2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

税理士松本崇宏が説く。独立するということ 「大切なのは覚悟。そして目的を明確にすること」vol.2

情熱家松本崇宏が説く、 税理士が独立・開業するために必要な2つのもの vol.2

準備期間も潤沢な独立資金もない中で独立開業を果たした税理士法人松本代表の松本崇宏氏。現在、事務所規模は50人を超え、全国に支店展開も進んでいる。
松本氏が実践する事務所の成功の秘訣とは?
 
 

Q.今年で開業12年目を迎えられて、今までの事務所経営の中で失敗や後悔はありましたか?

お酒の失敗はあっても実務の大きな失敗や後悔はないですね。そもそも、半分ノリで税理士を志し、資金も事前準備もないまま独立しているわけですから、「あのときもっとこうしておけば」と考える時間があるなら、私は前に進むことを考えて今までやってきました。

もう一度お話しますが、大切なのはノリ行動力、あとマーケティング力です!まず経験してみる。そしてダメだったらその時にまた考える。このスタンスは独立開業時も今も全く変わりません。
実は、弊社は今年、大阪に支店を出すんですが、別にこれ以上支店を出さなくても事務所としては困ることはない。正直なところ20~30人で事務所が回っていれば事務所は安定すると思います。
ただ、働く従業員のことを考えた時、みんなで夢を見るためには事務所は拡大したほうがいい。
たとえば、今30歳の従業員が、40~50歳になったとき、結婚して子供がいるかもしれない、父母の介護が必要になっているかもしれない。家族背景が変わり自分の置かれた状況が変わったとき、必要になるものって、“時間とお金”なんです。そして30歳と40歳を比べてみると、明らかに体力が落ちていて、若い時ほど無理がきかなくなっていると思うんです。
そういう未来を見据えた時、経営者はどうすればいいか?従業員がたちがそれぞれ上に立って部下を使って成果をあげていけるようなポストを増やしていくことだと、私は考えています。働く従業員たちの未来を想像し実際に行動に移していくことが、人を雇う経営者の努めであり、継続企業としての使命だと考えています。
そして、一つの城をまかされたことで、仕事を通して人格形成できるというか、絶対に今よりも成長できると、私は従業員たちを信じています。

 

Q.ご事務所経営をする上での先生の覚悟ですね

実際、弊社は亀戸や横浜に支店展開していますが、他にも松戸、柏、大宮あたりも考えています。関東圏に展開する分には、予測も立てやすいし私の目も届きます。でも……経営にはノリという要素も必要だと思うんです。アイドルの『5大ドームツアー』みたいなノリで、札幌、名古屋、福岡……全国の主要都市に支店展開するぞ!と。従業員たちと一緒に奮起できるようなノリを求めて、「とりあえず見てくるか!」と、今年中に大阪に出すことにしたんです。

 

Q.独立時に大切にしたことはなんですか?

ウソをつかないことです。お客様に対しても、従業員に対しても、自分に対してもウソをつかない、カッコつけない。間違いを犯したら「すみませんでした!」とすぐに謝るし、やはり誠実さって大切だと思うんです。
それと、当たり前のことですが、経営者としての目線とマインドです。税理士の仕事って、受注して作業して、納品して入金させるまでが一連の流れだと思うんですが、周りを見ていて最後の“入金”のところが弱いなと思うことが度々あります。お金の話はデリケートなので、なかなか言い辛いような話もしっかりとお客様にできるかどうかも、独立する上で必要なスキルだと思います。
それと、よく「最初のうちは……」と自宅兼事務所で始めるケースが多いと思いますが、それってユーザー目線じゃないですよね?独立開業するのなら、目線をしっかりと変えて、お客様の気持ちになって物事の意思決定をしていくことも大切です。

 

Q.入金が滞っている顧問先にきちんと支払ってもらう、その後も良好な関係性を続けていく秘訣を教えてください。

プロ意識を持つことですね。大前提としてお客様には入口から出口まで、どんな時もしっかりと対応すること。
お客様だって、高い顧問料を支払っている以上、期待度もそれなりに高いわけです。その期待を裏切らず、胸を張って仕事をできるだけの努力をしていれば、しっかりと回収することができます。もちろん、従業員たちには、「税務はもちろん、顧問先の業界のことも含めて、しっかりと勉強するように!」と日々、伝えています。

 

Q.先生のいう「ウソをつかない」とは、誤魔化しのない潔さなのでしょうか?

