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社労士の営業戦術! 顧客に選ばれる事務所とは? 記事



2007年の年金記録紛失や、団塊世代の大量退職によって、社会保険労務士(以下、社労士)への相談件数が急増、社労士の認知度は一気に広まり活躍の場も広がりました。
また、昨今では働き方改革に取り組む企業も増え、多様化する雇用問題を解決するために社労士のさらなる活躍が期待されています。
社労士の数は年々増え続けており、業界内での価格競争、顧客争奪戦は激しさを増しています。
以前は、少し成功している社労士事務所であれば、“顧問先からの紹介で新規顧客を獲得”というように、自ら営業せずとも依頼が舞い込んでくる状況でしたが、今では"数ある社労士事務所の中から、どの社労士が選ばれるのか”という時代へと変化しています。
 
【目次】
1.はじめに 2.他人の力を借りる営業方法(紹介営業)
▶旧来からの手法を活かす
・こちら側から先に顧客を紹介する
・顧客を紹介するための事前準備をする
・名刺交換から関係をつなげる
・同じくらいのキャリアの先生と協力し合う
3.ツールを活用する営業方法(Web集客)
▶この10年伸びてきた手法を正しく理解する
4.自分自身での営業方法
▶士業が苦手としてきた営業と本気で向き合うために
5.最後に
 
 

はじめに

1.社労士資格を取ったから一生安泰と思ったら大間違い

社会保険労務士資格保持者の独占業務で、1号、2号業務である健康保険、厚生年金保険、雇用/労災保険の手続き、各種助成金の手続きなど『年金・健康保険』『労務関係の問題』を独占的に扱えるので、安定してずっと仕事があると思われがちです。
しかし、景気の低迷に伴い、企業側もなるべくアウトソーシングを減らそうという動きや、IT化により、労務関係の仕事や、給与計算代行業務の需要は減りつつあります。
また3号業務のコンサルティング業務(相談・指導)は、就業規則の作成・見直し、労務関係の手続きなどが挙げられますが、これらは独占業務ではないため、社労士の資格を保有していなくても専門的な知識さえ身につけていれば社労士でなくとも事業として展開できます。「わざわざ社労士に聞かなくても、インターネットで調べればわかる!」と賃金や賃金管理について、社内の経理担当や総務担当などがネットで調べて解決、というケースも増えてきました。
一所懸命に資格を取り、下積みを経て独立開業したものの、価格競争に巻き込まれ、経営難に陥って、廃業していく事務所も少なくありません。
社労士は資格を持っているだけでは食べていけない、自ら働きかけて顧客を獲得していくことが必須となる時代に突入しました。
そんな今、会社に必要とされる”社労士の仕事”とは、どのようなものなのでしょうか?
 

2.今後、社労士に求められる業務

先に述べた、社労士の1号、2号、3号業務のなかで、「3号業務は独占業務ではないから……」と、おろそかにしていたりしませんか?
企業向けの人事労務ソフト、給与計算ソフトなどのクラウド化・多様化・低価格化が進み、社労士の従来型の業務に多くのコンペジターが参戦する今、社労士もサービス業であるという認識が広まってきています。事務所の差別化を図るためにも、従来の独占業務だけではなく、経営コンサルタント業や賃金コンサル、労務コンサルなどのコンサルティング業務も行っている事務所が増えてきました。
コンサルティング業務は、それ次第で直接顧客を増やせる業務のため、顧客拡大を狙う事務所は積極的に取り組んでいる傾向にあるようです。
コンサルティング業務を行う上で、非常に重要になってくるのが対人コミュニケーション能力です。
顧客先への訪問業務を行う事になってくるため、『コンサルティング業務=営業』と捉えることもできます。
社労士は、労務改善の専門家として、現場にいる従業員と経営者の間に立ってヒアリングを行い、その会社の課題を可視化し、その課題に適した解決策を提案する事が重要です。新しい仕組みや制度の技術や知識もさることながら、組織や人をよりよい方向へ導く力が必要となってきます。
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