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検索結果(全3件)

タグ “松嶋洋氏” を含むコンテンツを表示しています。

  • ハイブリッド事業体の考え方

      ハイブリッド事業体の意義と所在地国の課税関係グローバル経済が進む昨今、海外に子会社を作ることも珍しくはなくなりました。海外子会社の設立に関して、日本の税務上大きな問題となる論点の一つに、海外子会社がハイブリッド事業体に該当する場合の課税関係があります。ハイブリッド事業体とは、①海外の法律において法人格を有するものの、②その法人の所在地国の税法では法人ではなく法人の株主に課税が行われる法人をいい、代表例はアメリカのLLC(米国LLC)です。米国LLCは、法人格がありますので取引の主体となりますが、その所得については、米国LLCに課税するのではなく、その株主に対して課税が行われることが原則です。なお、このような課税をパス・スルー課税などと言います。投資については、受け皿となるビークル(法人、信託、組合などの事業主体)に対して法人税などの税金が課税されるかどうかが問題になりますが、米国LLCなどのハイブリッド事業体であれば、ビークルに課税は原則としてありませんので、この問題をクリアできます。 日本の税務上の問題点~パス・スルー課税される所得~日本の税務上、ハイブリッド事業体が問題になるケースの代表例として、1所得を株主に帰属させる場合の日本の株主の課税関係、2ハイブリッド事業体が損失を計上した場合の日本の株主の課税関係、の二つが挙げられます。先に述べた通り、所在地国においては原則としてパス・スルー課税が行われますが、この課税関係は外国の税法に則って決められています。このため、株主が所在する日本の税法においても、外国と同様の課税関係になるかが問題になります。まず、上記1についてですが、法人税の外国税額控除に関して、以下の条文があります。 法人税法施行令142条の2(外国税額控除の対象とならない外国法人税の額)7項~内国法人の法人税に関する法令の規定により法人税が課されないこととなる金額を課税標準として外国法人税に関する法令により課されるものとして政令で定める外国法人税の額は、次に掲げる外国法人税の額とする。一・二省略三法第二十三条の二第一項に規定する外国子会社(注:95%益金不算入となる、原則として持株割合が25%以上の外国子会社)から受ける同項に規定する剰余金の配当等の額~を課税標準として課される外国法人税の額(当該剰余金の配当等の額の計算の基礎となつた当該外国子会社の所得のうち内国法人に帰せられるものとして計算される金額を課税標準として当該内国法人に対して課される外国法人税の額を含む。)(下線は著者)この規定は、国際的二重課税を排除するための外国税額控除について控除対象とならない外国法人税について定めたものです。この規定による外国法人税は、日本の法人税が非課税となる所得に対するものですので、二重課税にならないため外国税額控除の対象外と規定されています。ここで言う外国法人税の解釈については、以下の通達などがあり、米国LLCなどのハイブリッド事業体の日本の株主に対し、その所在地国でパス・スルー課税される外国法人税を意味していることは明白です。結果として、ハイブリッド事業体を通じてその株主に対しパス・スルー課税される所得については、日本の法人税は課税されないと考えられます。 2018.05.24
  • タックス・ヘイブン税制の非課税所得と組織再編成税制の関係

     1. 外国子会社合算税制の概要と租税負担割合内国法人などがタックス・ヘイブンに所在する外国子会社を有する場合に問題になる外国子会社合算税制について、平成29年度改正により抜本的な見直しがなされています。この制度の改正前から解釈上疑義が大きかったポイントの一つに、租税負担割合の計算があります。この租税負担割合については、原則として以下の通りの計算を行うことになっています(措令39の17の2①・②)。 (外国子会社の本店所在地国で課される租税の額)/(外国子会社の本店所在地国の法令に基づいて計算される所得金額)+(非課税所得の金額)抜本的な見直しが実現したとはいえ、上記の算式で計算される租税負担割合が20%以上であれば、その外国子会社については、原則として外国子会社合算税制の対象にならないとされる取扱いは変わっていません。この算式の意味ですが、香港やオランダのように、国外の所得に課税していない国とは異なり、日本の法人税においては原則としてあらゆる所得がその課税対象になることを踏まえたものです。日本の課税ベースに則って外国子会社合算税制の対象を決めるため、単に子会社の所在する国等の表面的な税率で決めまることはなく、子会社が実際に外国に納付した税金(分子)を、非課税所得を加算することにより日本の課税ベースに調整した子会社の所得(分母)で割って計算した割合で、外国子会社合算税制の対象になるかを判断することにしているのです。ところで、この計算上、従来から疑義がある、とされていたのが、租税負担割合の計算上、その分母に加算すべきとされる「非課税所得の金額」の範囲についてです。非課税所得の金額に該当するか否かで、租税負担割合は大きく異なることになる訳ですが、特に大きな問題になっていたのは、外国の子会社が、日本で非課税とされる、「適格組織再編成」を行った場合の計算についてです。  2018.03.23
  • 今話題のビットコイン!明示されていない課税関係を元国税調査官・試験組税理士が説く

     Ⅰビットコインの課税関係の現状投機的な値動きから、日々大きな話題になっているビットコインですが、その課税関係については国税から原則として雑所得に該当するという見解が公表されています。この見解に加え、国税は具体的な損益計算などについて「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)」という情報も公開していますが、実際のところこれだけではビットコインに係る課税関係をつかむことができません。例えば、以下のような質問が寄せられています。1ビットコインに時価評価が必要になるかどうか(法人税)2ビットコインの投資家が国外転出した場合、どのような課税関係になるか Ⅱ法人税の時価評価との関係ビットコインは投機の対象であることがほとんどで、かつ毎日の時価が明確ですから、法人でビットコインに投資をした場合、売買を目的とする有価証券のように、時価評価が必要ではないかといった見解も多くあります。特に、ビットコインが支払いの手段にもなり得ることもあって、中には外国通貨のように各事業年度において時価評価する必要があるのではないか、といった疑問もあります。この点、明確な見解はありませんが、少なくとも現行法では時価評価の対象にはならないと考えられます。各事業年度において時価評価の対象になる資産は、現行法人税法においては、原則として以下とされています。 2018.01.25