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  • 実務を斬る vol.2 税理士が知っておくべき 民法改正のポイント

    士業業界をリードするスペシャリストが語る実情。今回は和田倉門法律事務所の弁護士、野村彩氏に、税理士の実務に影響する、民法改正の要点についてお聞きします。 今回の改正でのポイント今回の改正でのポイントは委任と請負、そして法定利率について。これから税理士の実務はどのように変わるのでしょうか。まず、委任と請負について。そもそも委任(準委任を含む。以下同じ。)とは法律行為や事務処理を依頼することを言います。例えば、弁護士に訴訟を依頼すること。税理士ですと、税務の相談が委任に該当します。委任の場合、委任された業務が成功してもしなくても、委託者は代金を支払わなければなりません。それに対して、請負は原則として仕事が完成したときに代金を支払います。例えば、大工に家の建築を依頼する場合、家が完成したときに代金を支払うことになります。先の例で、家を2棟建てる契約の場合、2棟は建てられなくても1棟は建てることができたとします。では、請負人は仕事を完成することができなかったため代金は請求できないのか、という不都合が生じてしまいます。現行民法ですと特別な決まりはなく、裁判所が個別に判断していました。そこで改正民法では、たとえ仕事は途中でも、その途中までの価値を金銭的に換算できるのであれば、請負人は代金を請求できる旨を定めました。委任も同様に受任者が履行を途中で終えてしまっても、受任者の帰責事由の有無にかかわらず、代金の請求ができるようになりました。税理士の実務では、申告書の作成が請負に該当します。申告書の作成が何らかの事情により途中で終わってしまったが、あと少しで完成するという場合、残りの部分を別の税理士に頼むと安くできる可能性があります。このように、顧問先にも利益があれば、代金を請求できることが明確になりました。民法改正を機に、ご自身の顧問先の契約書を見直しましょう。次に、法定利率について。今までは原則5%、商事法定利率が6%でした。つまり、個人間でお金を100万円貸し借りした場合、1年後には105万円、ビジネスによるものですと106万円になります。しかし、年利5%は高すぎて、実態に合っていません。また、バブルだと5%では低すぎます。そこで、今回の民法改正では、商事法定利率が削除され、日銀が公表する国内銀行の短期貸付けの平均利率を基準に、3年ごとに利率を見直す『変動制』になりました。当面の間は、改正民法施行時(2020年4月1日)から3%です。いつの利率が適用されるかというと、債権が発生したときです。実際は、顧問先に代金債権が発生したとき、顧問先にいくら入り、いくら記帳しなければならないのかが変わります。税理士も注意が必要ですね。以上の通り、委任と請負においては、履行途中で終了してしまった場合の契約書の見直し、法定利率においては、利率の確認が大切になります。これらに気をつけて、顧問先の満足度を高めましょう。    2018.07.31