2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

アディーレの弁護士たち 僧侶と兼業!秦和昌弁護士

短期集中連載『アディーレ法律事務所5人の弁護士たち! Vol.02』 ある時は僧侶、そしてある時は弁護士 二足の草鞋を履く男 秦和昌弁護士

大好評、短期集中連載『アディーレ法律事務所5人の弁護士たち!』
前回はアディーレの弁護士たち 楽器が好き!杉田浩之弁護士をご紹介しました。
第2回は、家業である僧侶の道を歩みながら弁護士となった、秦和昌弁護士(はたかずまさ)にフォーカス。
あまり知られることのない、僧侶としての日々、好きなもの、これからの弁護士のあり方など、氏の溢れる想いをお届けします!

 

寺院に生まれた時から、僧侶の道を歩んでいた
それは、私にとってアイデンティティのようなものだったと思う

曽祖父の時代から代々僧侶と教師を両立しながら、自坊と檀家を守ってきた秦氏。僧侶の道を歩み、そしてバランスの取れた副業を行うことは、当たり前の未来だったと言う。
なぜ、祖父や父が歩んだ教師の道ではなく、弁護士を選んだのか?

「寺院に生まれ、その環境で育ったので、幼少期から『僧侶になる』ということは漠然とながら決めていました。中学高校生の頃から具体的というか真剣に考え始め、なにか同時に平行してやろうと思っていました。
現代の寺院の多くは本業だけでは、経済的に成り立ちにくく、私の家族も代々、教師と僧侶という兼業でした。そういう実情を考えたとき、私も最初は教職の道に進もうと思っていたのですが、大学で法学を学ぶ過程で手応えを感じ、最難関といわれる国家資格にチャレンジしてみたくなったのかもしれませんね。それと、弁護士は独立すれば経営者になりますので、急な法事や檀家さんのことを考えると、ある程度のスケジュール調整ができる、という部分で僧侶との相性もよい仕事でした。それと、人の話を聞き、問題を解決していく、という点で似ているのも大きかったですね」。


僧侶という、ある種のベールに包まれた職業。一体、どのような日々を送っているのか? また、どのようにして弁護士との両立を図っているのか。その辺りを単刀直入に聞いてみた!

「一般的には、精進料理を食べ、お寺の長い廊下や庭を掃除し、焚火の上を歩き、滝に打たれる……というようなイメージを持たれる方もおられると思います。
もちろん、そういう宗派もあるかとは思いますが、私の属している浄土真宗は『念仏をする』ということに重きを置いているので、いわゆる“修行”のようなものはなく、また特定の食品を禁じているということもありません
そのため、生活自体は念仏を唱えること以外は、一般の方とほとんど同じです。普段の生活や身なりは同じようでも、心の拠り所が異なるという感じです。
普段は念仏の時間以外は一般の方と同じように暮らし、人が亡くなったときのお葬式やお参りの対応、三回忌、七回忌に僧侶しての役目を果たす、という毎日を送っています。特に浄土真宗は月に一回はお参りをするという特徴があるので、だいたい毎日なにかしらがあります。
あとは、一般の方の考える僧侶のイメージを崩さないという気遣いはしますね(笑)。積極的に挨拶をする、丁寧な言葉使いで話す、自分勝手に人の批判をしない、身なりは綺麗に、できるだけコンサバティブに……といったところです。

 

僧侶としての時間を過ごしながら最難関の国家資格に挑む。
その後、どのような道を歩んだのか?

「本格的に弁護士を目指すことを決めたのは、二十歳くらいの時です。それまでも法学部で勉強をしていて、『いけるかな』という手応えを感じたんですね。そこから本格的にスタートしました。27歳のとき、3回目の試験で合格したんですが、忙しいときは実家を手伝って、あとは勉強をしながら、という感じでした。試験に受かった時は、ホッとしました。他の就職活動をしないで、大学院を卒業してから勉強を続けていたので、とにかくホッとしたのがいちばんですね。その後すぐにアディーレに入所しました。今は、父が実家を切り盛りしていますので、お盆と年末だけ実家のお寺を手伝いながら、弁護士業がメインになっていますが、将来的にはそのバランスは変わっていくと思います。

 

弁護士となって3年、いちばん印象的だったことは?

「当時は破産事件を扱うことが多く、30〜40件と扱っていくと、中にはどうしても借金せざるを得ない状況というか、きつい生活をしなければいけない人たちもいて、そこには、六法全書や教科書には載っていない様々な現実があり、それが印象的でした。
そして、それは刑事事件も然りです。経歴だけを見ると、すごいな……という人も、実際に会って話してみると本当にごく普通の穏やかな人だったりする。今、普通だと思っている人が、実は普通じゃない可能性があります。私は、普段テレビで観るような数々の事件も、「いつか自分が加害者側になる可能性があるかも」と感じて寒気がすることがあります。「俺は偉いからあいつとは違う」「自分は、正しい人間だから、絶対に犯罪などしない」という考え方は、煩悩ですね。仏教的は一番ダメな考え方なのです。人間には、正しくない部分も含まれていて、自分は偶然にも、その正しくない部分が出てきていないだけという認識が重要と思います。
私は、自分もなにかのきっかけさえあれば、そうなる可能性がある、という怖さというか客観性を持ちながらやっています」。

