【特集】各界のトップランナーに直撃! 2023年の注目キーワード(後編)
- 2023.01.06
- プロパートナーONLINE 編集部
![【特集】各界のトップランナーに直撃! 2023年の注目キーワード(後編)](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230104_top30_2_thumnail.jpg)
2023年、士業業界で注目するべきサービスや伸びるサービスとは?
税理士、社会保険労務士、司法書士、弁護士、行政書士といった
士業のトップランナーはもちろん、
ITベンダーやコンサルタントなど、士業と関わりの深い専門家30名超を直撃!
2022年を振り返りつつ、それぞれが注目する「2023年のキーワード」を聞きました。
※12月と1月に分けて全2回でお送りします
2023年の注目キーワード前編はこちら
![](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/221223_top2023_member.jpg)
メタバース、法改正、人材マネジメント……etc.
2023年に士業が注目すべきキーワードとは?
行政書士2023 KEYWORD
『法人化10年を迎え、リスタート』
![行政書士法人GOAL 石下貴大氏](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230106_top2023_ishige.jpg)
行政書士法人GOAL
代表 石下貴大氏
事務所内の体制を強化しながら、GX領域に挑戦する
2022年は、事業再構築補助金だけでなく3R財団など
弊社の強い領域と組み合わせた補助金業務をスタートしました。
また、担当役員ごとにプロジェクトチームをつくり、
kintoneの最適化や人事評価の見直し、
ミッション・ビジョン・バリューやパーパスの再定義をしました。
中長期計画を改めて策定するにあたり、
「なりたい姿」「目指す事務所像」「大事にするべき軸」を言語化。
そこから逆算して、どういう育成をして、どう評価するのか?
売上や利益目標を達成していくために業務チームの理想の姿と課題出しなどを行いました。
2023年は、私たちの主力である産廃業務に関連して、
プラスチック関連業務やGX系(※)の補助金などに取り組んでいく予定です。
新法が制定されたばかりで、政府がキーワードとして使い始めている段階ですが、
弊社の業務領域と近いため、Webマーケティングにしっかり取り組みたいと思います。
そして、2023年は法人化10周年。リスタートの気持ちで成長を目指します。
外部の専門家の研修やコンサルを受けながら、kintoneのより一層のカスタマイズ、
人事評価制度の再設計に力を入れていきます。
業界全体では、2025年に行政手続きの98%が電子化すると言われています。
2023年は、“あと3年”ですから、DX、
テック事業のさらなる展開が本格化してくると考えています。
※GX:グリーントランスフォーメーション。
温室効果ガスの排出を削減し、環境改善とともに経済社会システムを改革すること
社会保険労務士
2023 KEYWORD
『人材開発・採用戦略』
![社会保険労務士法人アドバンス 代表社員/所長 伴 芳夫氏](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230106_top2023_ban.jpg)
社会保険労務士法人アドバンス
代表社員/所長 伴 芳夫氏
優秀な人材を獲得できるかどうかで、業績に大きな差が出る
コロナ禍以降、ビジネスや労働環境が大きく変わり、
士業に求められる役割も大きく変化しています。
旧来的な仕事や価値観だけでは生き残れなくなってきたため、
事務所内でも人材の多様性がより求められるようになっています。
そのため2022年は、多様性を認めて活かす
『D&I(ダイバーシティアンドインクルージョン)』がキーワードだったと思います。
この流れを受け、弊社では権限移譲を進め、
現場で判断できるマネジメント層の育成に取り組みました。
2023年は、企業の「人的資本経営」への関心が高まり、
労務監査の依頼が増えるのではないかと予測しています。
そこで、グループ経営を行う大手企業を対象に、セミナーなどでの案件獲得を目指します。
また、士業事務所においても、
一般企業と優秀な人材獲得の競争をしなければいけなくなります。
優秀な人材を獲得できる事務所とできない事務所で、
これまで以上に業績の差が出てくるはずですから、
多様な人材を受け入れられる環境づくりが求められるのではないでしょうか。
社会保険労務士
2023 KEYWORD
『キャリアや学びを支援』
![はやし総合支援事務所 代表/社会保険労務士 林 雄次氏](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230106_top2023_hayashi.jpg)
はやし総合支援事務所
代表/社会保険労務士 林 雄次氏
講演活動を活発に行い、学びの分野に力を入れる
SNS上のつながりから仕事につながるケースが増えてきたため、
2022年はSNSでの認知拡大に力を入れてきました。
また、自社のノウハウの提供を新たなビジネスの1つとするため、
他事務所のブランディング支援や業務改善支援にも取り組んできました。
個人的には、取得資格が300に近づき、
雑誌などのメディア露出で資格や学びについての発信が続いています。
自身のキャリア全般や学びに対するスタンスなど、
より広い視点での社内向け講演依頼などが増えてきたため、
2023年は、キャリアや学び全般に関する講演活動に力を入れて行く予定です。
既存顧問先に対して講演や業務改善などを提案するほか、
引き続きSNSを通じた認知拡大やメディア取材の獲得を目指します。
また、「〇〇社労士」といった名乗りをする方が増えているものの、
ブランティングがうまくできているケースは少ないように思われます。
少し前からそういったブランディングに取り組み、ある程度成果を出している者として、
