デジタル課税は先送りに!実現までの道のりは難航【HOTトピックス2022年8月(1)】
- 2022.08.05
- プロパートナーONLINE 編集部
7月にインドネシアで行われたG20の財務相・中央銀行総裁会議にて、
巨大IT企業などに課すデジタル課税についての発表がありました。
当初の計画から1年遅れることが公表され、日本での法整備もその分遅延する見通しです。
デジタル課税、国内の法整備も遅れる見通し
デジタル課税とは、国境を越えた事業を行うグローバル企業に、売上高に応じて各国に税収を配分するものです。
現在の国際課税のルールでは、国内に拠点を持たない外国企業には、
課税ができないことになっています。
しかし、デジタル課税では、国内に拠点が存在しない企業でも
商品が流通しているのであれば、課税権が認められます。
例えば有名な企業だと、アマゾンやグーグルなど、他国での事業に成功している企業が該当します。
7月、インドネシア・バリ島で行われた20カ国・地域(G20)
財務相・中央銀行総裁会議にて、デジタル課税について
「2023年前半までの多国間条約の署名」を求めるとし、
発効は2024年以降にずれ込む見通しとなりました。
デジタル課税のルールは、国際的巨大IT企業に、
売上高に応じて各国に税収を配分する「第一の柱」と、
法人税の最低税率を15%とする「第二の柱」で構成。
この二つの柱は同時に議論をされてきたのですが、導入が先延ばしになったのは、
各国の税法改正が必要であるためです。
鈴木俊一財務相は、19日の閣議後記者会見で
「日本としてはできるだけ速やかに対応する。2023年末の税制調査会で、
一つの形が整うことを期待したい」と表明しました。
日本の税務制度がデジタル課税の影響を受けるのは、まだ少し先になりそうです。
現状、日本企業で影響を受けるのは大企業に絞られますが、
デジタル技術もグローバル化も進んでいるなかで、
将来的に中小企業にも影響が及ぶ可能性もあります。
海外との接点がある顧問先へのサポートに適応できるように、今後の動きに注視しておくと良いでしょう。