2026.08.01
夏季休業中の商品発送についてのお知らせ
【夏季休業中の商品発送について】

夏季休業期間中の商品出荷対応につきまして、下記の通りご案内いたします。

≪発送休業日≫
2026年 8月 8日(土) ~ 2026年 8月16日(日)

上記期間中のお申込みについては、2026年 8月17日(月)以降に順次発送とさせていただきます。
予めご了承ください。
通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。

ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

顧問先の「廃業予備軍」、いくつの選択肢で受けられますか

「親族に継ぐ人がいない」――顧問先からこの相談を受けたとき、「では売却か、廃業か」の二択で会話が終わっていないでしょうか。
事業承継の選択肢は、二つだけではありません。
親族内承継、リリーフ(中継ぎ経営)、MBO・EBO、M&A、そして持ち切り型の受け皿という「4+1」のルートについて、税理士がどこまで担い、どこから外部FAと連携するのか、その線引きとあわせて整理しました。

後継者不在を「廃業」で終わらせない──顧問税理士が示せる「4+1」の承継ルート

中小企業庁の推計では、2025年に経営者が70歳以上となる企業は約245万社、うち後継者未定は約127万社、その約60万社は黒字とされています。
この「継ぐ人がいない」という相談が最初に届くのは、多くの場合、顧問税理士です。

ところが実際の面談では、売却か廃業かという二択に会話が収束しがちです。
本稿では、承継の選択肢を経営面と財産面の2つの側面から整理し、各ルートで税理士がどこまで担い、どこから外部のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)と連携するかの線引きを示します。

 

ルート1|親族内承継

親族内承継は、経営権も財産権も親族内で承継する方法です。
その実現のために必要となる株価対策や事業承継税制※ は税理士の中核業務にあたるため、本稿では詳細を割愛します。
※納税猶予・免除。適用には一定の要件があります

実務で論点になりやすいのは、次の2点です。

①経営者保証──保証の解除に向けた施策は進むものの連帯保証を求められるケースはなお残り、「自分と同じ負担を子に負わせるのか」という心理が承継を進めづらくします。

②株式の分散──相続人が複数いる場合、遺言の活用と遺留分への配慮を設計段階で組み込む必要があります。このルートは、税理士の守備範囲でほぼフルカバーといえます。

 

ルート2|リリーフ(中継ぎ経営)

リリーフとは、株式(財産権)は引き続きオーナー家が保有し、経営面を後任社長に一任するかたちです。
所有と経営の分離が可能である以上、次の経営者が株主である必要はありません。
親族の後継者候補が若すぎる場合、外部または役員・従業員から中継ぎの経営者を立てる道があります。
論点は、オーナーシップを持たない経営者に覚悟をどう持ってもらうか。
中長期目標と連動した報酬・インセンティブ設計が鍵で、役員報酬の税務は税理士の領域、設計そのものは外部と分担する領域です。

 

ルート3|MBO・EBO(役職員承継)

役員・従業員に株式を譲渡することにより、株式の持つ経営権と財産権をともに役職員に承継するMBO・EBOは、社内の理解を得やすい一方、最大の壁は対価の確保です。
役職員個人には株式の買取資金がないのが通常だからです。
打ち手として、低利のコーポレートローンや金融機関の提供するMBOローンなどを活用する形が一般的です。

その他にも、売主が実行後の一定期間会社へ貸し付けるセラーズ・ファイナンスを活用する方法やMBO支援を行う投資ファンドを活用する方法などもあります。

ただし、いずれも安定的なキャッシュ・フローとその説明材料となる事業計画が必要です。
税理士は、税務上の株価評価・税務・資金計画のレビューを担い、取引価格の設計や融資交渉、スキーム設計・実行管理はFAと連携する領域です。

また実際には、もうひとつの壁に当たるケースが多いです。
「後継者に借入を背負わせてまで、承継させるべきか」。
この問いで止まった顧問先は、上述の二択に戻るしかないのでしょうか──後述します。

