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すべて自分たちで決めるから 当事者意識が生まれる 記事 PR

時代を読む。アクロエストテクノロジー株式会社。独自戦略やニッチなマーケットで伸びている組織の成長の秘密を探る! アクロエストテクノロジー株式会社取締役副社長新免玲子氏

『働きがいのある会社ランキング』(Great Place to Work)小規模部門で三度の1位に輝いたアクロクエストテクノロジー株式会社。経営方針や給与まで全社員で決めるというIT企業です。型破りとも思えるこの仕組みが機能する風土とは? 取締役副社長の新免玲子氏にお聞きました。

 

誰が言ったかではなく何を言ったかが大事

弊社には、〝MA(Meeting of ALL staff)〞と呼んでいる月に一度の全社員会議があります。会社の方針からルールまで、現在取り組んでいるさまざまな施策はMAで決まりました。

MAは、〝多数決をしないこと〞〝役職で発言内容の良い悪いを判断しないこと〞が特徴で、最後の一人が納得するまで話し合います。また、〝誰が言ったか〞ではなく〝何を言ったか〞が大事なので、社長の発言も新人の発言も同等に扱われます。社長である私の夫はヘビースモーカーでしたが、MAで〝全社禁煙〞と決まったことで、たばこをやめました。社長が喫煙者だろうが、自分たちが良いと思えばそれを貫くのです。

弊社は技術者集団ですから、自分が良いと思った技術を提案したい人が多い。それが、上の人の意見だけで進むのではなく、社員全員で決めるという社風につながっています。

こういった方針は、創業時から変わりません。「技術者が楽しく働ける会社をつくりたい」という思いが基本にあります。社長も技術者ですが、前職で経営者とのコミュニケーションがうまくいかない経験をしましたので、「ワンマン社長にならないためには、全員で話しながら物事を決めることが必要」と考えたのです。
 
セクションタイトル。キーワードは「成長」「見える化」「一体感」働きがいNo.1企業を作った仕組み
当事者の意識を持ち成長、MA、社員ファイルの説明画像見える化で効UP。AcroNoteの説明画像 みんなが主役の一体感、花一輪、バリュー制度の説明画像
 

成果を数値化して給与も全員で決める

全員で話し合って決める最たるものが、〝ハッピー査定360〞という全体査定です(サイト下部参照)。社員の給与を、全社員で話し合って決めます。よく、「ギスギスしませんか?」と聞かれますが、自分と周囲の実力の現状を正しく見ることができれば、オープンにして悪いことは何もありません。

もちろん、自己評価と周りからの評価が違うことはあります。このときも、最後の一人まで、全員が納得するまで話します。

これができるのは、エンジニアの集まりだということも大きいかもしれません。理系集団なので、論理的で、すべて数字で根拠を求められます。例えば、新人が「このプロジェクトは大変でした」と言えば、「どのくらい大変だったか数値化して」となる。するとグラフが出てきて、「あなたがやった部分は5%だけど、先輩は20%やっている」と言われて、納得せざるを得ない。ギスギスする余地がないんです。

また、〝特性領域主義〞が基本です。欠点はマイナスなので、直してもプラスにならない。ならば、長所を伸ばしてプラスを大きくした方が、はるかに価値がある。特性も成長曲線も人によって違いますから、それぞれで伸びていけばいいのです。

弊社が目指しているのは、オーケストラです。ピアノもいれば、バイオリンやチェロもいる。自分の担当楽器で一番を目指せばいい。みんながリーダーである必要はありません。全員が集まった時にどんな音色を奏でるのかが、会社としての実力だと思うのです。

 

ちょっとした受け答えで会社との距離がわかる

この文化をつくってきたのは社員たちです。社長や私がどれだけ言っても、社員が動かなければ意味がない。社長や私のポリシーに社員が賛同し、実行してきたのです。当事者意識が高いんですね。

例えば、弊社の玄関は明るい色のカーペットと木目調のドアで、温かい雰囲気にしています。以前はグレーの無機質な玄関でしたが、MAでリフォームが決まりました。私たちのような小企業にとって、そこに数百万円かけるというのは大きいですが、「お客様に良い印象を持ってもらうことの方が大切」と全員が考えた結果です。

この玄関を見たお客様が、「きれいですね」と言ってくださったとき、社員が「はい、頑張りました」と答えたのです。普通は「ありがとうございます」だと思うのですが、「自分たちが頑張って、お金を出してきれいにした」という意識が、そう言わせたのでしょう。

また、創立記念日にホテルで開く会食は、全員自腹です。5〜7000円しますので、「会社から出そう」と言ったこともあり
ますが、断られてしまいました。「こんな小さな会社が何年も続いているのを喜んでいるのは社員ですから、お金は自分たちで払いたい」と言うんです。感動しました!「それなら、経営者としては別のところで還元しよう」と決めたのです。

こんなちょっとした受け答えでも、会社との距離がわかります。例えば、会社のビジョンやポリシーを聞かれて、社員が「会長がつくった社是がありまして……」と言った時点で違いますよね。会長の社是を綿々と守っていくことに当事者意識は出てきません。

 

経営者に必要なのはポリシーを貫くこと

「なぜ、こういう会社になるんですか?」と聞かれることがありますが、会社が変わらないのは、経営者の考え方が原因です。
 
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プロフィール

新免 玲子(しんめい れいこ)氏

アクロクエストテクノロジー株式会社 取締役副社

外資系企業や金融系企業に勤務後、夫の新免流氏が設立した同社に入社。流氏が技術面を、人事管理部門を玲子氏が担当してきた。『働きがいのある会社ランキング』1位、『よこはまグットバランス賞』など、受賞多数。著書に『「働きがいNo.1」の企業が試行錯誤して生み出した会社を元気にする51の「仕組み」』(日本実業出版社)。

アクロクエストテクノロジー株式会社
■ 設立:1991年 ■ 代表:新免流
■ 従業員数:80名
■ 所在地: 新横浜3-17- 2 友泉新横浜ビル5階

新免玲子氏が講師を務める『組織いきいき実践勉強会』(全6回コース)を開催中。詳細は同社に問い合わせを。
☎045-476-3171