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【士業広報室】相続税バブル来たる⁈ ”新規顧客を持つ者と持たざる者” 記事



空き家問題や相続放棄、遺産分割など相続に関する話題が近年社会問題になっています。
遺言書がある場合でも、親子や兄弟姉妹間でトラブルになることは多く、家庭裁判所での裁判件数も年々増加傾向にあります。(総務省統計局より)
不動産や預金などの財産・資産を配偶者などへ遺産として贈与する際に、必ず頼りになるのが税理士をはじめとする、弁護士や司法書士などの士業です。
しかし、近年の会計事務所の売り上げを見てみると、業界全体としては10年前に比べ平均所得が142万円減(第6回税理士実態調査より)と士業をとりまく状況は悪化しています。
その様な状況の中、売り上げを伸ばしている会計事務所は、社会のニーズの変化と共にどの業務に力をいれ、新規顧客を獲得しているのでしょうか。
”新規顧客を持つ者と持たざる者”の広がる税理士格差と、実際の相続税収額と件数の推移も合わせて、業界の”今”と”今後”を独自調査してみました。

 

相続税バブル来たる⁈ 時代は相続税!

〈 相続税収の増加 〉

団塊世代と言われる世代の人たちが相続をする年齢に達してきていることもあり、平成22年からは年々相続税収は増加傾向にあります。今から約10年前の平成19年の相続税収は約15,000億円だったのに対し、平成29年の相続税収は21,150億円と141%増加しています。20年前のバブル期と比較しても、平成9年の相続税収は約24,000億円なので数年で、近年の右肩あがりの推移を続ければ、あと数年でバブル期の相続税収額に追いつくことが容易に想像できるでしょう。


(注1)相続税収は各年度の税収であり、贈与税収を含む(平成26年度以前は決算額、平成27年度は補正後予算額、平成28年度は予算額)。
(注2)課税件数は「国税庁統計年報書」により、死亡者数は「人口動態統計」(厚生労働省)による。
※引用元:財務省ホームページより


 

〈 相続申告件数と課税対象相続人数の増加 〉

相続税収の増加だけでなく、相続申告件数及び死亡者数も比例して増加をしています。
 
  平成9年 平成19年 平成25年
相続申告件数 48,605件 46,820件 54,421件
死亡者数 913,402名 1,108,334名 1,268,436名


被相続人数、課税対象相続人数ともに増加傾向にあり、特に課税対象相続人数は225%増加しています。


※国税庁「平成28年分の相続税の申告状況について」より

 

〈 相続財産の内訳推移 〉

増え続けている相続税収ですが、どのような構成になっているのか、見てみましょう。
相続税収で1番多いのが『土地』ですが、土地や有価証券の伸び率がここ10年ではあまり見られなかったの対し、『現金・預貯金』に関してはこの10年で152%増加しています。


(注) 上記の計数は、相続税額のある申告書(修正申告書を除く。)データに基づいて作成している。
※国税庁「平成28年分の相続税の申告状況について」より

 

税理士業界の”新規顧客を持つ者と持たざる者”の格差を独自調査!

〈 平成29年に売上が伸びた業務「相続税申告」〉

プロパートナーオンライン編集部では、会計事務所の規模上位500事務所に独自のアンケートを実施。それによると、2017年に特に売上が伸びた業務は事務所規模に関わらず「相続税申告」でした。2番目も「事業承継対策」でしたが、1番目の「相続税申告」とは9ポイントも差がつく結果となりました。2015年の相続税改正によって非課税対象者が増えたことで突出して多い業務になってきています。


※国内の会計事務所・従業員規模TOP500事務所を対象に実施した独自アンケート調査結果に基づく

また、平成30年度税制改正での「小規模宅地等の特例の見直し」や、高齢化により、今後ますます相続税の課税対象者は増えていくと予想されています。国の相続税収が増加していくとともに、相続税対策のニーズも右肩上がりとなっていくでしょう。

相続税の問題は、納税者のプライベートの事情を考慮しなければならないために複雑になるケースが多く、そのため納税者ごとにオーダーメイドされた相続税対策をとる必要です。
”10年後になくなる仕事”とされている税理士ですが、この状況を見ると、申告業務や記帳作業などAIによって機会化をすすめられるような業務と、人にしかできないコンサルティング業務の二極化が進んでいると考えられる考えられるのではないでしょうか。
2017年に売上をあげた会計事務所は、社会のニーズを敏感に捉え、納税者一人ひとりに合わせた相続・事業承継対策を提案できるか否かが、鍵になっているようです。
 

士業広報室では、士業の実態を知るために、事務所経営にかかわることから、プライベートまで、さまざまなアンケート調査を実施しています!
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