【第4回】「自由市場」と「内部通貨」で相互扶助精神が生まれる! 〜 10名前後の事務所を短期間で確実に4倍にする方法
- 2020.05.26
- 株式会社 アックスコンサルティング
前回の記事はこちら
組織改革を推進してからたった6年で、職員が10名前後から4倍に拡大、飛躍的な成長を遂げたあすか税理士法人の取り組みをご紹介する本記事。事務所のカリスマ的存在である代表社員税理士の川股修二氏の学業専念により、事務所の運営を任された加藤知子氏。
スタッフの増減を経て、自立心を育む目的で「あすか式」生産性管理制度を組織改革に着手しました。
「自由市場」と「内部通貨」で生まれる相互扶助精神
「あすか式」生産性管理制度では個人実績の徹底と公開を実施。全職員に
「どのくらい頑張りたいか」
「実際に可能かどうか」
を自己申請してもらい、有限実行を果たすことで自信をつけてもらいました。
有限実行と目標達成を徹底するため、導入されたのが「自由市場」と「内部通貨」です。
「自由市場」とは、新規顧客案件を獲得した際、補助者や担当者を募集するシステム。
新規顧客を獲得すると、補助者や担当者を決めるのに苦労してしまいます。
特定のメンバーだけに仕事を頼んでいるうちに、周囲からは「ひいきしている」と思われたり、派閥が生まれたりしがちです
担当者の性格によっては、引っ込み思案で案件を誰にもお願いできず、新規獲得がトーンダウンしてしまうこともあります。
こうなっては、新規獲得も生産性アップもうまくいきません。
新規案件を自由市場に出すことで、新規獲得する側は後工程の実務のことを気にせず、新規獲得に力を注げます。
また、実務経験を積みたいメンバーは自由市場に上場してきた案件を見て、
「私がやります!」
とやる気をアピールすることができます。
では、案件を手掛けた対価をどうするのか?
そこで生み出されたのが「内部通貨」です。
先輩が持ってきた案件を自由市場を通じて手伝ったら、内部通貨を獲得できます。
内部通貨の単位は「Shu」。
川股修二氏の名前が由来です。
たとえば、先輩社員が相続案件を獲得したら、「準確定申告」「不動産資料収集」「現地調査」「戸籍収集」「申告書製本」など、業務を細分化します。
そして、各業務の難易度に応じて内部通貨(Shu)を配分します。
すると、スタッフは「準確定申告にチャレンジします!」などと業務を「落札」。
経験を積み、スキルアップしていきます。
自己目標の到達方法は、以下の3つ。
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自力で営業して新規の顧客を獲得してくる
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先輩が持ってきた仕事を自由市場で獲得して内部通貨を得る
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社内営業をして新規の案件をもらう
同時に、営業が苦手な社員でも業務を引き受け、内部通貨を得ることで、事務所への貢献が可視化。
仕事を「獲得する人」と「引き受ける人」との間に、互いに尊敬し合う相互扶助の気持ちが生まれるのです。
「Aさんは目標達成までもう少しだから、この仕事をやってもらおう」
と、みんながメンバーお互いの目標に向けて、助ける流れができあがります。
このようにして、あすか税理士法人は、新規獲得と内部のスキルアップを実現していきました。
そして、この新たな制度で組織改革に取り組んだあすか税理士法人は、今ではどのような成果を得ることができたのでしょうか。次回、最後の記事で詳細をお伝えします。
本記事はあすか税理士法人が、従業員10名前後だった事務所を4倍にまで拡大した取り組みを、5回に分けてご紹介していきます。
【第1回】なぜ、会計事務所は10名前後で停滞するのか?
【第2回】優秀な人材は待っているだけではやって来ない!
【第3回】組織改革の要となった「あすか式」生産性管理制度
【第4回】「自由市場」と「内部通貨」で相互扶助精神が生まれる!
【第5回】6ヵ月で7,000万円増の売上を作り出す「あすか式」営業戦略
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