 

ルート4|M&A(第三者承継)

親族にも社内にも託せない場合、株式譲渡を通じて経営権・財産権をともに第三者へ譲渡するM&Aが有力になり得ます。
雇用や取引先との関係が引き継がれる形となり、オーナーは対価を受け取りながら事業を次につなげます。
税理士はスキーム別の税務比較と「手残り」の試算という意思決定の土台を担い、買い手探索・条件交渉・プロセス設計はFAの領域です。

一点だけ構造の話をすると、中小M&A支援サービスの多くは仲介業者で、売り手と買い手を中立の立場でマッチングするサービスであり、売り手の利益を追求する立場ではありません。
顧問先をどの支援者につなぐかで、交渉の力学は変わります。
この構造の違いは、本連載で回を改めて扱います。

 

第5の道:持ち切り型の受け皿

「役職員に託したいが、資金の壁でMBOが組めない」「借入を背負わせるのは忍びない」「事業会社への売却で会社の色が変わることには抵抗がある」──そういったケースでは上述の4つのルートを選べない顧問先がいます。

ここに、投資会社が株式を引き受け、経営は役職員が主体となって担う、社内承継という道があります。
株式の再売却を前提とせず、「持ち切り型」の受け皿であれば、事業会社との統合のようなシナジーを必須とせず、
企業風土や役職員主体の経営体制を残しやすいのが特徴です。

オーナーは対価を受け取り、経営は仲間に託せます。
安定した収益基盤など一定の要件はありますが、廃業を決める前に、検討のテーブルへ載せる価値のある選択肢です(参考:社内承継という選択肢)。
2つの面で言えば、経営は役職員が担い、株式は持ち切り型の受け皿が引き受ける──
経営の担い手と株式の持ち手を分けることで初めて成立する選択肢です。

 

それでも廃業を選ぶなら

廃業は経営者の任意で計画的に進められる正当な選択肢ですが、屋号や取引先との関係、従業員との信頼という無形の価値はすべて失われ、処分費用や原状回復費用により手元に残る資金が想定を下回ることも珍しくありません。
経営者保証が残っていれば、その整理が進め方を左右します。
最も避けたいのは、黒字のまま、他の選択肢と比較せず廃業へ向かうことです。
意思決定の前に「他のルートは検討したか」を一度確認するだけで、結論の質は大きく変わります。


早見表:5つのルート × 税理士の守備範囲 × FAと連携する領域

ルート 経営の担い手 株式(財産権)の
行き先
税理士が担う中心 外部FAと連携する領域
親族内承継 親族 親族 株価対策・税制活
用・遺留分配慮
限定的
リリーフ 中継ぎ経営者(外部・役職員) オーナー家が保有
継続
役員報酬の税務 目標連動インセン
ティブの設計
MBO/EBO 役員・従業員 役員・従業員 税務上の株価評価
・税務・資金計画
レビュー
ファイナンス組成
・スキーム設計
M&A 買い手企業 第三者(買い手) スキーム別の税務比較・手残り試算 買い手探索・条件交渉・プロセス設計
持ち切り型の受け皿 役職員 投資会社(持ち切り型) 税務・オーナーの
財産設計
受け皿の組成・承
継後のガバナンス
設計

 

執筆:オーナーズ株式会社(RISONAL)編集部
オーナーズは、売り手オーナーの利益を守るM&Aサービス「RISONAL(リソナル)M&A」、理想の社内承継の実現を支援する「RISONAL(リソナル)社内承継」、承継後の資産運用をサポートする「RISONAL(リソナル)WEALTH」の提供を通じて顧客の理想を追求しています。
これまで大企業やそのオーナーにしか提供されていなかった高いクオリティのサービスを、中小企業に向けて広く展開していきます。

人生の一大イベントである事業承継を悔いのないものにするために、公認会計士や投資銀行出身者、投資ファンド出身者などで構成される当社の専門チームが、事業承継の総合支援パートナーとしてお客様の理想を追求します。
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