僧侶として人生の節目に立ち会い、弁護士として事件や紛争に立ち会う秦氏。そんな彼の心を癒すもの、それは浮世絵だと言う。たんなる芸術的観点だけではなく、ここにも秦氏ならではの、深い観点が隠されていた。

「人間とは? という話になるんですが、浮世絵って昔の人や街の風景が描かれていて、そういうものを見ると人間の本質が見えてくる気がするんです。
そもそも人が感じる“幸せ”や“不幸”って仕組みが難しいものだと思います。日本は島国だし移民が大量に入ってきているわけじゃないので、日本人の遺伝子は100年前とそんなに変わらないと思うんです。ということは、幸せや不幸を感じる仕組みって100年前とそれほど変わらないはずなんです。ところが、生活水準や文明は今の方が発展しているはずなのに、不幸が増している部分って少なからずあると思うのです。私が特に好きなのは、北斎(葛飾北斎)や広重(歌川広重)あたりの画ですが、そんなことを考えながら、「当時の人たちは、一体どんな生活を送っていたんだろう」という部分に思いを馳せます。すると、幸せのヒントが見つかる気がするんですね。
あとは、長い時間をかけて残った芸術品は、今までの先人たちが『美しいから残したい』と思ったからこそ、残されたものだと思います。時代を超えて、普遍的に心に影響を与えるもの、普遍的な美しさの謎を知れば、人間の本質に近づくことができるのでは?と、考えたりもします。
他には、印象派も好きですね。浮世絵と一緒で、当時の人や風景が切り取られているところが好きです。浮世絵との相互影響もあって、モネが浮世絵に影響されていたり、印象派の画家は北斎が大好きだったり、特徴としては構図や色使い、浮世絵のようなビビッドな色が使われ出したり、知っていくほど楽しいですよね」。

 

弁護士としての憲法、僧侶としての経典

「浄土真宗の特徴の一つとして、まじない、呪術的なもの等を肯定しない、という考え方があるのですが、このドライで合理的な部分が、法律とマッチしていると思います。
『祈祷によるパワーが』とか、『先祖の霊が』とか、そういう話は一切なく、大切な人が亡くなったときに、「肉体は滅びても霊魂が生きていて、草葉の陰から見守っている」というようなことを伝え、死んだけど魂はあるというような理屈はつけません。『そもそも、人間が生きるとは? 死とは?』というところから、突き詰めていくのです。ある意味、合理的だけど理解されにくいのかもしれませんね。そういう意味では、法律とも似ているのかもしれません。仏教経典は、自分を見つめるという最終目標へ至るための手段という意味では、一人一人のためのものであり、たった一人の心を救うために存在し、法律は、統治のシステムを合理的に回すための手段という意味で社会全体のためのものといえます(個々人は必ずしも救われない)。同じ手段でありながら、結構本質は違うと感じます」。

 

影響を受けた本は?

「仏教系を除くと、デール・カーネギーの『人を動かす』という一冊です。何度も読み返しましたし、朗読CDまで買って移動中に聴いたりしています。
人を動かす、と聞けば自分の都合のよい様に他人をコントロールするための話や、交渉術のような印象を受けると思いますが、決してそういう話ではありません。人が、何を言われたら気持ちよく行動できるか?ということを読み解くための本なので、みんながこの本のように行動できれば、ケンカもなくなるし、社会全体のストレスも減ると思います。弁護士としての仕事にも、大変役だつ一冊です!」

最後に、これからの士業、これからの弁護士が生きる道について、聞いてみた。ここにも、秦氏ならではの倫理観と価値観が、余すところなく散りばめられていた。

「昔ほど稼げる仕事ではないので、法律が好きな人や人権を守りたい人、弱い人の味方になりたい人、など、きちんとした志がある人が弁護士になるべきだと思います。
あとは、経営的に攻めていける弁護士になるという手段もあると思います。司法試験に合格する人材の大まかな特徴として、

<プラス面>
・理論的思考ができる
・事務処理能力が高い
<マイナス面>
・営業力(コミュ力)が不足している
・法学以外の分野に疎い(知識はあっても経験が少ない)

ということだと思います。大学の法学部から司法試験の勉強をして、一般企業に就職せずに、弁護士の世界に入るというルートが多いので、このような性質になるのは自然の流れだと思いますが、こういう人材が、自分の専門分野のみに留まり、社会で広く活躍しないのは、日本社会全体の損失です。
実際、社会の動きに敏感で、新しいビジネスモデルを探し続けることができる弁護士は、まだまだ少ないと思います。弁護士だからといって事件を待つだけの事務所経営をせずに、新しいビジネス分野の会社に積極的にアピールし顧問弁護士になる、新しい会社を立ち上げたりと、弁護士と言う枠にとらわれずに、柔軟に挑戦しイノベーションを起こせる人が増えてくれたら嬉しいですね!」

 

アディーレ法律事務所の次回企画予告

次回はアディーレ法律事務所にて勤務する、美人すぎる正木裕美(まさき ひろみ)弁護士です。お楽しみに!
 
プロフィール
秦 和昌(はた かずまさ)氏

弁護士

資格:弁護士・土真宗本願寺派僧侶・浄土真宗本願寺派教師
所属:東京弁護士会
出身:大阪府
出身大学:京都大学法学部,大阪市立大学法科大学院
所属委員会等:弁護士研修センター運営委員会

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