経理代行で成功する秘訣は、効率的な経理ルールの提案
- 2020.05.26
- 株式会社 アックスコンサルティング
資産税案件に特化し、経理代行業務をメニューに掲げている税理士法人M&T。
これまでは「経理部長代行」サービスを行ってきたのですが、キャパオーバーをきっかけに「訪問しない経理代行」サービスをはじめました。実際、業務を行っていると、どのようなメリットがあり、どのような問題に直面するのでしょうか。
今回は代表社員の三反田純一郎税理士にお話を聞きました。
経理代行の実践で、ワンランク上の経理部門の形成を支援
─どのようなスタイルで経理代行業務を行っているのですか?三反田純一郎氏(以下、三反田氏)
これまで当社で、中小企業の経理部長や財務部長に匹敵する人材を育てて、お客様のオフィスに週に1~2回派遣するサービスを実践してきました。
好評だったのですが、こちらがキャパオーバーしてしまいました。
1人が専任しても、せいぜい5社が限界でしたね。
現在は、先方に行かなくても経理代行業務ができる仕組みを実践しながら構築中です。
─「経理部長代行」的な役割から始まったのですね。
三反田氏
そうですね。
税務ができる人が経理を兼務して、ワンランク上の経理部門を形成するというのが、コンセプトでした。
─経理代行というと、どのような業務を行っているのですか?
三反田氏
記帳業務、請求業務、支払業務、給与計算業務、経費精算業務など、経理全般を行っています。
─料金はどうなっていますか?
三反田氏
料金体系は基本的に月額固定にしています。
接触頻度で区別しており、週1回訪問で10万円、週2回で20万円、最大30万円前後ですね。
あとは月10万円のパッケージ商品もあります。
イレギュラーな処理が必要になったら、タイムチャージにて追加で料金をいただくことにしています。
─お客様と業務の線引きは行っているのですか?
三反田氏
発注業務や見積書作成といった営業事務に関係する業務はやらないことにしています。
営業的判断が絡むので、会計事務所が手掛けると、トラブルが起きる可能性があるからです。
受注以降の業務は、すべて会計事務所側で代行しています。
─営業事務はやらないのですね。
三反田氏
そうですね。
販売管理ソフトは、会社によって独自なケースが多いですよね。
そこをどうやって連動すればいいかは、今後の課題になってきます。
一度引き受ければ、経理代行は顧問契約解除が少ない
─経理代行は、どの会計ソフトを利用しているのですか?
三反田氏
半分は弥生会計を使っており、あと半分はクラウドです。
クラウドを使って、訪問しなくても経理代行を実施するサービスを展開します。
今後は力を入れたい分野でもあります。
─訪問しない経理代行を行う上で、ポイントはありますか?
三反田氏
効率的な経理ルールを提案することです。
締め日と支払日をどうするか、効率よくできる方法をこちらから提案・指導していきます。
すると、効率化できますね。
経理ルールを変える際は、社長に話すようにします。
経理担当者に言っても反対される可能性が高いです。
─経理代行サービスのメリットは何だと思いますか?
三反田氏
一度引き受けると、顧問契約を解除されることが少ないですね。
それは大きな利点です。
─今後の展望を教えてください。
三反田氏
ゆくゆくは、バックオフィス全体を効率化できるようなサービスまで手掛けたいですね。
管理部門にどれだけ食い込み、権限をもらえるかによって、満足度が上がります。
それには、現在の業務に満足していただくことが条件です。
これからも高品質な経理代行サービスを中小企業に提供していきたいです。
また、クラウドやAI(人工知能)が発達していくと、会計事務所は財務サポート力が重要な要素となってきます。
クラウドやAIを活用することで、職員の作業時間が軽減され、顧客とのコミュニケーションに多くの時間を割くことが可能にな
るので、社長が抱えている財務の課題を解決できる事務所になればと考えています。
プロフィール
税理士法人M&T(大阪市北区)
代表税理士
三反田 純一郎(さんたんだ じゅんいちろう)氏
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