2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

ケアマネ社労士が解説!介護業界の労務課題と社労士にできること



高齢化が進み、社会的な重要度が増す一方、
人材不足や労働環境改善の必要性が叫ばれる介護業界。
「人」の問題を抱えているからこそ、社会保険労務士の出番です。
そこで、地域包括支援センター所長と社会保険労務士という二足の草鞋を履く、
おかげさま社労士事務所の山本武尊氏を直撃!
二足の草鞋を履くからこそ見える介護業界の課題、
社労士に求められるサポートについて聞きました。


 

ヤングケアラーの経験から、介護の道へ
利用者への恩返しで、社労士との二足の草鞋を開始

私は高校生の頃、同居している祖父母の介護をしていました。
今でいう、「ヤングケアラー」です。
両親が会社を経営していたため、
私が祖母の身の回りの世話や、行政への問い合わせなどをしていたのです。
この経験から、介護・福祉を学びたいと思い、大学では福祉学を専攻しました。
ただ、卒業後に就職したのは、教育関係の会社。
介護・福祉の仕事への思いは強かったものの、給与水準が低かったため、
将来に不安を感じてしまったのです。
けれど結局は、「やっぱり介護・福祉の仕事がしたい」と転職。
介護業界のマネジメントに興味があったこと、また社会福祉士の資格も持っていたので、
医療機関でソーシャルワーカーとして働くことになりました。
その後、所属する医療法人が立ち上げた地域包括支援センターで勤務することになり、
本格的に介護業界に足を踏み入れ、15年が経ちます。

社労士試験に合格したのは、2020年。
実務経験がなかったため、事務指定講習を受けて、2021年8月に開業しました。
現在は、地域包括支援センターの所長と社労士という二足の草鞋を履いています。
社労士の資格を取ったのは、「もっと、ご利用者様の役に立ちたい」と思ったからです。

自分が介護業界に携わったことで、介護事業所が抱える課題が実感できました。
それは、人手不足や働く環境など、おもに人に関わるものです。
そして、最終的にその影響を受けることになるのは、ご利用者様です。
ですから、社労士として介護事業所のサポートができれば、ご利用者様の役に立ちますし、
社会的意義が大きいと考えたのです。




おかげさま社労士事務所
代表 山本武尊氏

やまもとたける/大学(福祉学)卒業後、大手教育会社を経て、介護業界へ転身。
介護業界に関わる人の優しさに触れると共に、低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため
社会保険労務士の資格を取得し、2021年に開業。現在も地域包括支援センターでセンター長として勤務しながら、
介護現場の最前線で活躍する事業所と人をサポートしている。
また、介護関連の執筆・監修者としての活動や介護事業書向けの採用・定着・育成・組織マネジメントなど、
介護経営コンサルタントとしても幅広く活動中。保有資格は、社会保険労務士、
社会福祉士・主任介護支援専門員・介護福祉経営士1級・ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級。



 

人材定着や労務トラブルなど
介護業界が抱える課題の多くは「人」にまつわること

私自身、介護業界に携わってきたなかで、
介護業界が抱える問題としてまず挙げられるのは、人材不足です。
つまり、人材が定着しないことと、採用ができないこと。
その背景には、以下の要因があると考えられます。

〔介護業界が人手不足となっている要因〕
(1)賃金水準が低い

介護業界は賃金水準が低いと言われています。
実際、日本介護クラフトユニオン(NCCU)が実施した「2021年賃金実態調査」によると、
全産業と比較して、月給の平均に42,484円の差があります。
これは、介護報酬のなかから給与が支払われているためです。
処遇改善加算などもありますが、まだまだ追いついていないのが現状です。

(2)有資格者が多い
介護の現場の特徴として、大多数が有資格者であることが挙げられます。
なぜ有資格者が多いことが人手不足につながるかというと、まずは採用時の問題。
介護事業所は、人員基準を満たせないと報酬が減額になるため、
採用面接で多少難があると感じても、資格者であれば採用せざるを得ないケースがあるのです。
現在、介護業界は完全に売り手市場で、全産業の有効求人倍率が1.21なのに対して、
介護業界は3.2(2022年9月時点)。
資格を持っていれば、ほかの事業所にすぐに転職できるため、
不満に感じたら簡単に辞めてしまうケースも多くあります。
また、女性が多い職場でもあるので、パートナーが働いている場合、
転勤などの影響を受けやすいという面もあります。