潔さかどうかは分かりませんが、「先生」と呼ばれる以上、きちんとプロとして、それだけの仕事をするということです。

たとえば、顧問先から「人事コンサルをしてくれないか?」と依頼されたとき、人を雇った経験がないと何も伝えられない、知識だけでは説得力がないんです。だから私は事務所の雇用をしっかり増やします。「先生」と呼ばれる以上、私たちが先を走ってあげなきゃいけない。同じ理由で私は銀行から融資を受けています。もちろん、それ以上のキャッシュはありますが、銀行・メガバンクの目線、彼らと付き合っていく上での経験値を、生の声としてしっかりと顧問先にアドバイスできる。それと、融資に関しては、同時にリスクヘッジの意味もあります。PLが赤字でも会社は潰れないけど、資金繰りが止まった瞬間に会社って潰れますよね。我々、税理士事務所が抱えるリスクを大別すると

・資格の剥奪リスク(脱税、従業員の脱税)
・労務リスク(労務トラブル)
・損害賠償リスク

すべて解決にお金が伴うことです。こういうリスクを理解した上で、健全に事務所経営をしていくために、しっかりとしたキャッシュを持っておく。そのための借り入れの意味合いもあります。
他にも不動産も持っているんですが……。

 

Q.不動産ですか?

そう不動産です。顧問先から「不動産投資を考えている」って言われた時、経験していないのに、なにか活きたアドバイスができますか?現在、私は、

・税理士法人
・社会保険労務士法人
・一般社団法人
・保険代理店
・個人事業の行政書士
・会計センター
・松本崇宏合同会社(不動産)

これだけの企業・団体を運営しているんですが、この合同会社でアパートを一棟持っています。
私にとってはすべて勉強です。不動産を持ってないのに、利回りやリスクの話なんて、できない。まずは、しっかりと自分が先を走ってみて、しっかりと事実を伝えていく。お客様に嘘をつかないっていうことは、それだけ大変なことだと思います!まあ、今、少しカッコよく言いましたが、
勉強というか、ノリという部分もありますが(笑)。

 

Q.独立開業を考えている方に、もしアドバイスをするとしたら?

「失うものはない」とお伝えしたいです。有名な言葉で「死ぬこと以外はかすり傷」というものがありますが、まさに、そういうことだと思います。あとは、独立するのが20代なら、大して資金もないわけだし、失敗してもたかが知れています。仮に独立時に何らかの失敗をして1000万円失ったとしても、そこから挽回して稼げばいいと思います。逆に、そのくらいの覚悟がないなら、独立しない方がいいですね。

 

Q.実際、独立を考える方のいちばんの不安が売上というか収入面という話も多く聞きますが……

私は独立開業してからお金で困ったことはないんですが、もし困ったら本業(税理士)以外で稼げばいいと思います。極論ですが、24時間365日寝ないでバイトすればいい。そうすればなんとか生活くらいはできる。私だって、最初の数年は、休むことが怖かったです。寝食を忘れて仕事に没頭したし、同時にものすごく丁寧にやっていました。言い方が難しいのですが、「お金なんて、そんなもの」です。それが独立しない言い訳にはならないと、私は考えます。
こういうことすべてが、私の考える覚悟です。こういう覚悟ができた人だけが独立開業してもうまくいくし、逆に覚悟がないときっと辛いだけです。
ほんの少しのノリと、確固たる覚悟、そしてマーケティング力さえあれば、きっとうまくいきます!



先生、素敵なお話をありがとうございました!

プロフィール
松本 崇宏(まつもと たかひろ)氏
税理士法人松本 社会保険労務士法人松本
代表
2006年に28歳で独立。
現在は、新宿・亀戸・横浜に事務所を構え、年内中に大阪に進出予定。
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