2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

介護業界には社労士が必要! ケアマネ社労士・山本武尊氏が解説する、社労士が貢献できること【セミナーレポート】

介護業界には社労士が必要! ケアマネ社労士・山本武尊氏が解説する、社労士が貢献できること【セミナーレポート】

人材不足や労働環境改善に大きな課題を抱える介護業界に対して、
社会保険労務士ができることとは何か?
長年、ケアマネージャーとして介護の現場に立っていた
おかげさま社労士事務所代表の山本武尊氏が、
介護業界の現状と社労士が果たすべき役割について解説します。


セミナー動画も公開中!
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※プロパートナーONLINE会員限定


 

2035年には介護人材の不足人数が79万人に!?
多くの介護事業所が人事・労務の課題を抱えている

超高齢社会に突入したわが国は、2015年に10兆円だった介護保険の給付総額が、
2025年には20兆円に倍増すると予測されています。
これから介護業界は日本の基幹産業になるといっても過言ではないのですが、
個々の介護事業所の経営は、驚くほど厳しいのが実情です。 
特に小規模事業者は、
・収支差率が低い (利益が少ない)
・人件費割合が高い
・職員の給与水準が低い (必要人員の確保が難しい)

という特有の事情を抱えています。
それに加えて、介護保険制度の財政悪化から、今後、
介護報酬の引き上げが見込めないことも経営を厳しくする要因となっています。
このような構造的な問題もあって、多くの介護事業所が、
人事・労務に関する課題を抱えています。

介護業界というと、離職者が多いというイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、
実際は他業種と比べて、そこまで離職率が高いわけではありません。


厚生労働省の『令和2年雇用動向調査結果の概況』によると、
介護業界(医療・福祉)の転出率は14.2%となっています。
参考までに、宿泊業・飲食サービス業では26.9%、
生活関連サービス業・娯楽業では18.4%という数字になっています。
しかし、介護人材は常に不足しており、
2035年には介護人材の不足人数が79万人に上ると予想されています。


 

社労士事務所が介護事務所を支援するためには
労働法令遵守、就業規則の周知から入るのが有効

■まずは労働法令遵守、就業規則の周知から始める

現在、介護事務所の多くが、経営難、人材不足といった課題を抱えており、
年々その深刻度は増しています。
そんななかで、社労士にできることはたくさんありますし、
以下のようなメリットもあります。

〔社労士事務所が介護業界に進出するメリット〕
  • 労務管理に課題が多い業界で需要が見込める
  • まだ社労士の介入が少ない(ブルーオーシャンな領域)
  • 介護は重要なインフラであり、どの地域にも必ずある
では、社労士事務所がやるべきことは、どんなことがあるでしょうか。

はじめて介護業界に関わる場合は、
まずは、基本的な1号2号業務からでよいと思います。
なぜなら、いわゆるブラックといわれる労働環境の介護事業所が少なくないからです。
介護事業所に多い課題には、以下のようなものがあります。
 
〔介護事業所の実態〕
・労使トラブルが多い
 東京都の令和2年度における産業別・企業規模別・労使別労働相談件数で、
 医療・福祉は6,346件
・懲戒処分、問題行為が多い 
 金銭の窃盗、横領、車・自転車の事故、暴言・暴行、無断欠勤、指示命令違反、
 休職・メンタル、腰痛・労災、過重労働 など

こういった課題を抱える介護事業所には、
基礎的な労働法令遵守、就業規則の周知でも効果があります。

しかし、ブラックといわれる介護事業所の多くは、
悪意があってやっているわけではないのです。
「ホワイトな職場になりたいけれど、なり方がわからない」
「誰に聞いたらよいのかわからない」
というところがほとんどではないでしょうか。
そこで、私たち社労士が、
「職員を辞めさせない仕組みづくりの提案」
をしていく必要があるのです。
たとえば、労働環境書類の整備・提案もその一つです。
 
〔労働環境書類の整備・提案におけるチェック項目(例)〕
□ パート職員に通勤交通費が支払われていない
□ 契約社員に年次有給休暇が付与されていない 
□ 36協定の限度時間を超える時間外労働が常態化している 
□ 休憩が取れていない 
□ 時間外手当が支払われていない 
□ 許可を受けていないのに当直(宿日直)をしている 
□ 1カ月単位の変形労働時間制にもかかわらず日々シフトを変更している
 

■介護職員処遇改善加算の理解もポイントになる

社労士が介護事務所の問題解決をするためには、
介護職員処遇改善加算を理解することが必要です。
介護職員処遇改善加算とは、
介護職員の安定的な処遇改善を図るために創設されたもので、
全国の介護事業所のうち、約9割が介護職員処遇改善加算を取得しています。
しかし、そのすべてが正しく書類を整備できているわけではありません。
また、介護職員処遇改善加算を申請するためには、
「キャリアパス要件」「職場環境等要件」がありますが、
これはまさに社労士のためにあるといえるのではないでしょうか。
キャリアパス要件には、等級制度、教育・評価制度、
報酬制度という3つの区分がありますが、
これは、人事制度の仕組みそのものです。
こういった観点から、職員が辞めない仕組みづくりを提案することができます。




