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社労士新時代を生き抜く!「五味田流」事務所経営の秘訣【第4回】

社労士新時代を生き抜く!「五味田流」事務所経営の秘訣【第4回】

開業4年で顧問先300社以上、売上2億円超を達成した
キャンバス社会保険労務士法人の創業者兼顧問・五味田匡功氏。
全4回にわたって紹介する、「“五味田流”事務所経営の秘訣」の最終回は、
社労士事務所における内部体制の構築について解説します。



 

社労士事務所における内部体制構築の考え方

社労士事務所の内部体制構築において取り組むべきことは、大きく以下の3つです。
  1. 人件費を意識した業務管理
  2. 採用フローの見直し
  3. 職員育成の仕組みづくり

社労士事務所の内部体制を構築するうえでは、
「所長以外の人物に、経営に必要な仕事を任せていく」
ということが基本的な考え方となります。
そのためには、事務所の仕事のうち、経営者自身にしかできない仕事、
他の職員でもやれる仕事の区別をしっかり行い、
経営者でなくてもできることは職員に任せていくことが必要です。

最初からすべてを任せることができなくても、
兼務という形から少しずつ仕事をスライドさせていき、
最終的には、経営に必要な機能をすべて職員に任せていきましょう。
職員に業務を任せていくうえで、
誰が対応しても同じ水準になるような業務の標準化が必要となります。
さらに、業務を任せる職員に関しても、優秀な人材を採用し、
すぐに離職されないように育成し定着させることが、
事務所経営の基盤を作っていくことになります。

 

1 人件費を意識した業務管理

社労士の仕事は大きく二つに分けられます。
一つは「答えのある仕事」、もう一つは「答えのない仕事」です。
答えのある仕事は、給与計算、手続き、協定の作成・提出といった
「このようにするのが正解」ということが決まっている業務です。
一方で、答えのない仕事は、顧客満足を充足するための業務です。



例えば、お客様から「給与計算結果を改良した資料を作成してほしい」
と依頼されて対応するとします。
これは「答えのない仕事」にあたるため、顧客満足度向上のために、
原価を増やしてサービスを提供するということになります。
これに対してお客様が喜ぶのは当然で、
そこに「人件費がかかっている」という意識が必要です。

 

業務管理のポイント

人件費をしっかりと意識するためには、業務管理をしっかりと行う必要があります。
業務管理を進めていくと、「単価と工数のばらつき」
「業務過多」といった問題点が浮かび上がってきます。

(1)単価と工数のばらつき
例えば「単価が高く、工数があまりかからない顧客」
「安い単価の割に工数がかかる顧客」など、
単価と工数にばらつきが出てくることが考えられます。
職員一人当たりの生産性を確認するために、
こうした有利な顧客、不利な顧客がいることを確認し、
待遇に不平等がないようにしなければなりません。
創業期から落ち着くまでのタイミングは顧客を選ぶことがあまりできず、
単価がばらついたり、本来は顧客が行うべき仕事を抱えていたりすることがよくあります。
その線引きを明確にすることが重要です。

(2)業務過多
職員全員が仕事をパンパンに抱えた状態で、
社内に「ムダ、ムリ、ムラ」が蔓延していては、
業務過多を解消することが難しくなってきます。
可能であれば、業務過多の際のヘルプに入れる人材を確保しましょう。
その体制が作れるか作れないかが事務所の成長に大きく起因します。

このように、職員が増えてくると、社労士事務所の生産性は一気に下がります。
それは、所長の管理が行き届かなくなるからです。
また、部下が業務を教えることになり、教育の質も下がります。
多くの社労士事務所で、職員が5名ほどになったあたりの段階で成長が一度止まるのは、
上記の課題が乗り越えられないからです。所長が職員のフォローに回り、
営業や高単価の仕事に集中できなくなるのです。
これを回避するためには、全員が共通認識を持てるように社内マニュアルの作成が必要です。


 

採用の課題と解決方法

2 採用フローの見直し

上記の業務を任せていくうえでも、優秀な人材を採用することはとても重要なポイントです。
しかし、いざ採用活動を行ったとしても、
経験があり、高い能力を持っている人材はなかなか応募してこないものです。
優秀な人材は、すでに独立していたり、スカウトされていたりするからです。
となると、ターゲットとするべきは
・経験者で能力が中程度の人
・未経験者で能力が高い人

