【辻・本郷審理室が答えます!】第2回 決算後に役員給与を増額する場合は?
- 2020.05.26
- 株式会社 アックスコンサルティング
皆様が抱える税務のお悩み
この記事をお読みになっている先生方は、日々の税務の疑問をどのように解決していますか?「一見簡単そうな処理でも、調べているうちに気が付いたら一週間以上経っていた・・・」
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ぜひ先生方の日々の業務にお役立てくださいませ。
決算後に役員給与を増額する場合は?

【解説】
定期同額給与とは、その支給時期が1月以下の一定の期間ごとである給与で、
当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものをいい、
次に掲げるものを含みます。(法人税法34条1項1号、法人税法施行令69条1項1号)
①事業年度開始3月経過尾灯以内の通常の改定
②臨時事由による改定
③業績悪化改定事由による改定
[事業年度開始3月経過日等以内の通常の改定]
事業年度開始3月経過日等以内の通常の改定について、原則として、
事業年度開始の日から3カ月以内にされた定期給与の額の改定をいいます。
したがって、3カ月を超えた改定の場合には損金として算入することはできません。
ただし例外が定められており、
定期給与の額の改定(継続して毎年所定の時期にされるものに限る)が3月経過日等後にされることについて
特別の事情があると認められる場合には、 当該改定の時期に役員給与の改定を行うことが認められております。
(法人税法施行令69条1項1号イかっこ書)。
この「特別の事情があると認められる場合」とは、
例えば、法人の役員給与の額がその親会社の役員給与の額を参的して決定されるなどの常況にあるため、
当該親会の定時株主総会の終了後でなければ当該法人の役員の定期給与の額の改定に係る決議が、
できない等の事情により定期給与の額の改定が3月経過日等後にされる場合をいいます(法人税法基本通達9-2-12の2)。
したがって、大口の取引が発生したことによる業績好転を理由に役員給与の額を改定することは、
特別の事情があるとは認められないと考えられます。
[臨時改定事由による改定]
役員の職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情によりされた改定を指します。
ここでいう「やむを得ない事情」とは例えば、代表取締役の急逝断等により他の役員が代表取締役へ昇格する場合、
合併等により役員等の職務内容が大幅に変わる場合等が考えられます(法人税法基本通達9-2-12の3)
したがって、大口の取引が発生したことによる業績好転を理由に役員給与の額を改定することは、
やむを得ない事情には該当しないと考えられます。
[業績悪化改定事由による改定]
経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいいます(法人税法基本通達9-2-13)。
したがって、 業績が好転した場合等を理由に役員給与を増額することは法人税法上認められていないものと考えられます。
※出典)
辻・本郷ダイレクトアシスト ゼミナールvol.3
質問回答事例集 法人税・消費税・個人所得税・資産税
辻・本郷ダイレクトアシスト ゼミナールvol.3
質問回答事例集 法人税・消費税・個人所得税・資産税
最後に・・・
いかがでしたでしょうか。顧問先に対して、上記のようにきちんと根拠を説明しながら回答をするのは、
専門外の分野ですと時間も大幅にかかってしまいます。
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