2026年、税務調査は「AIが選ぶ」時代へ。KSK2稼働で変わる税理士事務所の付加価値
- 2026.03.23
- 株式会社 アックスコンサルティング
1. 2026年は「税務調査」が一変します!
今年も確定申告お疲れさまでした!繁忙期も明け一息つきたい時期かと思いますが、税理士にとっては2026年は大変革の年となります。
ご存知の通り、国税庁が長年進めてきた「税務行政のDX」の目玉、『次世代国税システム(KSK2)』の本格稼働が9月から始まる予定だからです。
これまでの税務調査は、統括官や調査官の「経験と勘」が選定の大きなウェイトを占めていました。
しかし今、私たちの目の前にある現実は異なります。
申告データ、インボイスの流通履歴、さらにはSNSや外部のビッグデータがAIによって名寄せされ、不整合が「自動的に」あぶり出される時代になりました。
顧問先への情報提供や事務所内での税務調査への対応はお済みでしょうか?
2. 「KSK2」が変えた、選定の網羅性とスピード
KSK2の特徴は「処理能力」と「学習能力」にあります。【特徴1】異常値の即時検知
過去の膨大な裁決事例や更正事績を学習したAIが、提出された申告書を即座にスキャンします。
同業他社との原価率の乖離、役員借入金の不自然な増減、インボイス登録番号のない取引の継続など、人間が見落としがちな微細な違和感を逃しません。
【特徴2】SNS・外部情報の突合
個人のSNSでの贅沢な暮らしぶりと、事業所得の過少申告の矛盾をAIが自動でフラグ立てするケースも報告されています。
【特徴3】銀行口座の透明化
マイナンバー紐付けが進んだことで、預貯金情報の照会スピードも飛躍的に向上しました。
「バレなければ大丈夫」というアナログな期待は、AIの前では無力に等しいと言わざるを得ません。
3. 「防衛型記帳」へのパラダイムシフト
これからの税理士事務所に求められるのは、単に数字をまとめることではなく、「AIに疑われないエビデンスを構築する力」、すなわち防衛型記帳です。2026年の今、顧問先への指導内容は以下のようにシフトすべきです。
その1:「とりあえず領収書」からの脱却
電子帳簿保存法に則り、タイムスタンプや検索要件を完璧に整えることで、「改ざんの余地がない」ことをAIに示さなければなりません。
その2:非対面調査(リモート調査)への備え
税務当局も効率化を求めています。デジタルデータが整っていない事務所は、「怪しい」と判定され、実地調査(臨場)を優先されるリスクが高まります。
4. 税理士が直面する「二極化」の現実
このKSK2の本格稼働は、税理士業界の二極化を加速させます。AIに指摘されてから動く「受動的な事務所」は、顧問先から「なぜ事前に防げなかったのか」と不満を持たれるでしょう。
一方で、AIの選定基準を先読みし、先回りして対策を打つ「能動的な事務所」は、経営者の最強のパートナーとして、より高い顧問報酬を獲得しています。
5. まとめ:AI調査時代を「攻め」のビジネスに変える
「税務調査が厳しくなる」というニュースは、経営者にとっては不安ですが、税理士にとっては専門性をマネタイズし、かつ経営者からの信頼を獲得する好機でもあります。この2026年の転換期を、貴事務所のビジネスチャンスに変えるために、以下の3つの具体的なアクションを検討してみてください。
今すぐ着手すべき3つの「ビジネス展開」
1.「税務調査特化型」のWeb戦略
KSK2の稼働により、調査対象となる企業・個人は確実に増えます。不安を抱える新規層に向け、「AI調査時代の税務調査対策」を打ち出した特設サイトやランディングページ(LP)を制作しましょう。「調査が来てから探す」層を確実にキャッチできます。
2.メルマガ等による「定期的な注意喚起」
既存の顧問先に対し、KSK2の最新事例や当局の動向を定期的に発信してください。「この先生は常に最新の情報を守ってくれる」という安心感が、解約防止と紹介の呼び水になります。
≫士業事務所専門メールマガジン配信システム『MiGメール』
3.「書面添付(税理士法第33条の2)」の徹底提案
AIが選定する時代だからこそ、人間(税理士)による「保証」が価値を持ちます。
書面添付を標準化することで、意見聴取段階で調査を終わらせる確率を高め、付加価値報酬としての「書面添付加算」を確立しましょう。
プロフィール
高見史弥
経営支援事業部 シニアマネージャー
大学卒業後、2014年アックスコンサルティングに入社。
大阪支社配属となり、関西エリアを中心に年間平均200件以上の士業事務所を訪問し、
営業・マーケティングや組織作りの支援に携わる。
2019年より、これまでの支援実績をもとに、HRコンサルティング事業部の責任者として、
人材開発、人材育成などのコンサルティングを士業事務所、一般企業に提供。
現在では、東日本統括としてHR営業部と士業営業部のチーフマネージャーを兼任し、
一般企業と士業事務所の経営、営業、マーケティング、組織づくり、人材開発などの支援に携わる。
大学卒業後、2014年アックスコンサルティングに入社。
大阪支社配属となり、関西エリアを中心に年間平均200件以上の士業事務所を訪問し、
営業・マーケティングや組織作りの支援に携わる。
2019年より、これまでの支援実績をもとに、HRコンサルティング事業部の責任者として、
人材開発、人材育成などのコンサルティングを士業事務所、一般企業に提供。
現在では、東日本統括としてHR営業部と士業営業部のチーフマネージャーを兼任し、
一般企業と士業事務所の経営、営業、マーケティング、組織づくり、人材開発などの支援に携わる。
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