2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

【ビッグファーム】社労士だからこそ人で勝負する/社会保険労務士法人ローム牧野 剛氏

【ビッグファーム】社労士だからこそ人で勝負する/社会保険労務士法人ローム 牧野 剛氏

独自の職員育成ノウハウを活かし、企業研修や経営再建など
社労士の枠を超えた幅広い経営サポートを行う社会保険労務士法人ローム。
事務所を拡大させてきた経営戦略や、
「日本一の社労士事務所を目指す」ための人材戦略について
代表の牧野 剛氏に聞きました。



 

1件も契約が取れない顧客ゼロからの発展

私が社会保険労務士の資格を取得したのは1989年、
地元・静岡県の生協に勤務していた26歳のときです。
当時は比較的時間があって、
労働組合で組合活動に従事していたこともあり、
社労士試験を受けてみようと考えました。
組合での実務経験があったため、
試験の内容は知っていることばかり。
3カ月弱ほど勉強して一発で合格することができました。
ただ、その頃の生協は合併が続いていて、
「社労士の資格を活かすなら横浜支社に勤務」といわれたのです。
私は転勤するのが嫌だったので、
1991年に、社労士として独立しました。

けれど、ノープランの開業で、仕事のやり方も分からない。
社労士の商品を説明できないから、1件も契約が取れない。
顧客ゼロの状態が1年間続きました。
『ヒューマンパワー研究所』という社名だったのも、
怪しげで良くなかったのかもしれません。
知人にはよくからかわれました(笑)。
そこで、2年目からは『社会保険労務士牧野事務所』に社名を変更。
社労士の友人に事務のコツを教わり、
一緒に飛び込み営業をして契約が取れるようになりました。
また、チラシやDMを使い、次第にお客様が増えていきました。


 

パート中心の体制から正社員メインに転換

お客様を増やせたのは、
比較的安価な値段設定にしていたことも理由です。
当時は、顧問料の月額は最低5,000円でした。
また、その料金でやっていくために、
パートさんを中心に採用していました。
もともと会社に勤めていて、結婚を機に家庭に入ったけれど、
また働きたいという需要があることを知っていましたし、
私は生協の出身だったので、
パートさんを求人で集める術を心得ていました。
といっても単純で、求人広告に
「週に1回ケーキの出るアットホームな職場です」と書くだけ。
それでとても優秀な人がたくさん来てくれたんですね。
おかげで、5〜6年で10人ほどのスタッフを抱える事務所に成長できました。

2007年には、社会保険労務士法人ロームを設立するのですが、
そこから業績があまり伸びませんでした。
パートさんを中心に低コストで回していく
ビジネスモデルが崩れてしまったからです。

まず、人が集まらなくなった。
育休制度の普及によって、女性が結婚や出産で
会社を辞めないですむようになったのです。
同時に、パートさんのなかから、
「正社員として働きたい」というニーズも出てきました。
これまでは子どもが小さかったから短時間勤務でもよかったけれど、
子育てがひと段落して「もっと長時間働きたい」というわけです。
さらに、もともと優秀な人たちなので、
社労士の資格を取ると、うちを辞めてほかの企業へ行ってしまう。
もっと条件の良いところに移るのは当たり前の話ですよね。

それで、パート中心ではなく、正社員中心の体制に移行していったのです。
当然、人件費は高くなるので、
利益が出るように全体的な価格設定も見直しました。
さらに、労働条件の良い会社でないと人が集まらないので、
問題点を洗い出したうえで、会社を変えていこうと決意したんです。
スタッフには、「日本一の社労士事務所をつくりましょう!」
と宣言しました。といっても、何の根拠もありませんでしたけど(笑)。
当然、私ひとりの力では無理ですから、
「日本一になる」という夢に賛同してくれる仲間を集めて、
支店を増やす戦略をとりました。
私たちに共感してくれる社労士事務所に、
ロームの支店になってもらうのです。

そこからは急速に伸びていきました。
私の持っていない能力や知識、ノウハウが加わったことで、
社労士事務所としてのレベルが格段に上がっていったのです。

社会保険労士ローム 代表 牧野 剛氏
社会保険労務士法人ローム 代表 牧野剛氏


 

人材育成のノウハウを自社で実践して普及

現在、社会保険労務士法人ロームは、
社労士の枠を超えて企業研修やチームマネジメントの導入支援、
経営再建なども請け負っています。
私自身も、さまざまな企業の人材教育に携わっていくなかで、
人を育成するノウハウを身につけました。
例えば、社員がチームに分かれて、
一つのテーマに対して何ができるかを付箋に書き出し、
その内容に対して、計画、実行、評価、改善を繰り返す「ぐるぐるフセン会議」。
これは生産性アップのための仕組みの一つで、書籍も出版しています。

私の信念として、「人と組織を活性化するノウハウを学び、実践し、普及する」
というのがあります。
ノウハウを学んだら、それを自分の会社で実践し、
うまくいったら普及させるというプロセスを踏むのです。
だから、本当に効果のあるものしか表には出さない。
今、社内の勉強会で「褒め褒めタイム」というものを実践していますが、
これは毎日、自分で自分を「今日はこれができた」
と褒めさせることによって主体性や営業力を伸ばすメソッドで、
実際に効果も実感しています。

こういった取り組みができることがうちの強みであり、特徴です。
つまり、「人を変えられる社労士事務所」なんです。
もちろん変えるからには良い方向に変えたいし、
最終的には〝おせっかいな人〞になってほしいのです。
お客様が困っていると感じたら、すぐに
「何か困っていることはありますか?」と聞き、
「じゃあ、こうしましょう」と提案できる人に
育って欲しいと考えています。

社会保険労士 牧野剛
「お客様が困っていたら、すぐに手を差し出せる〝おせっかいな人〟を育てる」と牧野剛氏


 

〝人〞で勝負しながら地位向上も目指す

社労士事務所だからこそ、
「人で勝負していく」というスタンスを大事にしたい。
優秀な人がいれば、新しい商品もできるし、
マーケティングもできますから。
もちろん、「日本一の社労士事務所をつくる」
という思いは変わりません。
まずは100店舗を目指したいのですが、特に具体的な戦略はないんです。
「中小企業のお役に立つ」という基本的な指針と、
人と人とのつながりを大切にして、泥臭くやっていきます。

そして、同時に社労士の地位向上も目指していきたい。
AIが普及して事務作業が合理化されていくと、
単純な仕事はなくなっていきます。
社労士も例外ではなく、コンサルティングができたり、
人材育成ができたりする社労士が求められるようになっていきますし、
それこそが社労士の地位向上につながっていくはずです。

また、少子高齢化や人手不足への対策などで、
これからは頻繁に法改正が行われると予想されます。
そのなかで、法改正の知識だけではなく、
そこから具体的な対策を提案できることが重要になってきます。
法改正はわかったけれど、「…で、どうするの?」が
提案できない社労士が多いと感じています。
これからは「どうするの?」を考えてくれる
社労士が生き残っていくと思います。

 
プロフィール
牧野 剛氏
社会保険労務士法人ローム 代表
生協に勤務していた1989年に社会保険労務士資格を取得し、1991年に独立。7拠点、70名超の規模に成長させる。
https://roum.info/