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2025年問題にどう立ち向かう!? 今からはじめる民事信託のすすめ



財産の管理や運用、処分が家族間でできる民事信託は、
世間にも浸透してきています。
そこで、財産管理をとりまく環境や 民事信託獲得のポイントを、
組成件数350件を超える、
司法書士法人みつ葉グループの廣木 涼氏に聞きました。



 

高齢社会の財産管理を民事信託で柔軟に対策

総務省の統計(令和2年10月1日時点/総務省「人口推計」)
によると、65歳以上の高齢者(以下、高齢者)は日本の総人口のうち、
28. 8%という状況になっています。
高齢者の割合が増えた社会には、
「介護」「孤独死」「社会保障」など多くの課題があると考えられますが、
「認知症」もその1つです。平成29年度高齢者白書によると、
2012年は認知症患者数が約460万人、
高齢者人口の15%という割合でしたが、2025年は5人に1人、
つまり高齢者人口の20%が認知症になるという推計もあります。
認知症の方を抱える家族や周囲の人が持つ悩みとして、
次の①~③があげられます。
 
  1. 金銭管理が難しくなってしまった
  2. 銀行の本人確認手続きができず、家族でも預金を引き出すことが難しくなってしまった
  3. 介護費用捻出のために自宅の売却を進めたかったが、売却できなくなってしまった
このような悩みの対策として、
成年後見制度を利用する方法もありますが、
主に本人の財産を「守る」ための制度であり、
あくまでも「現状維持」に主眼を置いています。
そのため、次のような点から成年後見制度の利用に
消極的になってしまっているのが現実です。
 
  1. 財産の運用や処分が難しい
  2. 家族以外の第三者(専門職後見人)が就任する可能性がある
  3. 後見人報酬(ランニングコスト)がかかる
そこで、高齢者の財産管理に関する悩みを解決する手段の一つに、
「民事信託」の活用があります。民事信託と成年後見制度では、
それぞれできることとできないことがあり、
どちらを活用するのが最適なのかは、各家庭の状況にもよります。
私たち専門家は、ご本人、
そしてご家族の想いを実現していくために、
専門的知識をもって、しっかりとヒアリングを行い、
さまざまな提案をしていくことが、今後必要になっていきます。

 

【財産管理を取り巻く3つの環境】

①高齢者人口の増加に伴い認知症患者数は年々増加

現在、約1,500万人の後期高齢者人口が、
2025年以降に約2,200万人に膨れ上がると推計されている。
国民の4人に1人が75歳以上という超高齢社会のなか、
65歳以上の認知症患者は約700万人を突破するともいわれている。
 

 

 

②認知症になったら財産管理や資産活用が困難に

高齢者人口の割合が増えることによって、さまざまな問題が発生してくる。
認知症もそのうちの一つ。家族が認知症になってしまった場合、
金銭や不動産の管理ができなくなり、
本人名義の資産が凍結する恐れがあるため、早期対策が必要になる。
 

〈認知症の進行で難しくなる財産管理〉

× 銀行口座の預貯金の引き出し
たとえ子どもであっても親名義の資産を勝手に動かすことができず、
凍結状態になる可能性がある。

× 本人名義の不動産の売却
認知症によって意思能力がなくなった場合、
不動産の売買契約ができなくなってしまう可能性がある。

× 新築住居などの不動産購入
住宅ローンなどを組む場合、金融機関の確認が必要となる。

× 経営者の場合、自社株の譲渡
判断能力がなくなった場合、株式の譲渡ができず、
後継者への株の譲渡のタイミングを逃してしまう可能性がある。

 

 

③成年後見制度はあくまでも財産の維持が目的

判断能力をなくした場合の法律行為をサポートする制度として、
成年後見制度があるが、あくまでも財産の維持が目的。
そのため悪徳商法の被害にあった場合、
契約を取り消すことができる一方で、財産の運用には不向き。
専門家が後見人となる場合は、毎月報酬が発生する。
 

〈成年後見制度の活動〉

メリット
・財産管理を行うことができる
・生活、医療、介護、福祉など本人の身の回りの法律行為を行うことができる
・取消権が認められていて、本人が悪徳商法の被害にあった場合、契約を取り消すことができる

デメリット
・あくまでも財産を守る・現状維持のための制度
・家庭裁判所への報告義務がある
・専門家が後見人となった場合、毎月の報酬が発生する
 

〈COLUMUN〉

実際にあった成年後見制度の事例
取消権が認められているものの専門家費用が生涯かかる

「いま住んでいる自宅の持分の1/2を本人が所有して、
残り1/2を娘が持っていた事例で、本人が1/2の持分を不動産屋に売り、
その不動産屋が2~3社転売してしまったケースがありました。
正常な判断能力があれば、
自分が住んでいる自宅を売ることはないので、
成年後見人をつけ、裁判をして不動産売却の取り消しを行い、
父に名義を戻すということも実際にありました。
このように本人の生活に支障をきたす契約行為から身を守るには、
成年後見制度は有効です。
しかし、認知症は一度発症したら回復することはないため、
生涯にわたって後見人がつくことになります。
専門家が後見人となる場合、
費用面で制度を活用することをとまどうご家族もいます」(廣木氏)


