2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

5月以降の経済活動回復に備えた準備が勝負を決める!経済エコノミストが2023年の動向を解説

5月以降の経済活動回復に備えた準備が勝負を決める!経済エコノミストが2023年の動向を解説

長引くコロナ禍、ウクライナ情勢による燃料高騰や円安など、経済不安に覆われている昨今。
2023年の経済予測も年初は暗いものになると思われていましたが、
実際はどのような動きとなるのでしょうか。
中小企業に影響をもたらす経済動向について、
第一生命経済研究所・首席エコノミストの熊野英生氏が解説します。



 

新型コロナウイルス感染症の5類移行を
ビジネスチャンスに変える準備が重要

2023年に入り、「米経済のソフトランディング」「賃上げ機運の向上」
「公的年金受給額の引き上げ」など、
経済の見通しを上方修正させる変化が相次いでいます。
なかでも中小企業の経営に大きく影響すると考えられるのは、
「新型コロナウイルスの5類移行」です。
5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に引き下げられることで、
室内でも原則的にマスク不要になるなど、
社会活動全般を正常化していこうという動きが活発になります。
この流れを「どうビジネスチャンスに落とし込むか」
を考えられるかどうかが、勝負の分かれ目となります。
移行後に動き出すのでは遅れをとりますから、
3月、4月のうちから準備を始めることが必要です。
これまで落ち込んでいた業績をどう回復していくか、
計画しておかなければいけません。

コロナ禍で経済ダメージが最も大きかったのは2020年ですが、
当時の感染者数は年間約23万人。
2021年には149万人になり、2022年は2,723万人と、10倍、100倍と増えています。
しかし、経済のダメージは年々小さくなっている。
これは、感染者数が景気を悪化させているのではなく、
未知のウイルスに対する人びとのマインドが
経済に影響を与えていたということでしょう。
「今後、このウイルスがどう広がっていくのかわからない」というマインドが、
行動を自粛させていたということです。

現在も、飲食を伴う会合が再開されたり、
コンサートで声出しが解禁されたりと、平常化へ移りつつありますが、
5月以降はさらに加速するはずです。
もちろん、すぐにとはいかなくても、
おそらく3カ月から半年でコロナ禍以前の動きを取り戻していくでしょう。
なかでも、飲食、宿泊、サービス産業など
外出自粛で大きなダメージを受けた業界はチャンスです。
特に観光業界に関しては、全国旅行支援などの政策支援が入ることも予想されますから、
今のうちから計画を練っておくことが重要です。




 

総務や経理のアウトソースが加速
士業はデジタルできない企業・分野のサポートにチャンスあり

そのほか、注目すべき動きとしては、デジタル化が挙げられます。
すでによくご存知だと思いますが、昨今、
クラウドを使って総務や経理業務をアウトソースしようという動きがあり、
そういった事業者向けのデジタル化のサポートサービスが増えています。
これらの動きは、新型コロナの影響で落ち込むかと思われていましたが、
むしろ加速し、ますます競争が激しくなっていますから、
生き残るところとそうでないところで二極化していくでしょう。

そうなると、士業の方たちには、
デジタル化があまり進んでいない分野でのサポートが求められるのではないでしょうか。
AIの進化などで、「これから人が不要になる」とも言われています。
最近話題のChatGPT(対話型でテキストを生成することができる人工知能ツール)などを見ても、
これまでより人とAIの区別がつかなくなってきていて、
人工知能が人間のふりをするという世界が始まっています。
とはいえ、大企業も中小企業も、人が関与する業務の改善が必要ですし、
人材開発も必要です。デジタル化が進まない分野というのも出てきます。
そういったメインストリームではないところに
ビジネスチャンスを見出すことが非常に重要です。

また、市場が拡大しているアウトソースの分野は、
価格競争が激しくなることが予想されます。
そうなると、価格の安いところへ移行されてしまうという動きは避けられません。
価格競争に巻き込まれないためには、
たとえばパッケージ化して事務委託を全部請け負うような
サービス設計も一つの活路になると思います。