の2パターンしかありません。

経験者は実務的な教育が不要な代わりに、
前職でのやり方が身についているため融通がきかないケースがあります。
一方、未経験者の場合は、覚えることが多いため本人が想定しているよりも、
社内の教育以外に自主的な勉強をしてもらうことが必要になります。

そのため、採用活動を始める前に、人材ビジョンと組織図を作成しましょう。
人材ビジョンとは、
・組織をどのような方向で運営したいのか
・どのような人材を求めているのか
・自社でどのようなキャリアを積むことができるのか

などを記載するものです。

社労士事務所の最大の経費は「人件費」です。
良いサービスを提供するには、良い人材を採用、育成・定着させる必要があります。
事務所が提供している商品・サービスに対して、
どんな人材が望ましいのかを定義付けします。
この定義付けをしていないと、人材を活用することが難しくなってきます。

次に、組織図を作成します。
組織図作成の際のポイントは次の通りです。
・同じ人物が兼務している場合は、兼務であることを明確にする
・不足人員、将来雇用する予定の人員は記載しておく

組織図を作成する際に重要なのは、
未来の組織を形成していくうえでの具体的な指標になるということを意識することです。

 

選考フローと募集方法の検討

組織図ができたら、次は選考フローを構築していきます。
選考フローは事務所によって異なりますが、多くは以下の順番で実施されます。
 

(1)書類選考

履歴書、職務経歴書から次の段階に進める人材をピックアップします。
応募が多い場合はピックアップの要件をあらかじめ決めておいて、
ある程度機械的に実施する方が効率よくなります。


(2)技術テスト

専門性は後でも身につきますが、ITリテラシーが低いと、育成するには時間がかかります。
最低限、エクセルの操作、タイピングの速さは確認することをフローに組み込みましょう。


(3)知識・基礎・性格能力テスト

社労士業務は覚えることが多く、社会変化が激しいので、
理解力や記憶力を確認する必要があります。
これには、エンゲージやキュービックといった本人の実力を把握する
Webの適性検査ツールを比較的安価に利用することができます。


(4)面談

(2)(3)で能力面に問題がないことを把握したうえで、
自社で活躍する人材かどうかを面談で確認します。
良い人材は他社からも内定をもらう可能性が高いので、
こちらの魅力をしっかりと伝える必要があります。

選考フローが決まったら、いよいよ募集を出す段階に入ります。
ここでは一般的な募集方法を紹介していきます。
 
  • 求人広告
現在は、リクナビNEXTやエン・ジャパンなどウェブ求人が主流となっています。
こうした求人広告は応募が多く、採用の可能性も高くなりますが、
掲載している期間に応募が集中するため、応募管理と面接実施の工数がかかります。
また、タイミングを逃すと一気に応募がなくなるというデメリットもあります。
短期集中の計画・実施が必要です。
 
  • 人材紹介
人材紹介会社が選別した人材をピンポイントで紹介してくれるサービスです。
面接実施の工数も大幅に削減されますが、コストがかかります。
一般的には想定年収の30%かかると言われています。
ある程度コストを支払っても採用したいという職種であれば、有効な募集方法と言えます。
 
  • ハローワーク
ハローワークは無料で求人を出せるというメリットがあります。
ただし、応募者数や入社時期が読めないため、緊急性の高い募集には不向きです。
また、有料媒体と比べて、優秀な人が少ないという傾向もあります。
 
  • その他
社労士ならではの採用方法として、
「資格予備校に求人を出す」「資格予備校の講師に声をかけておく」
というものがあります。
特に社労士試験合格時は求職者が増えるので、
そのタイミングがチャンスと言えます。
資格を取ったばかりで未経験ではあるものの比較的優秀な人材を確保できるでしょう。


以上がそれぞれの求人方法の特徴です。
採用したいのはどんな人物像なのか、早く採用したいのか、
時間をかけて良い人を探したいのかなど、自社に合ったやり方を選びましょう。
また、求人を出す際には、自社がどのような事業展開をしていて
どのような人材を求めているのかを打ち出して、
それに連動した条件を記載するようにしてください。

 

求職者に必ず〇〇を伝える

せっかく採用をしても、「思っていた仕事と違っていた」と退職されてしまうと、
採用や教育にかけた手間や時間が無駄になってしまいます。
社労士業務は一般に考えられている以上に専門性が高く、覚えることも多く、
事務スキルのほかにコミュニケーションスキルも求められます。
未経験者の場合、入社後にその業務の多さに驚いてしまうことがあるので、
「入社後、一定以上の水準に至るまでは、自己研鑽として勉強をしてもらわないと通用しない」
ということをしっかりと伝えます。
事前にこれを伝えておくことでミスマッチを未然に防ぐことができます。

