【会計事務所からのSOS】確申時期に所長が倒れた!?
- 2020.05.26
- プロパートナーONLINE 編集部
確定申告の繁忙期にとても焦っている様子で、
「所長が倒れた。確定申告業務が止まってしまう。なんとか、資格者を紹介してもらえないか」
と、ある税理士事務所 所長のご子息からお問い合わせがありました。
すぐに、状況を伺いに行くと
・ご子息は資格勉強中で、資格者は所長のみ
・職員も表には出さないが、業務や今後について不安な様子
・職員、顧問先のためにも、どうしたらいいのか…
という内容でした。
結論からお話ししますと、
最終的にはM&Aでご事務所を存続させることができました。
ご家族には譲渡対価が支払われ、職員の雇用基盤は維持でき、
M&A後も職員が誰一人やめることなく業務を続けています。
もちろん、顧問先も離れずに引き継ぐことができました。
そこで今回は、【所長が倒れてしまい業務が続けられない場合】に
どのように対応すればよいのか見ていきたいと思います。
所長が倒れた場合(個人事務所で事務所内に資格者がいない場合)一般的には、次の選択肢があります。
①廃業
②税理士会への相談
③知り合いの先生への依頼
④M&A
それぞれポイントがあるので確認が必要です。
①廃業
資産等があれば清算を行い、創業者利益を得ることができます。一般的に、税理士事務所では、整理しづらい資産があるケースは少なく、
手続きとしては比較的スムーズにできると思います。
問題となるのは、顧問先や職員です。顧問先のフォローや職員をの雇用を守ることができない場合、
関係者に迷惑をかけてしまうため、最終手段とも言えます。
廃業をするとしても、顧問先や職員へのフォローをきっちりと行いながら進めることが重要です。
②税理士会へ相談
支部によって対応が異なるため、一概には言えませんがよく伺うお話としては、税理士会へ相談した場合、
新所長として派遣される資格者の紹介・斡旋
もしくは、顧問先、職員の引受先の紹介・斡旋を
税理士会主導の下に行われることになります。
通常は同じ支部内の資格者を紹介・斡旋されますが、
一つの事務所だけでは対応できない場合も多く、
顧問先や職員が別々の事務所に、バラバラにされてしまう可能性があるため注意が必要です。
③知り合いの先生への依頼
古くから交流があり、事務所の雰囲気や業務、状況もよく知っているという理由からもし、自分になにかあったときには、顧問先や職員の面倒を見てもらえるように
お願いしているという先生も多いかと思います。
ただし、いざ引き継ぐ際にトラブルになるケースが多いのがこのパターンです。
「信頼関係があるから大丈夫だろう…」と思っていてもいざ引継ぎになると、パワーバランスが崩れ、
実際に、トラブルになった後に、ご相談を頂くこともあります。
また、所長が話ができる状況であればまだ良いのですが、
ご家族がその先生とお話ししなくてはいけない状況になれば、
足元を見られ、こんなはずじゃなかった、となる恐れもあるため、
最低限、事前に条件を整理しておくことが求められます。
特に、口約束はトラブルの元です。
条件は多岐に渡りますので必ず、条件を書面でまとめておくことが重要です。
④M&A
通常のM&Aは、半年ほどかけて条件や相手を選び、進めていきますが急ぎで、1ヶ月で進めるケースもあります。
特に、このような期間が短い場合には、
そもそも候補先が見つかりそうか、急ぎでも対応が可能なのか、
条件はどのようになるのかを確認することが重要です。
もし、相手先が見つかれば譲渡対価を得られたり、
事務所環境の維持を行えることが多く有効な手段と言えます。
但し、通常のM&Aよりも引継ぎの難易度が高く、
手順を間違えないように注意しながら進めることがポイントです。
まとめ
所長が倒れた場合でも日々の業務は止まることなく対応することが求めれ、職員には不安が広がっていき、時間が経つにつれ、選択肢が狭まっていきます。
まずなによりも、早急に状況を整理し、事務所環境の維持に向けて対応することが重要です。
万が一の状況は、誰しもが初めてで分からないことも多く不安なご状況かと思います。
当協会では、このようなケースを含めて、数多くのM&Aをご支援してまいりました。
まずは、
・どのような選択肢が取れるのか
・どのように進めるのがベストなのか
など、無料相談窓口もございますので、ご活用ください。
ご家族の方が事務所について
よく分からないというケースも多いかと思います。
その場合も、一緒に情報整理をしながら進めさせて頂きますのでご安心くださいませ。
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※メール、お問い合わせフォームは24時間お問い合わせ可能です。
事前予約頂ければ土日での面談対応も可能ですのでご状況に合わせてご相談ください。
プロフィール
株式会社アックスコンサルティング 原 壮宏
士業事務所コンサルティング営業の経験を活かし、士業事務所専門のM&Aアドバイザリーとして、
所長先生の事業承継の提案・相談・仲介を行っている株式会社アックスコンサルティングの専門コンサルタント。
後継者不在等の事業承継の悩みからM&Aでの拡大戦略などの全国のM&A相談に対応しており、年間300件以上の事務所を訪問している。
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