2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

銀行からの紹介を年間30件以上獲得する税理士が解説!金融機関と連携するコツとは?

銀行提携20年の経験値!継続的に紹介をもらうためにすべきこと

士業が案件を獲得するために、紹介チャネルの開拓は有効です。
特に、多数の企業とつながりを持つ銀行と良好な関係を構築することができれば、
コンスタントな案件獲得が期待できます。
そこで、銀行と提携することで紹介獲得に成功している士業2名が、その方法やコツを解説!


1回目は、福岡県を拠点に顧問先の経営支援や事業承継のサポートを行なっている、
アップスマイル税理士法人の代表・本 聡氏に直撃取材。
銀行側のニーズの引き出し方、長期にわたり関係を続けるコミュニケーションのコツなどに迫ります。

※「辻」の字の正しくはしんにょうの点が一つです

〔事務所概要〕
アップスマイル税理士法人
●創業/2017年
●従業員数/19名
●所在地/福岡県福岡市中央区天神1–2–4 農業共済ビル2F


 

中小企業の経営改善支援をきっかけに、銀行との連携を開始

■銀行と協働して企業再生に携わり、関係構築

はじめて銀行と一緒に仕事をしたのは、約20年前。
独立前に修行していた事務所で、銀行の担当者と共に
中小企業の経営改善に取り組んだことがきっかけでした。
当時は、バブル崩壊後で、多くの企業が経営難に陥った時期。
国が金融機関に、中小企業の財務改善に向けたサポートをするよう働きかけていました。
そこで銀行が、地域の会計事務所と連携した支援を進めていたのです。

その後、共同経営をしていた事務所でも、地域企業の再生案件に携わりました。
その企業は、地元の大きな企業で取引行も多く、7行ほどと取引されていました。
私は、企業と銀行の間に入るコンサルタント的な立場で、銀行からの要請に答えたり、
情報共有の打ち合わせ重ねることで、金融機関の大切にしている考え方、
やりとりのポイントを把握できました。

2017年に独立開業したあとも、銀行とのつながりは大事にしています。
当社は、経営支援・事業承継に特化しており、
銀行から紹介をもらう案件も、このテーマが中心です。
時期によって異なりますが、多いときは月に3件ほど、銀行から紹介をもらっています。


 

銀行提携を円滑に進めるためにすべきこと

〔辻本流! 銀行から紹介を獲得する3STEP〕

●STEP1:つながりをつくる
経営者からの紹介で銀行のつながりをつくる

●STEP2:提案
名刺やチラシを使って事務所の強みをアピール

●STEP3:関係構築
情報提供・収集を継続して信頼関係を築く

 

●STEP1:つながりをつくる
経営者からの紹介で銀行のつながりをつくる


銀行とつながるきっかけになっているのは、顧問先や、交流会で知り合った経営者からの紹介です。
顧問先以外の経営者とも接点を持つため、現在5つほどの経営塾に参加。
同世代の経営者が集まる会、事業承継を考える世代が集まる会など、
それぞれ違う特徴のコミュニティです。

参加している人たちは、「会社の経営を良くしたい」と思っている方が多数。
飲み会メインではなく、きちんとビジネスにつながる経営談義ができる場です。
また、話題の中心が経営についてなので、取引にしている銀行についてもヒアリングしやすいのです。
「お付き合いしている銀行さんはどうですか?」と質問して、
経営者の方がどの銀行と懇意にしているのかを把握。
そして、「私のお客様から融資関係で銀行紹介の相談を受けることがあるので、
よかったらその銀行の方を紹介していただけませんか」などと伝えています。
銀行側にとっても、取引先からの話ですし、
会計事務所から企業を紹介してもらうことはメリットがあるので、
アポイントが取れる可能性が高まります。


■銀行とつながるための3つのポイント
  • 経営者のコミュニティに参加する
  • コミュニティ参加者に取引銀行についてヒアリング
  • 銀行側のメリットも提示し、経営者に紹介を希望している意思表示をする
 

●STEP2:提案
名刺やチラシを使って事務所の強みをアピール

銀行の担当者と会う際に重要なのは、事務所の強みを相手に理解してもらうこと。
当社であれば、企業の経営改善や事業承継です。
担当者に、士業事務所とつながる利点は何かを理解してもらわなければ、
案件を紹介してもらうことはできません。

漠然と「紹介してください」と伝えても、どんな業種・規模の会社なのか、
どんな課題を抱えている会社なのかがわからず、紹介先を選びにくくなってしまいます。
そのため、事務所がどんなお客様を求めているのかを、
どんな強みがあるのか?どんな顧客に貢献できるのか?を
最初に知ってもらうことを意識しています。

そこで活用しているのが、名刺と事務所案内のパワーポイントです。
名刺には、事務所のミッションのほか、財務コンサルティング、事業承継、
M&A支援などの得意としている業務を記載。
最初の挨拶で使うものですので、名刺に何を載せるのかにはこだわっています。
法人名のみを記載したり、保有している資格を列挙したりするだけでは覚えてもらいにくいので、
「私/事務所は何ができるのか」を名刺に入れることが重要です。

