【特集】資産税を強化し相続ニーズを深掘る提案を!

2022.03.11
プロパートナーONLINE 編集部

20年に及ぶ大手事務所での経験を活かして、
2011年に資産税を専門とする
税理士法人エクラコンサルティングを設立した田中誠氏。
これまでに2,000件超、約1兆円の資産を扱った田中氏が、
案件獲得の秘策について語ります。

顧客ニーズを満たすために、知識の更新と適切な提案を行う

2030年までに、オーナーが70歳以上になる企業が
270万社を超えると言われています。
そして、その半数は後継者がいないという危機的状況です。
これを踏まえて、令和4年の税制改正大綱に、
事業承継税制における特例承継計画の提出期限延長が盛り込まれるなど、
国も対策を行っています。
企業にとって身近な存在である士業も、今後お客様からの相談が増え、
一緒に対策をしていく場面も増えていくことになると思います。
そのためにも、資産税の仕組みをしっかりと理解しておくことは重要になるのです。

仕組みの例でいうと、
先代の跡を継いだオーナーが納税猶予になっていた場合、
子どもが跡を継ぐことになっても、
自分が生きているうちは、前の税金の免除ができません。
納税猶予の話を聞いたら、
こういった内容をすぐに説明できる知識を持っておくことがポイント。
複雑化する税制に敏感になり、日頃から情報収集をしておくことが、
ニーズを捉えるうえで必要なのです。

また、事業を承継するだけであれば、
「事業承継税制以外の方法もあります」と提案するのも、
税理士の役割だと思います。
お客様から事業承継税制の相談を受けた際には、
デメリットも含めて、丁寧に説明します。
組織再編によって株式の評価を下げるなど、
結果的に制度を利用しないで済むというケースも少なくありません。
こういった提案ができるのも、幅広い知識があってこそ。
お客様がベストな方法を選択できるように、専門知識を活かして、
提案の質を高めていくことが重要だと考えています。

毎年の税制改正大綱の最初だけでも読むと、
日本における租税制度がこの先どういう方向に
向かっていくのかがわかりますし、
なにより税制改正大綱は税制に関するネタの宝庫です。
当社では、毎年12月に税制改正大綱を読み込んで、
ネタをキャッチアップするのが恒例行事になっています。
お客様との対話のなかで、株価や相続の話は必ずついて回るもの。
疑問や相談に応えるためにも、税務知識をリニューアルし続け、
常にアンテナを張っておく必要があると思います。

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