また、入社前のテストや面談を実施して、求職者のスキルが足りていなかった場合も、
「本来求める能力が不足している」と求職者に伝えてください。
そして、入社後に不足している能力を補う勉強を
次のどのパターンで実施していくかを話し合って決めておきましょう。

・業務をしながら実施するのか(OJT)
・業務時間外に実施するのか(OFF-JT)
・自らの勉強で乗り越えるのか(自己啓発)



 

職員育成と定着のために必要なこと

3 職員育成の仕組みをつくる

職員育成と定着のための最大のポイントは、
「教育担当が教育に専念できる状況を作る」ということです。
事務所でプレイヤーとして活躍していて、
マネジメントもしている人材に教育の取りまとめを任せることがありますが、
そういった人材は優秀で自分の業務が忙しいため教育のクオリティが下がります。
そのため、教育の時間をしっかりと確保して優先順位を下げさせないようにするか、

外部業者に依頼して育成してもらうかのどちらかを考えなくてはなりません。
職員育成を行っていくにあたり、
教える人と教わる人によって差異が生じてしまうことのないよう、
マニュアルを作成する必要があります。
マニュアルの作り方としては、最初から完璧なものを目指すのではなく、
少しずつで構わないのでマニュアルを加筆していくことで、
マニュアルも日々進化しバージョンアップしていきます。
まずは、どんなことでも気づいたことはメモ書きでも構わないので、
必ずマニュアルに残しておくことが大切です。
また、マニュアルは作成して終わりではなく、
メンテナンスや運用をして初めて価値の出るものなので、
そこを踏まえた運用をすることをおすすめします。

しかし、仕事に対する心構えや、顧客対応へのスタンスなどの、
抽象的なことは、マニュアル化することが難しいものです。
このため、バリューと呼ばれる価値観を定義したものを作成し、
価値観教育を行います。

また、現在働いている社員の定着を図るためには、
自社でキャリアを積んでいけるための道筋を示すことが重要です。
そのためには、キャリアステップの設計を実施し、等級表を設計する必要があります。

実施の手順は以下の通りです。
ステップ1:キャリア体系の作成
→キャリアの分類、階層数、粒度、内容の決定
ステップ2:キャリアの基準の策定
→キャリアにいくつかの段階を持たせる
ステップ3:評価との連動
→キャリアを評価制度と連動させる

 

モチベーション持続のために

普段からの業務におけるマネジメントや教育も大事なのですが、
モチベーション持続のために個人面談「1on1」を行うことも必要です。
1on1とは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間で、
部下の成長を支援することです。
部下の話をしっかりと聞き、状況や問題、
考えているキャリアを把握し、適切な方向へと導きます。
面談後、部下が前向きな気持ちになったり、納得感を持ったり、
次へのチャレンジへ行動していこうという気持ちにさせることが重要です。

そしてもちろん、モチベーションを持続させるためには評価と報酬も大事なポイントです。
評価と報酬の設定を行う際は、まずは役割分担を明確にし、職責を設定します。
職責が設定できれば、次に職責ごとの業務範囲と業務内容、そして報酬額を決定します。
ここで職責ごとに役職を付けて、人事評価、面談によってどの職階になるかを設定します。
そのうえで、明確な賃金が試算して報酬額を決定していきましょう。

「“五味田流”事務所経営の秘訣」の最終回は、
社労士事務所における内部体制の構築についてお伝えしました。
安定した強い事務所をつくるには、しっかりとした内部体制を構築し、
優秀な人材を採用・育成・定着させることが欠かせません。
そのために、今、何をすべきなのか、しっかりと考え続けることが大切です。
ビジネスの基本は意外とシンプルで、
「出したお金以上にお金が入ってくる決断を、どれぐらい精度高くできるか」がポイント。
計画を実行し、そこから得られた学びを次の目標設定や実施策の改善につなげていくことが重要です。


 

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プロフィール
五味田 匡功氏
キャンバス社会保険労務士法人・創業者兼顧問
税理士事務所勤務時代に社労士事務所を立ち上げ、人事労務設計の改善サポートに取り組む。
開業4年で顧問先300社以上、売上2億円超達成。
近年では企業の人を軸とした経営改善や働き方改革に取り組んでいる。
https://www.canvas-sr.jp/
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