納税者が死亡しても確定申告は必要。相続人が行う準確定申告とは
- 2022.12.12
- プロパートナーONLINE 編集部
会社から年末調整を受けていない人などは、
毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、
翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。
しかし、年の途中で亡くなった人は、どうなるのでしょうか。
今回は、『準確定申告』について説明します。
準確定申告の期限は? 相続人が複数いる場合も
所得があり、課税の対象となる人が年の途中で亡くなっても、その年の分の確定申告は必要です。すでに亡くなった納税者が自分で確定申告をすることはできないため、
その場合は、代わりに納税者の相続人(包括受遺者を含む。以下、「相続人等」と表記)が
1月1日から死亡した日までの所得を計算し、確定申告を行うことになります。
これを『準確定申告』と呼びます。
準確定申告については、一般的な確定申告とは違ったルールが設けられています。
たとえば父親が2021年の10月1日に亡くなった場合、
相続人である息子は、父親の所得について2021年分の準確定申告を行う必要があります。
また、父親が2022年の1月に亡くなった場合、
息子は2021年分と合わせて2022年分の準確定申告を行うことになります。
ここで重要になるのが、確定申告の期限です。
準確定申告の期限は、前年分、本年分とも相続の開始を知った日の翌日から4カ月以内となります。
また、父親が亡くなり、2人の息子が相続人となるなど、相続人等が複数になることもあります。
この場合、原則として相続人等の連署によって準確定申告書を提出します。
もし、一部の相続人等が準確定申告を行う場合は、
準確定申告書にほかの相続人等の名前を記載し、
申告した内容はほかの相続人等にも通知しなければなりません。
準確定申告でも所得控除を受けることができる
一般的な確定申告で、医療費控除や社会保険料控除などを受けることができるのと同様に、準確定申告でも、所得控除を受けることができます。
準確定申告による所得控除の適用は、その年の1月1日から亡くなった日までの計算となり、
生命保険料や地震保険料などの物的控除は、死亡日までに支払われたものが対象となります。
また、被相続人が生前に支払った医療費は、医療費控除の対象となります。
ただし、被相続人が入院先で亡くなり、
被相続人が亡くなった後に相続人が支払った医療費などについては、
準確定申告における医療費控除の対象にはなりませんので注意が必要です。
しかし、被相続人と相続人が死亡時に生計を共にしていた場合は、
相続人の確定申告では控除の対象になりますので、覚えておきましょう。
準確定申告は、申告期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。
期限内に申告を済ませられるよう、相続が開始したら早めに準備を始めましょう
(相続とお金の情報マガジン2022年2月号より)
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