組織のパフォーマンスを高める人事評価制度設計のコツ
- 2022.12.01
- プロパートナーONLINE 編集部
テレワークやフレックスタイムといった多様な働き方に対応し、
優秀な社員が自社でパフォーマンスを発揮するためには、
社員を正当に評価する仕組みが必要となります。
これらの評価制度の見直しを必要とする企業は、年々増えてきています。
それに伴い、『人事評価コンサルティング』の需要は、年々高まってきています。
そこで、評価制度構築のポイントと事務所の
新ビジネスとして確立するために必要な情報・ツールを
『士業事務所の人事評価コンサルティングパッケージ』としてまとめて発売!
この記事では、人事評価の基礎と案件化するためのコツを
株式会社アックスコンサルティングの横山祐作氏が解説します。
人事評価コンサルティングパッケージの詳細はこちら
人事評価制度作成の第一歩は、組織の未来を描くこと
人事評価制度や等級制度、給与制度を設計するうえでポイントとなるのは、会社のビジョンや方向性を明確にすることです。
弊社で行っている人事評価制度のサポートで、
一般企業や士業事務所の給与・評価制度設計を行う際も、
いきなり等級制度や報酬テーブルからつくることはありません。
制度をつくり始める前に、会社のビジョンを踏まえて、
どのような人材が必要で、どのような役割を任せればいいのかを、
具体的にすることが大切です。
3年後、5年後の事務所や職員の姿をイメージし、
人物像やキャリアパスを「棚卸し」することが、
評価制度作成の第一歩です。
ビジョンに基づく人材の定義が明確であれば、
報酬・評価制度の構築をスムーズに行うことができます。
次に、報酬制度と評価制度設計のポイントについて解説していきます。
まず報酬制度は、従業員がどのような成長や貢献を遂げたときに、
どのくらい給与額に反映させるか、というルールを指します。
このルールに職階と金額を当てはめていくと、
制度設計が容易に構築できます。
また、これらに共通する注意点としては、
透明性を保てる評価づくりを意識することです。
「会社の人事評価制度が見えづらい」という従業員からの不満を解消できるように、
職員の意見を聞き、適宜反映させていきましょう。
人事評価制度の導入から運用までの期間は、
既存の制度をリニューアルするか、
部分的に変更するだけというケースでは、3〜6カ月が目安です。
これまで人事評価制度を構築したことがない場合や、
市販のテンプレートなどをそのまま運用していて、
制度と経営実態が合っていないような場合は、
少なくとも1年間はかかると思っておくといいでしょう。
経営者だけで決めるのではなく、管理職層、人事、
現場の従業員からも細かく現状の課題などをヒアリングし、
制度構築を進めていくことが重要です。
なぜ、時間をかけてまで作成する必要があるのかというと、
組織の成長は長期スパンで取り組むことで効果が出るためです。
企業が成長し、人員も増えたときに、きちんとした評価制度がなければ、
従業員の不満が募り、優秀な人材が定着しないことも起こり得ます。
人数が少ないうちから、今後の組織経営や成長を考慮したうえでの
人事評価制度をつくることがポイントなのです。
人事評価制度の導入&運用に向けた3ステップ
STEP1
1年目 組織の方向性に合った制度の構築
- 現状の評価制度の課題を洗い出す
- 組織のビジョンに基づいて、人材やキャリアの定義を明確にする
- 明確にした組織や人材の定義を制度に落とし込む
STEP2
2年目 人事評価制度の運用とブラッシュアップ
- 制度の見直しを適宜行い、改善点があれば反映する
- 管理職も評価制度の仕組みを理解して、組織全体に浸透させる
- 評価ツールやクラウドシステムの活用も視野に入れる
STEP3
3年目 従業員のマネジメントに活用する
- 評価制度を社員のモチベーションを高めるきっかけとして活用する
- 経営者や管理職が従業員の評価を把握しながらマネジメントを行う
- キャリアアップや成果につながるようにフォローする
等級、報酬、評価の順で制度を設計する
具体的な人事評価制度の設計の流れは、等級、報酬、評価の順に行っていきます。
等級制度を設計するにあたり、まずは組織の現状分析を行います。
人事評価制度の課題を洗い出して、
どの課題を解決するために制度を見直しするのか、明確にします。
次に、組織図の作成を行います。
数年後の事務所がどのような姿になっているのか、
組織図をつくって可視化していきます。
作成する際には、ビジョンを実現するために必要な職務、
役割といった部分までイメージして反映させていきましょう。
組織図が仕上がったら、どのポジションにどのくらい人材を
配置すればいいのかが見える化されます。
また、この組織図を基に、従業員一人ひとりがどのように
成長していってもらいたいかを明記した、
キャリアパス設計やコース設計を行います。
これは、入社後の従業員がどのようなキャリアを
歩んでいけば良いのかを具現化したものです。
キャリア設計によって洗い出された従業員の姿を、
等級・グレード別に定義していけば、等級制度の完成となります。
そして、報酬設計は、等級制度で決めた職階ごとに、
報酬額や給与を決めていきます。
等級制度を決めたときと同様に、今までの報酬における課題を抽出し、
給与シミュレーションを行うと良いでしょう。
課題を踏まえて改善した給与テーブルの作成や、
賞与についてのルール決めも、この段階で行います。
このように定めた等級・報酬制度に基づいて、評価を作成していきます。
等級に応じて、任せられている職務をどのくらい達成したら、
どのような評価がつくのかを明確にしましょう。
また、達成度をどのタイミングで評価して、
誰が評価するのかも確定させます。
ここまでが、等級から評価制度の設計までの一連の流れです。
制度の浸透と定着のため振り返りは必須
制度づくりに限らず、運用についても時間をかけて取り組む必要があります。制度が構築でき、運用を始めて2年目あたりから
見直すと良いのではないでしょうか。
2年ほど運用をしてみると、
評価制度が組織の方向性に合っているものだったのか、
実情を把握できているのかなど、
従業員の反応も含めて感じ取ることができていると思います。
気づいた点は改善を行い、3年目からの人事評価制度に反映させましょう。
こうすることで、より組織に適した制度になり、
効果的な運用につながっていきます。
このような定期的な見直しは、数年単位で行っていく必要があります。
見直しを重ねることで評価制度の形ができていき、
円滑な運用ができるようになれば、
顧問先企業に対して同様の支援を行うことも可能になります。
自社だけでなく、顧問先にも提供するサービスとして確立できれば、
事務所の新しい収益の柱となることも期待できます。
早い段階から着手して、事務所の強みとしていきましょう。
人事評価コンサルティングを案件化するために必要な
人事評価制度の基本とツールをパッケージ化!
人事評価制度を案件化するために必要な、・等級制度
・評価制度
・給与制度
について分かりやすく解説。
加えて、人事評価制度構築後の運用方法についても紹介。
さらに、コンサルの際に必要なツールもまとめています。
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プロフィール
横山祐作氏
株式会社アックスコンサルティング コンサルタント
会計事務所を中心に人事制度や採用といった社内制度の構築から、
マーケティング・営業まで幅広くサポート。
サポートした士業事務所は300件を超え、職員が辞めない事務所のつくり方を伝授。
会計事務所を中心に人事制度や採用といった社内制度の構築から、
マーケティング・営業まで幅広くサポート。
サポートした士業事務所は300件を超え、職員が辞めない事務所のつくり方を伝授。
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