 

社労士の枠を超えたサービスで
介護業界の課題を解決していく

社労士事務所が介護事業所に初めて関わる場合は
1号2号だけでもよいと前述しましたが、
介護事業所のニーズを満たし、介護業界の課題を改善していくためには、
それだけでは不十分です。
たとえ介護事業所側が「1号2号業務だけで十分」という姿勢であっても、
こちらから積極的に提案をすることが重要です。
たとえば、就業規則の改訂と合わせて、
「職員に働き方のルールを周知するためのルールブックをつくりませんか?」
という提案ができます。
また、処遇改善加算であれば、
「正しく提出できていますか?」
「定着率は向上しましたか?」
と継続的に関わっていくことが必要です。

これからの日本の介護業界は、人材定着だけでなく、
外国人雇用なども本格化していくと考えられます。
さらに、事業所の大規模化による生産性向上(ICT活用)、
小規模事業所の収益改善など、
さまざまな場面で社労士が必要とされていくでしょう。
人材と労務に課題を抱える介護業界は、
社労士にとっては大きなビジネスチャンスを秘めています。
「介護業界は儲からない」という人もいるかもしれませんが、
儲からないのは単価が安いからではありません。
もっとやることがあるはずです。
「介護事業所のよりよい労働環境をつくるパートナー」として、
社労士に求められることはたくさんあります。
トータルでサポートできるパートナーとして、
こんなにやりがいのある業界はないと思っています。

最後に、私の夢をご紹介します。
私がこれからやりたいと思っていることは、
・キラキラ輝く介護事業所を増やすこと
・職員が誇りを持って働く職場をつくること
・介護業界に興味を持つ社労士を増やすこと

の3つです。
介護業界では、人材が定着してこそ利用者に良いサービスが提供できます。
そのために私たち社労士がいると考えています。
私たちが未来の利用者になっても安心できる社会になるように、
介護業界に興味を持つ社労士の先生が増えてほしいと願っています。




 

山本氏が監修!
介護事業所にアプローチできる『働き方ルールブック』が
アックス社会保険労務士パートナーズのサポートツールに登場!

アックス社会保険労務士パートナーズでは、
社労士事務所の営業活動に“すぐに使える”チラシや提案書の雛形、
セミナー開催キット、職員研修ツールなどを提供しています。
そのサポートツールに、山本氏が監修した介護事業所向け
『働き方のルールブック』が追加されました!


働き方のルールブックとは、従業員に知っておいてほしい基本ルールを、
就業規則よりも簡単な言葉で、わかりやすくまとめた小冊子です。
ルールだけではなく、経営理念や仕事をするうえでの姿勢・考え方なども書かれており、
経営者の思いを従業員に浸透させるのにも有効です。

〔記載事項〕
●当施設の考え方について
・当施設の経営理念
・ルールブックとは
●仕事の基本
・ホウレンソウとは
・入居者さまへの対応の仕方やマインド
●基本ルールについて
・就業中のルールについて
  (出勤・遅刻・早退・有給休暇、身だしなみ、申し送りについて など)
・業務外のルールについて(各種申請、守秘義務 など)
●こんな時どうする?
・怪我、トラブル、ハラスメント
・セルフケア

ルールブックを作成する際、就業規則の見直しや従業員向けの研修の有無、
賃金制度・人事制度の課題など、事業所が抱える課題が見えてくるため、
社労士にとっては幅広い提案につなげることができます。
アックス社会保険労務士パートナーズでは、
介護事業所向けルールブックをはじめ、
さまざまなツールで社労事務所の売上拡大をサポートしています。
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という先生は、ぜひお問い合わせください。

▼アックス社会保険労務士パートナーズの詳細・お問い合わせはこちら
https://bit.ly/3fQ2jWR


 
プロフィール
山本武尊氏
おかげさま社労士事務所 代表
大学(福祉学)卒業後、大手教育会社を経て、介護業界へ転身。
介護業界に関わる人の優しさに触れると共に、
低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため社会保険労務士の資格を取得し、2021年に開業。
地域包括支援センターでセンター長として長年勤務した経験を活かして、
介護現場の最前線で活躍する事業所と人をサポートしている。
また、介護関連の執筆・監修者としての活動や
介護事業書向けの採用・定着・育成・組織マネジメントなど、
介護経営コンサルタントとしても幅広く活動中。
保有資格は、社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・
ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級。
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