現在使っている名刺は、法人化に合わせて1カ月前にリニューアルしたもの。
事務所の方針がひと目でわかるようにしたいと思い、作成しました。
ミッションは、今回のリニューアルではじめて入れてみたので、
お渡しした方の反応や効果については、これから検証していきたいと思います。


事務所案内のパワーポイントについても同様に、事務所の特徴・強みが伝わるようなものを作成。
近年、オンライン面談も増えているので、画面共有で見ていただいたり、
データを送ったりすることも増えていますが、紙で印刷したものも常に持ち歩くようにしています。
また、銀行は信用を重視される方が多いので、事務所の実績を載せることもポイントです。
私は、書籍でのマーケティングも行っているので、
それもパワーポイントに追加してアピールポイントにしています。

当社のように、まだ事務所の歴史が浅いのであれば、専門分野を強みとして打ち出すのが効果的。
口頭で説明しなくてもパッと見てわかるような資料づくりは常に心がけているので、
今後もいいアイデアがあれば、定期的に見直していきたいと思っています。


▲事務所の概要をまとめた紹介のパワーポイントを作成。外出時には、印刷していつでも渡せるように準備している。

また、紹介を受けた企業に対して、具体的にどんなサービスを
提供できるのかを伝えることもポイント。
近年、コロナ禍の影響で融資を受けたものの、
返済状況が危うい経営者の方が多く見受けられました。
銀行側も、自分の担当先の返済計画について不安を感じているケースが増えています。
そのため当社では、企業の先行きを図る『資金予測サービス』を用意。
毎月の資金状況を可視化することで、経営が維持できるラインがわかるサービスです。
このサービスのチラシも合わせて渡すことで、
当社のサポートをイメージしてもらいやすくなります。


■銀行員に提案する際の3つのポイント
  • 名刺や事務所案内で強みを打ち出す
  • これまでの実績や書籍出版を掲載し、信頼感UP
  • 紹介後に提供できるサービスのチラシを作成


●STEP3:関係構築
情報提供・収集を継続して信頼関係を築く

紹介をもらえるようになったら、長く関係を築く工夫が必要です。
まずは、名刺交換した人にメルマガを配信したり、
書籍を渡したりして、定期的に情報提供を行います。
ある程度親しくなってきたら、FacebookやLINEでつながり、
気軽に連絡できるようにしておくことも効果的です。
先方も私自身も、アポイントで外出していることが多いので、
電話やメールよりも、即対応できるチャネルでつながっておくことが重要です。
また、名刺交換をした担当者には、アックスコンサルティングの
メルマガ配信システム『MiG-p(ミグプレミアム)』を使用し、メルマガを送っています。
定期的な情報提供をすることで、関係づくりがしやすくなります。

そして、銀行の求めるものは何かを知り、こちらから企業紹介や情報提供することもポイント。
銀行本部の方であれば、中小企業の経営改善に向けて、
コンサルの立場からアドバイスができる役割を求めているかもしれない。
支店の方であれば、営業目標があるので、融資や資産運用ニーズがある企業を知りたいかもしれない。
同じ銀行員であっても、求めている顧客像は十人十色です。
銀行員の方にはじめて会うときにも、親しくなって情報交換をするときにも、
相手が求めているものを理解する質問を心がけています。
例えば、「支店の営業エリアはどこですか」
「どのような財務状況の企業のサポートをしていますか」
「対応できない企業はありますか」などで、
具体的な企業のニーズを把握しています。
そうすれば、ニーズに合う企業を紹介でき、銀行員の方に喜んでもらえて、
当社に案件を紹介してもらうことにもつながるのです。

ちなみに当社では、銀行からカードや投資信託などの提案を受けることがあっても、
お断りするようにしています。
複数の銀行とお付き合いを続けていくために、
特定の銀行だけと懇意にならないようにするためです。
ただ、銀行の商品を把握するメリットはあります。
銀行から紹介されたお客様に、「この商品についてどう思う?」と聞かれることもあるので、
提案書やチラシを受け取ったら目を通しておいて、
銀行が今プッシュしている商品を理解しています。
こうして、お互いにメリットのある情報提供を続けていくことが、
銀行との関係を長く続けていく秘訣だと思います。


■長く関係を続ける3つのポイント
  • メルマガや書籍を通して定期的な情報提供を行う
  • FacebookやLINEなど気軽に連絡できる手段でもつながっておく
  • 銀行のニーズや商品情報を把握し、こちらからも経営者を紹介する

〔まとめ〕銀行提携を成功させるためにすべきこと
  • 経営者に取引銀行を聞き、銀行側のメリットを伝えたうえで紹介を依頼
  • "信頼感"が重要!書籍出版やこれまでの案件の実績をアピールする
  • 銀行の求める情報提供のほか、こちらからも企業を紹介する
プロフィール
辻本 聡氏
アップスマイル税理士法人 代表
2008年に税理士登録、福岡県内の税理士事務所勤務後、2017年に辻本聡税理士事務所開業。
同年にトリプルスマイル株式会社設立。
地域金融機関と連携した事業や、企業の財務改善、事業承継に注力。
金融機関向けセミナーの研修講師も務める。
https://www.upsmile-tax.jp/
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