 

顧客の大切な資産を守る提案内容を増やすことが大切

コロナ禍で「自分の身に何か起きた場合、財産をどうするか」
「両親の今後を考えたとき、早めに対策しておかないと」と、
危機管理の意識を持たれる方が増えてきたように思います。
実際に、弊社に相談してくださる方の多くは、50代前後の方です。
家族構成は、80代のご両親と大学生のお子さんを持つ世帯層です。
50代というと、団塊の世代を親に持つ、いわゆる団塊ジュニア層で、
人口ピラミッドで一番多い年齢層です。
つまり、今こそ最も生前対策の需要が高い時期といえます。
彼らのニーズを最大限に汲み取った資産承継をお手伝いするために、
民事信託を手段の一つとして提案するべきだと私は考えています。

需要の高まりとともに、相談者も地主や都心部の富裕層、
金融資産の少ない層とで二極化している傾向にあります。
富裕層は節税対策に重きをおいて、金融資産の少ない層は、
ライフプランに合わせた財産管理に重きをおいています。
民事信託の良い点は、
家族が元気なうちから将来の資産について皆様で話し合えることです。
誰にどんな財産を承継したいか、
思いを伝えることで家族の関係も深まります。
また、士業側から見た良い点は、民事信託をきっかけに、
お手伝いしたご家族との長いお付き合いが見込めることです。

司法書士にとって、
継続的なお付き合いができる顧客を多くつくることは非常に大切です。
また、民事信託を扱うことで税理士や不動産、保険、銀行といった
関連企業の開拓ができ、紹介をいただく窓口を増やすことができます。
信託の大まかなフローは、
コンサル→契約→登記 ですが、
コンサルは税理士の先生や不動産業者が行って、
契約から対応するケースもあれば、
契約まで弁護士の先生が行って、
登記から入ることもあります。
しかし、法律や登記を理解していないと、
家族関係を破綻に導いてしまうようなリスクの高い信託を
組成する可能性も低くはありません。
ですから、民事信託の実績やノウハウを熟知している専門家と
早い段階から連携して案件を進めることが大切だと思っています。




 

提案の幅を広げる、民事信託獲得のためのポイントとは

2024年4月から相続登記が義務化されます。
相続登記の依頼は必ずありますから、
司法書士にとって非常に追い風です。
そして、家族関係も不動産の状況もわかり、必要な情報が入ってくるので、
相続登記をきっかけに自然と民事信託を提案しやすい状況がつくれます。
このような時代の風潮から、民事信託は、専門家の知識として必須です。

一番大切なことは、お客さまに合った価値を提供すること。
大切な財産を残すサポートをするなら、
私たち士業の提案の幅は広げていかないといけません。
これから、民事信託を事務所の主力として検討される先生は、
まずは取り組んでみて、実績をつくることが第一歩だと思います。
その一歩を私たちが一緒にサポートさせていただきたいと思っています。



【民事信託獲得のためのポイント】

①団塊世代とジュニアが生前対策を検討、高まる需要

人口ピラミッドで多いのが80代、50代。
ライフプランに合った資産の活用を検討している年代は、
家族に合った柔軟な組成ができる民事信託への興味が強い。

 

②他士業、不動産、金融機関やクライアントとの関係性構築

民事信託を扱うことができると、
それをフックにチャネル開拓もしやすくなり、
関係性を構築できる。すると継続的な案件獲得も期待できる。

 

③まずは実績づくり! 詳しい士業と一緒にやると勝手がわかる

拡大する市場に対応しないのはもったいない。
まず初めは詳しい士業と一緒にやって実績をつくること。
流れを理解すれば、次回案件を進めやすくなる。

 



〈COLUMUN〉

今後の法改正もCHECK! 成年後見制度の利用促進に動きあり!?

厚生労働省より、成年後見制度の利用促進を目的とする
五カ年計画案が明示。本人が亡くなるまでは利用を中断できない
現行の仕組みから、柔軟に活用できる検討方針を盛り込むという。
民事信託をはじめ、幅広い提案ができるようになることが大切。


 


 

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全国6都市に拠点展開し、登記から生前対策、不動産まで幅広く手がける
司法書士法人みつ葉グループの東京オフィス相続事業部のマネージャーである
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プロフィール
廣木 涼氏

司法書士法人みつ葉グループ

東京・札幌・大阪・広島・福岡・沖縄に拠点を展開するみつ葉グループにおいて、
東京オフィス相続事業部のマネージャーを務める。
不動産会社・保険会社と連携し、相続に関する総合的なコンサルティングサービスを提供しており、
士業の枠に捉われず、多角的な視野で問題解決に取り組んでいる。
これまで、350件以上の民事信託案件に携わり、全国でもトップクラスの組成実績を誇る。
https://mitsubagroup.co.jp/
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