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顧問先を慌てさせない『税務調査』対処法まとめ

顧問先を慌てさせない『税務調査』対処法まとめ

税理士には聞き慣れた言葉である「税務調査」も、事業主にはあまり理解されていないケースが多いようです。
そのため、顧問先との間で、「税務調査」に対する感覚に温度差が生まれ対策が滞り、最終的なしわ寄せが顧問税理士に業務ボリューム増加という形で帰ってきた、なんて話もよく聞きます。

このページでは、税理士として顧問先に伝えるべき“税務調査に入られた際の応対方法・事前準備として気を付ける点”を要点ごとにまとめて紹介します。
顧問先(関与先)には、税務調査や、その準備についてステップにわけて伝えましょう。
 

ステップに分けて正しく伝える「税務調査」

■税務調査の概要編■
1)『税務調査』とは
2)時期と頻度:いつ来るの?
3)調査対象になりえる会社は?法人、個人で違いがある?
4)事前通知はいつあるのか?
■税務調査対策編■
5)事前準備
6)税務調査の流れ
7)取引先へ迷惑がかかるケースも
8)立ち会ってしっかりサポート

 

税務調査の概要編

■『税務調査』とは

納税者が本来納めるべき税金を間違いなく納めているか、税務署が帳簿や領収書などでチェックする行為です。
もし正確に売上などを計上していなければ、追加で納税することになります。
税務調査に来るのは、財務省の外局で国税庁の一支店である税務署の職員で、1~2人で来るケースが一般的です。
 

■いつ来るのか?

税務署の人事異動は毎年7月10日に行われ、そこから税務調査がスタートするため、9月から年末にかけて増える傾向にあります。
また年明けは確定申告の関係で減少しますが、法人の場合はその時期でも関係なく調査が入り、確定申告終了後の4、5月ごろの場合もあります。
また、税務監査の周期は最短3年程度で、長い場合は数十年来ないということもあります。
しかし、ここで顧問先に伝えておくべきなのは、“最短で3年”、“6年で2回来る可能性がある”ということでしょう。


■調査対象になりえる会社は?

税務調査の対象となりえるのは、基本的に問題がありそうな会社です。前回の調査、もしくは設立してから3年以上経過していたり、前期より売上が増加しているはずなのに申告所得が減少していたり、前回調査時に脱税行為を行っていたりした会社は対象となる可能性があります。赤字会社でも実施されるので、注意が必要です。
法人の場合は設立して5年間は来ない、といわれたりもしますが、だからといって対策をしないというのは、むしろ逆なのだということをはっきりと顧問先に伝えしましょう。
5年間は、「泳がせる期間」なんていわれたりもします。そのことの意味を理解してもらうことも重要です。


■事前通知はいつあるのか?

調査が入る場合、強制調査でない限り事前通知されるわけですが、その時期について法令での規定はありません。
事前通知される場合、税務署から事業主に電話が入り、そこで日時や場所、対象となる税目・課税期間、調査の目的などが伝えられますが、指定された日程を避ける事が可能なことを顧問先伝えておきましょう。
日程を変える場合は調査への準備期間を含めて再調整すると良いでしょう。

 

税務調査対策編

■事前準備

実際に税務調査が決定した時に慌てない様、あらかじめ事前準備に必要なものが何なのかを顧問先と共有して起きましょう。申告書、通帳、請求書、領収書など複数の書類が必要となります。
チェックリスト等を作成して抜けがないよう気をつけましょう。
税理士に依頼せず自分で申告をされている事業主の場合、間違いが往々にして発生しています。
新規の顧問先ならば契約時に今までの申告状況や原始証憑の有無などを確認しておき、場合によっては税務調査時に追徴課税が発生する可能性があることをお伝えしましょう。
その際に、もし申告内容などの間違いを見つけたら、しっかりと修正してください。
また、無申告であった場合は、調査前に申告書を提出しておくことで罰金を減らせることを伝えておくことで、顧問先に安心感を与えます。
大切なことなので必ず実行しましょう。
 

■税務調査の流れ

■1日目■
午前:雑談&ヒアリング
午後:売上計上チェック
■2日目■
午前・午後:人件費や一般管理費をチェックのための帳簿調査が中心
※2日間で調査しきれなかったものに関しては、引き続き確認作業などが実施されます。

税務調査は、だいたい朝10時ごろにスタートします。
しかし、調査官はいきなり書類を見始めるわけではなく、雑談を交えつつ会社の状況などを聞いて相手の緊張を和らげようとします。
顧問先にはこの雑談の場で、あまり余計な情報を話さないように、と念を押しておきましょう。
顧問税理士が同席する際は、基本的に税理士が受け答えするようにし、そのことを事前にすり合わせておきましょう。
上にあげましたが、税務調査は2日間で行われ、1日目の午後からは売上計上チェックなどが始まります。2日目は人件費や一般管理費をチェックするための帳簿調査が中心に行われます。
2日間で調査しきれなかったものに関しては、引き続き確認作業などが実施されます。
このように具体的な内容を伝えるとで、顧問先は“税務調査があっても大丈夫”という強い安心感が生まれます。
 

■取引先へ迷惑がかかるケースも

もし計上漏れなどが見受けられる場合、取引先や銀行への『反面調査』が行われるケースもあります。
こうした調査は先方への負担になるため、顧問税理士が直接関与しなかった部分に関しても、問題がありそうな箇所は事前に修正申告の対応をするなど、顧問先と綿密に話し合っておくことが好ましいでしょう。
 

■顧問税理士として税務調査への立ち会いを提案しましょう

税務調査が入った場合には、顧問税理士が立ち会った方が調査官に誤解を与えなくて済みます。
顧問先が調査や税法に対して疑問を抱いた場合に、調査官と議論になることが考えられるためです。
顧問として税理士が立ち会っていれば過度な税務調査に対しては傘の役目となり、逆にこちらから専門的な質問をしたり、経験を活かした議論展開するなど、顧問先には多くのメリットがあります。
また、顧問税理士としての頼りがいをアピールする絶好の機会です。調査後に顧問から個人的な相続税の案件を受任した例などもあります。
重要な点として費用の話があります。
事務所の方針にもよりますが、税務調査対応の負荷やリスクを明確に伝え、適切な費用を頂くのが正しいスタイルだと認識しましょう。
“税務調査”に対してネガティブな印象を抱く事業主は多いのですが、事前準備をしっかりとすることで不安を取り除いてあげることができます。
まずは日々の業務の中で、管理に漏れが起きないよう、コミュニケーションを欠かさず取り組みましょう。

 
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