しっかりと結果を出す方法についてお伝えする活動も行っていきたいと思います。
社会保険労務士
2023 KEYWORD
『役割分担』
![社会保険労務士法人協心 代表 吉村徳男氏](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230106_top2023_yoshimura.jpg)
社会保険労務士法人協心
代表 吉村徳男氏
現場が力を発揮できるよう、役割分担をしてチーム力を強化
管理部門で全般的に人材が不足している企業が多いことから、
2022年は管理部門の改善を新たなサービスとして始めました。
また、事務所内の取り組みとしては、固定電話を廃止。
これは、職員同士が自由に化学反応を起こせるように、
テレワーク含め「席に縛られない働き方」を推進するためです。
オフィスを改装して、ちょっとした話し合いをできるスペースなども設けたので、
資料を作成しながら話せたりしたほうが何かと便利です。
2023年も、引き続き管理部の改善・人材教育サービスを強化していきます。
管理部の教育は、最近お客様からよく相談されていますので、
100名以上規模の企業の開拓やLPなどでの集客を進めたいと考えています。
事務所の体制づくりに関しては、『役割分担』をキーワードに、
柱となるメンバーを選任し、チームを強化させることが目標です。
経営陣よりも現場のほうがお客様の“解”に近いので、
より現場がやりやすいように、権限移譲を進め、
年間計画の作成までチームに委ねようと考えています。
税理士
2023 KEYWORD
『メタバース/DAO』
![REBFLEET税理士事務所 代表税理士 笹 圭吾氏](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230106_top2023_sasa.jpg)
REBFLEET税理士事務所
代表税理士 笹 圭吾氏
Web3.0時代の本格化に向け、人材や情報をシェアできる仕組みをつくる
近年注目される暗号資産ですが、暗号資産の損益計算はリスクも難易度も高く、
計算できる税理士が少ないという現状があります。
そういった背景から、2022年は、
メタバースを活用した新しいコミュニティづくりに挑戦しました。
メタバースを使い、暗号資産の損益計算チームをコミュニティ化。
計算方法などをシェアできる仕組みをつくりました。
さらに、暗号資産だけではなく、
Web3.0(※)エリアは法整備が整っていないことが
事業投資したい企業の参入障壁となっています。
そこで、士業全体を対象にしたコミュニティもつくり、
情報やノウハウを共有できる仕組みを構築しています。
Web3.0は新しい概念ですし、どう変化していくかわかりません。
しかし、Web3.0が本格化する時代に対応するためには、
まずは私自身が実践することが重要。
そこで、独立した税理士事務所同士が助け合えるコミュニティをつくり、
Web3.0時代の組織である『DAO』(分散型自律組織)を試行しています。
実際、税理士事務所の多くが個人経営者であり、
「相談できる場所があることや、人材のシェアができる環境があることは嬉しい」
という声をもらっています。
2023年は、引き続き『メタバース』と『DAO』をキーワードに、
クライアントに対してメタバース活用を推進できる士業を
増やすためのバックアップサービスを充実させます。
私自身が新しい税理士事務所のスタイルを実践しながら、
DAOと従来の株式会社などの仕組みを融合させた進化型の組織を模索していきたいと思います。
※Web3.0:次世代の分散型インターネット。
ブロックチェーン技術などを活用し、特定の管理者に依存することなく、ユーザーがデータを分散管理する。
税理士
2023 KEYWORD
『経営心理士の普及』
![一般社団法人日本経営心理士協会 代表理事 藤田耕司氏](https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/s3-doupa-lp/e7b24b112a44fdd9ee93bdf998c6ca0e/ckfinder/img/admin/PP/230106_top2023_fujita.jpg)
一般社団法人日本経営心理士協会
代表理事 藤田耕司氏
時代に合わせた高付加価値業務へシフトする士業を支援
デジタル技術の変革によって、人びとの暮らしやビジネスの在り様は大きく変化し、
DXの潮流は今後さらに加速していくはずです。
この流れが進むほど、手続き業務は自動化されていき、
相場はさらに下がっていくと予想されます。
手続き業務に代わる新たなビジネスとして、コンサルティング業務に比重をおくなど、
“付加価値”を見出すことが必須な時代がきたと感じています。
つまり、DXが進めば進むほど、
コンサルティング(付加価値)はさらに求められると考えています。
実際に、私が主宰する日本経営心理士協会の経営心理士講座では
コンサルティングスキルやコンサルティング契約の取り方についてお伝えしていますが、
受講者数は士業を中心に増加の一途をたどっています。
受講生の方の中には、今後の展開を考えて、手続き業務はやめ、
コンサルティングに特化していく方も少なくありません。
こういった動きからもDXとコンサルティングは並行して進んでいくと思われます。
2022年は多くのビジネスメディアの取材や講演依頼があったこともあり、
士業、経営者、個人事業主、管理職、営業マンなど、
幅広いビジネスパーソンに経営心理士講座を受講いただきました。
この流れに乗って、2023年は経営者や士業を中心に
より多くの受講生に受講いただけるようにしていきたいと考えています。
DXによって、変化の激しい環境に対応することが求められます。
この流れにのまれるか、うまく乗りこなすかが明暗を分けます。
士業業界においてもDXと共存共栄していくビジネスモデルの確立が求められています。
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