【私が税理士を変更した理由】 「もったいない!」を一日100連発!! その話を聞いてる時間がもったいない!!
- 2020.05.26
- プロパートナーONLINE 編集部

「あっ! このボールペンまだ使えるよ。ホラ!」
顧問税理士の業務にかかわらずA氏は、毎週一度は必ずやってくる。多い時は週に2~3回来ることも。「実に面倒見がいい税理士先生じゃないか」……世間からしたら、そう思われるかもしれない。
しかし、これが来たら来たで、ちょっと面倒だと感じることも多い。
「……こんにちは。社長さんいらっしゃいますか?」
この日もAが来た事が、挨拶の声でわかった。
A氏の声を聴くと、事務所内にピーンと張り詰めた空気が流れる。
ガチャ。事務室のドアが開く。
「どうも」
事務所に入ってきたA氏。後輩のMが給湯室へ向かおうとしたところ、
すかさず「ちょっとまって。これ捨てるの?」
A氏は部屋に入るや否や、ゴミ箱をのぞきこんで、中から古びたボールペンを取り出した。
インクの切れた使い捨てボールペンである。
「これ、まだインクが残っているじゃない。これで捨ててたら“もったいないよ! ほら、書けるよ。申告の際に使えるじゃない?」
インクが無くなってくると文字の書き損じが多くなる。特に申告書や請求書といった書類を作るときは、しっかりとインクが切れることなく出るペンを使う。Aの拾ったペンなど論外だ。しかし、
「君たちは給料制だから、経費のことなんて何とも思わないんだろうね。僕はいわゆる報酬で食ってるわけじゃない。経費だって自分持ち。だから、目の付け所が違うんだよね。みんなももう少し自覚した方がいいんじゃないの? 会社のためを考えるとさあ……」。
こうなると、話がしばらく続く。本当は無視して仕事を続けたいのだが……
「あっ、そこ! キミ、今、また付箋を使ったでしょう? メモだったら裏紙でいいじゃない。さっきから付箋を使う頻度が高すぎるよ。これだからサラリーマンは……報酬制なら絶対やらないね。申告や契約の書類なんかも、何枚も書き損じて用紙を無駄にしているんじゃない? 経費は少しでも抑えるように意識してほしいよね。」
言うことはごもっとも。だけど、A氏の話は長いし、彼のいう“経費削減”はちょっと微妙なものも多い。効率とかは二の次。とにかくビンボーくさいミリ単位の経費の節約をうだうだ話す。しかも、ヒマなのか、なかなか帰らずに、
「やっぱり緑茶はおいしいね。一時、麦茶に浮気したけど。一周回って緑茶に辿り着いたよ。君は何派? えっ、コーヒーだって。……まだまだ青いね。」
こんな下らない話をずっとしている。
そして、どうでもいい話が終わると再び
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