 

年内は値上げが続くと予測されるため
「非価格競争力」を高める戦略が重要となる

価格競争について少し触れましたが、
値上げというのも中小・零細企業にとって大きな課題です。
中小・零細企業は、値上げしたくとも、
取引先である大企業からの圧力で上げられないという現状があります。
原材料は上がっているのに、価格に転嫁できないために工賃を下げる。
すると当然、利益率は下がり、経営を圧迫します。
また、値上げを提案しても、その根拠を示すことが求められたりします。
しかし、価格の内訳を明確に出すのは困難ですし、手間もかかります。
こういった理不尽な現状に耐えている経営者をサポートすることも、
士業に求められていくのではないでしょうか。

現在、あらゆるものが値上がりしています。
行動経済学では「正常化バイアス」というのですが、
「今までもそうだったから、そのうち落ち着くだろう」
と皆が思ってしまっている空気もあります。
しかし実際は、少なくとも年内は値上げが続くのではないかと思います。
販売価格は安易に値上げできないとはいえ、原材料の値上げが続くなかでは、
あの手この手で価格転嫁する方法を考えなくてはいけません。

たとえば、すでに海外に販路を持っている企業は、
輸入コストが上がっている分を輸出価格に転嫁しているケースもあります。
国内で価格を上げられないぶん、円安を利用して海外向けの価格を上げているのです。
また、インバウンドは利益を回復する一つの起爆剤になり得ますので、
観光地であれば、外国人向けの入場料を値上げする、
海外の富裕層向けに付加価値をつけた
高価格帯のサービスを提供するといったことも有効でしょう。





もちろん、海外に販路を拡大するということも一つの方法です。
特に、2023年は中国ビジネスがほぼ間違いなく回復すると思います。
半導体不足なども改善されて中国の生産体制が正常化していけば、
日本からの部品調達なども増えていくでしょうし、
中国国内の消費も回復していくはずなので、
中国への輸出も徐々に回復していくと予測できます。

ビジネス感度の高い事業者と知り合うきっかけとして、
地域の企業が数十社集まる会合などに参加すると、
海外展開している企業に出会えます。
特に、ものづくり系の企業は、ほとんどが海外ビジネスを手掛けていますから、
そういった企業にノウハウを学ぶことも有効でしょう。

コストを抑えるために、デジタルとアナログをうまく組み合わせて効率化していくと同時に、
“非価格競争力”をどうやって強くするか?
そういったサポートも士業に求められる役割といえます。


 

人材不足や賃上げは中小・零細企業にとって喫緊の課題
人件費を「戦略的な投資」と捉えた対策を

中小・零細企業では、人材不足の対策も考えなくてはいけません。
知名度のない中小・零細企業では、募集をかけても若年層からの応募がなく、
60代70代の応募者がほとんどというケースもあります。

採用を強化するためには賃上げも一つの方法ではありますが、
すぐに賃上げできる企業は限られます。
もちろん、これまで長く貢献してきた従業員には賃金で報いることが必要ですし、
30代、40代の中堅層も賃上げしなければ会社への忠誠心が下がるでしょう。
定年退職した従業員に支払っていた賃金を若年層・中堅層に再配分したり、
採用できる人材で効率的に業務を回せる仕組みをつくったりといった対策が必要です。
こういった取り組みをするためには、経営者が、
人件費を「コスト」ではなく「戦略的な投資」と捉えることが重要です。

経済活動が回復していくことを見越したうえで、
経営の「ヒト・モノ・カネ」を見直しながら、企業が成長する活路をどこに見出すか?
2023年は士業がより深く企業に関わっていくことが求められます。

 
プロフィール
熊野英生氏
第一生命経済研究所経済調査部 首席エコノミスト
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会常務理事

1967年山口県生まれ。1990年横浜国立大学経済学部卒業。同年4月、日本銀行入行。
同行調査統計局、情報サービス局を経て、2000年8月第一生命経済研究所入社。
2011年4月より現職。
https://www.dlri.co.jp/members/kumano.html
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