令和5年度の相続税申告件数発表!今年の結果から見えること
- 2025.07.29
- 株式会社 アックスコンサルティング

■ 今年の数字から見えてくることって?
こんにちは!
不動産コンサルタントの永来(えいらい)です。
今年も国税庁から相続税の申告件数が発表されましたね。
令和5年分のデータを見て、
思わず「やっぱり来たか…」と感じたのは私だけじゃないはずです。
今回は、令和4年との比較や、現場で感じる変化について、
私なりにお話ししてみたいと思います。
■ まずは数字をチェック!
ここで、申告件数や課税割合などの変化を見てみましょう。
(令和4年と令和5年の比較です)
| 順位 | エリア | 令和4年度 申告件数 |
令和5年度 申告件数 |
順位 | エリア | 令和4年度 申告件数 |
令和5年度 申告件数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京 | 26,008 | 25,983 | 24 | 山口 | 1,369 | 1,521 |
| 2 | 神奈川 | 14,127 | 14,748 | 25 | 愛媛 | 1,470 | 1,456 |
| 3 | 愛知 | 12,292 | 12,474 | 26 | 香川 | 1,278 | 1,326 |
| 4 | 大阪 | 10,089 | 10,584 | 27 | 富山 | 1,347 | 1,278 |
| 5 | 埼玉 | 9,234 | 9,583 | 28 | 滋賀 | 1,301 | 1,278 |
| 6 | 千葉 | 7,417 | 7,712 | 29 | 熊本 | 1,224 | 1,252 |
| 7 | 兵庫 | 6,696 | 6,944 | 30 | 石川 | 1,211 | 1,144 |
| 8 | 静岡 | 5,026 | 5,284 | 31 | 和歌山 | 1,117 | 1,111 |
| 9 | 福岡 | 4,325 | 4,743 | 32 | 岩手 | 907 | 978 |
| 10 | 北海道 | 3,788 | 3,970 | 33 | 鹿児島 | 949 | 943 |
| 11 | 広島 | 3,351 | 3,505 | 34 | 長崎 | 780 | 933 |
| 12 | 京都 | 3,423 | 3,390 | 35 | 山梨 | 806 | 913 |
| 13 | 茨城 | 2,499 | 2,612 | 36 | 福井 | 892 | 903 |
| 14 | 岐阜 | 2,439 | 2,532 | 37 | 徳島 | 902 | 900 |
| 15 | 新潟 | 2,034 | 2,340 | 38 | 山形 | 822 | 832 |
| 16 | 長野 | 2,280 | 2,249 | 39 | 大分 | 772 | 832 |
| 17 | 群馬 | 2,272 | 2,228 | 40 | 青森 | 625 | 767 |
| 18 | 岡山 | 2,044 | 2,102 | 41 | 高知 | 739 | 726 |
| 19 | 宮城 | 1,902 | 2,034 | 42 | 宮崎 | 630 | 683 |
| 20 | 三重 | 1,913 | 1,984 | 43 | 佐賀 | 579 | 608 |
| 21 | 栃木 | 1,893 | 1,968 | 44 | 秋田 | 514 | 572 |
| 22 | 奈良 | 1,775 | 1,863 | 45 | 島根 | 424 | 532 |
| 23 | 福島 | 1,678 | 1,733 | 46 | 鳥取 | 531 | 506 |
| 47 | 沖縄 | 482 | 476 | ||||
■ 今回の結果から見えること
1.全国的に微増傾向
全体の申告件数は令和4年から微増。相続税がかかる人は着実に増えています。
特に都市圏だけでなく、地方もじわじわ広がってきている印象です。
2.地方の件数も堅調に増加
これまで「相続税とは無縁」と言われていたエリアでも増加傾向。
不動産の価値や資産構成が影響しているケースも多いです。
■ 都道府県別にみる申告件数の傾向
1.東京:首位は不変、わずかに減少
依然として最多ですが、前年比ではわずかに減少。
都心部の地価横ばいや評価見直しも影響しているかもしれません。
2.神奈川・大阪・福岡の増加が顕著
特に福岡の伸びは印象的。地価上昇や都市部再開発の影響もありそうです。
「地方大都市圏」の存在感が強まっています。
3.愛知・埼玉・千葉:東京圏・中京圏の経済力が反映
人口が多く、地価や保有資産の水準も高めの地域。
二次相続のタイミングが重なっている家庭も増えてきています。
4.北海道・静岡など地方政令市圏も健闘
これまで目立たなかった地域でも、申告件数が増加傾向。
地域に根差した資産保有(自宅+農地など)が背景にあることも。
■ 税理士さんと一緒に動けること、たくさんあります!
私の仕事は、不動産の整理や活用を中心にサポートすることですが、
税理士さんと連携してお手伝いできる場面、実はすごく多いんです。
たとえば――
不動産の評価を早めに把握しておく
売却や資産整理のタイミングを考える
「この土地、子どもに残すべき?」を一緒に考える
などなど、相続対策って「税金だけじゃない」んですよね。
■ 最後に:数字にビックリする前に、まず動いてみてほしい
「申告件数が増えてる」って聞くと焦るかもしれませんが、
大切なのは早めに状況を整理することです。
まだ相続なんて…と思っていても、
お元気なうちに考えておくだけで、できることがぜんぜん変わります!
私も、まだまだ経験を積んでいる途中ではありますが、
「誰に相談していいかわからない…」そんなときの最初の相談窓口として、
気軽にお声がけいただけたら嬉しいです。
ご希望の方には、相続対策に使える不動産チェックリストなどもご用意しています。
税理士さんとご一緒にのぞく「相続のヒント」、ぜひご活用くださいね!
プロフィール
永来 桃子
国立イースト・アングリア大学(イギリス)卒業後、株式会社アックスコンサルティングに新卒入社。年間約240回に及ぶ士業の先生(税理士・司法書士)との打合せを通じて、資産税分野における売上向上支援を多数実施。特に、不動産に関する課題解決にも対応し、資産税×不動産領域のクロスサポートを強みとしている。現場での実務に根ざした提案力と、士業の課題に寄り添う姿勢で、全国の事務所から高い信頼を得ている。