交代のタイミングや
後継者問題に大いに関わります。
顧問先の次世代の在り方は、士業がこの2年をどう動くかに
かかっているといっても過言ではないでしょう。
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プロフィール
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峯岸秀幸氏
税理士法人峯岸秀幸会計事務所
代表 公認会計士・税理士
大手監査法人勤務後、2012年開業。業務の傍ら税務における法律を学ぶため大学院へ入学
日本公認会計士協会租税政策検討専門委員会副専門委員長を務める。
https://www.minekaikei.com/
代表 公認会計士・税理士
大手監査法人勤務後、2012年開業。業務の傍ら税務における法律を学ぶため大学院へ入学
日本公認会計士協会租税政策検討専門委員会副専門委員長を務める。
https://www.minekaikei.com/
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