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「速くなっただけ」で終わらせない。効率化を"単価アップ・高付加価値化"につなげるDXの進め方

こんにちは。アックスコンサルティングの松末です。

確定申告、そして3月決算と大変お疲れ様でした。
繁忙期も明け、ようやく一息つけるこの時期。
事務所にとっては、年に一度の「立ち止まって考えられる季節」がやってきました。

毎年「気合いと残業」で繁忙期を乗り切る事務所と、年々ラクになりながら単価まで上げていく事務所。
その差が生まれるのは、まさにこの6〜7月の動き出しです。

今日は、来年の繁忙期を変えるための「DXの進め方の順序」についてお話しします。

 

なぜ"今"動き出すのか

業務改善に着手するなら、繁忙期が明けた直後が最適です。
理由はシンプルで、今年感じた「しんどさ」や「ムダ」が、記憶に鮮明に残っている唯一の時期だからです。

「あの作業は本当に必要だったのか」
「なぜ毎年ここで残業するのか」
——その違和感は、落ち着いた頃にはきれいに忘れてしまいます。

だからこそ、7月から11月中旬までを「事務所の変革期」と位置づけ、来年の自分たちのために動き出すことをおすすめしています。

 

よくある失敗:ムダを放置したままAIを乗せる

ここ最近、「うちもAIを導入しなければ」という声を本当に多く聞くようになりました。

ただ、一つ注意したいことがあります。
それは整っていない業務フローや、明文化されていないルールの上にAIを乗せても、
起きるのは「ムダな作業が速くなるだけ」だということです。

DXの基本は、まず①業務フローの最適化、次に②AIの導入、という順序です。
これを飛ばすと、非効率なやり方そのものが固定化され、かえって後戻りしにくくなります。

「とりあえずAIを入れてみたが、思ったほど変わらなかった」
その多くは、見直すべき業務をそのままにして、ツールだけ乗せ替えてしまったケースです。

 

効率化は「ゴール」ではなく「入口」

そもそも、なぜ効率化するのでしょうか。

作業を速くすること自体が目的なら、生まれた時間はまた別の作業で埋まり、忙しさからは抜け出せません。
本当の狙いは、効率化で生まれた時間を、経営の相談といった高付加価値業務にあてること。
その結果として顧問料・単価が上がり、事務所の利益アップにつながっていきます。

効率化と単価アップは、別々の話ではありません。一本の線でつながっています。

「速くなった」で止まる事務所と、
「速くなった分を価値に変えた」事務所。

この違いが、数年後の収益力を大きく分けます。

 

どう進めるか:廃止から考え、小さく試して反復する

では、具体的にどう進めればよいか。判断の軸として「ECRS+AI」をおすすめしています。

最初に考えるのは、効率化ではなく「廃止」です。
そもそもこの業務は必要なのか、と問い直す。ここで多いのが、明確な理由のないまま「昔から続けている」業務です。

たとえば——
・先代の頃から続く、誰も見返していない月次の手書き帳票
・「念のため」で全顧問先に郵送している、デジタルで十分な書類
・慣例だけが残り、内容の薄くなった毎月の定例訪問
・とりあえず紙で保管し、二重入力になっている領収書の処理

こうした「当たり前」を一度疑うことから始めます。
廃止できないものは、統合・順序の変更・簡素化で整え、属人化を解消する。そのうえで初めて、AIに任せるのです。

ただし、「完璧に整えてからAIを入れる」と直列で考える必要はありません。
むしろ、小さく試す → ムダが見える → 整える → また任せる、という反復で進めるほうが現実的です。
AIに触れてみて初めて、「この作業はそもそもいらなかった」と気づくこともよくあります。

 

現場での一例:時間単価のモニタリング

抽象論だけでは動けません。私が実際に支援している事務所では、こんな仕組みを回しています。
顧問先1社ごとに「年間報酬 ÷ 工数」で時間単価を算出し、あらかじめ決めた基準
(たとえば自計先は1万円、記帳代行先は5千円)を下回る先を「見直し対象」として一覧で可視化します。
そして、基準を割っている理由を、決算後に1社ずつフィードバックしていきます。

理由は突き詰めると、2つに分かれます。
①報酬が業務量に見合っていない(=値上げの余地)
②進め方が非効率で工数が膨らんでいる(=効率化の余地)

前者は価格改定で、後者はシステム導入・入力方法の見直し・自計化で対応する。
つまり「単価を上げる」と「ムダを削る」を、同じ時間単価という一つの物差しで一体的に判断していきます。

これは事務所の利益に直結するため、所長の納得感も、現場の手応えも大きいのが特徴です。
効率化を入口に、確実に単価・利益という出口へつなげる。
その地に足のついた進め方の一つが、この時間単価モニタリングです。

 

二極化する事務所

この順序を踏んだ事務所は、時間と単価の両方を手に入れます。
生まれた余力を提案や経営支援に振り向け、報酬の引き上げにつなげていきます。

一方、ムダを放置したままとりあえずAIに走った事務所は、いつまでも忙しさから抜け出せません。
この差は、2026年以降さらに大きく開いていくでしょう。

 

まとめ:まずは「1業務の棚卸し」から

大がかりな改革は必要ありません。まずは、今年の繁忙期で「しんどい」と感じた業務を1つ書き出し、
「これは本当に必要か」と問い直す。そこがすべての出発点です。

そして、その先の具体的な進め方は、他事務所の実例から学ぶのが一番の近道です。
この夏、まさにこの2ステップを実例で学べるWeb勉強会を2本ご用意しました。
 

この夏のWeb勉強会のご案内

【7月】1人あたり生産性1,210万円を実現する「仕組み化」の正体とは!?
~入社3年で担当30社を標準とする組織づくりの全貌~

日時:2026年7月9日(木)16:00〜17:30
登壇:福山優氏(税理士法人福山会計)
内容:
①時間を生み出す「標準化・仕組み化」の実例
②担当30社の標準化
③全顧客15%値上げの裏側まで。
お申し込み:https://znews-online.com/accs/ppstore/goods/index.php?c=MzYw&gid=882


【8月】生き残る事務所はAIをこう使っている~AI時代の税理士・社労士事務所、効率化の全貌~
日時:2026年8月25日(火)16:00〜17:30
登壇:廣田遼太郎氏(株式会社taleblue/GenUp株式会社)・畠山謙人氏(畠山謙人税理士事務所)
内容:
①生み出した時間を価値に変える「AI活用」の実例。
②スタッフ0人で顧問先60社、規模別の導入戦略まで。
お申し込み:https://znews-online.com/accs/ppstore/goods/index.php?c=MzYw&gid=881


※いずれも会員の先生は無料でご参加いただけます。
 

「時間を生む」7月、「その時間を価値に変える」8月。
この夏を、貴事務所の変革のスタートにしていただければ幸いです。
 
プロフィール
松末知也
株式会社アックスコンサルティング
経営支援事業部 コンサルタント

株式会社アックスコンサルティングに2021年入社。福岡支社に在籍し、九州エリアを中心に関西エリアまでの社労士事務所を対象に営業支援・成長支援を行っている。主に開業から10年以内の社労士事務所を中心に、顧問獲得の導線設計や営業体制の構築、商品設計のブラッシュアップなどを支援。現場に即した具体的な打ち手の提案と、丁寧なフォローを強みとしている。単なるノウハウ提供にとどまらず、先生方の想いや課題に寄り添いながら伴走するスタイルにより、継続的な売上向上と安定経営をサポートしている。
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