(3)人間関係のトラブルが多い
介護業界は、ハラスメントやいじめの申立件数が多い業界です。
考えられる要因の一つは、有資格者が多く、専門職としてのプライドを持って働いている人が多いこと。
誇りとやりがいを持って勤務しているからこそ、
「頑張っているのに評価されない」「介護に対する考え方が違う」
といった感情を抱きやすいのかなと思います。
また、介護事業所は大前提として、介護保険法を遵守しないといけません。
そのため、ほかの業界では当たり前とされている労働基準法の遵守という部分まで意識がいかないケースがあり、
いわゆるブラックな職場になりがちなのです。

(4)経営者の考え方や経営の構造
介護事業所は、ほとんどが小規模で、経営者自身も現場に出ているところが多くあります。
また、介護保険でほとんどの収入が入ってくるため、
一定数の利用者が集まれば、経営能力がそれほど高くなくても経営を成り立たせることができます。
そのため、労働環境の整備にリソースを割く必要性を感じていない、
もしくは経営者の手が回らないところが多くあります。
これは、経営者が悪いというわけではなく、「ホワイトな職場にする方法を知らない」のです。
もちろん、顧問社労士がいる事業所もありますが、
社労士側が手続き以外の業務を提案していなかったり、
経営者側も社労士を“手続きの委託先”としてしか認識していなかったりするケースがほとんどだと思います。



 

よりよい労働環境をつくるパートナーとして
包括的にサポートする提案を

人材と労務に課題を抱える介護業界は、社労士にとって大きなビジネスチャンスがあります。
これは、介護と社労士の両方に携わる私自身が実感していることです。
社労士側からすれば、「小規模事業所が多い介護業界は儲からない」という認識もあるのかもしれません。
しかし私から見れば、こんなにやりがいのある業界はないと思っていますし、
“よりよい労働環境をつくるパートナー”として認識してもらうことができれば、
トータルでサポートする提案が可能だと考えています。

何よりも社労士が行うべきサポートは、介護業界の一番の課題である、
採用と人材定着支援です。そのために必要なこととして、以下があります。

●処遇改善加算関係の書類提出
●就業規則や各種賃金規定の整備
●人事評価制度の構築


特に、処遇改善加算に関しては、国が実施している支援策なので、
「処遇改善加算の計画書は正しく提出できていますか?」と切り出しやすいのではないかと思います。
また、届け出はしているけれど、適切に運用できていない事業所も多いため、
ここをきっかけに、賃金規定や人事評価制度の構築・見直しにもつなげることができます。

ほかにも、ハラスメント対策の義務化、BCP(事業継続計画)、
介護報酬に依存しない経営のアドバイスなど、提案できることはまだまだあります。
私自身も、こういったコンサルティングをメインに幅広くサポートを行っています。

ただ、気をつけておかないといけないこともあります。
それは、「介護業界に明るいですか?」「介護保険に詳しいですか?」と聞かれるケースがあるということ。
比較的閉鎖的で、まだまだ社労士が入り込んでいない業界なので、
「社労士が自分たちのことを理解しているか? 理解しようとしているか?」という点を
気にする経営者は多いかもしれません。
ですから、処遇改善加算や介護保険についてなど、改めて勉強しておくことは必要です。

 

介護業界の改善は日本全体の課題
そのためには、社労士の力が必要!

今後、介護業界では、人材確保や収益改善を目的にしたM&Aで、
大規模化していく事業者が増えていくと予測されます。
また、収益改善や経営の安定化という点では、
デイサービスのみを提供していた事業者が訪問看護にも参入する、
介護保険外のサービスの提供など、複数の事業を展開するところも増えていくと考えられます。
さらには、生産性向上のためのICT化、労働力を確保するための外国人労働者の受け入れなど、
さまざまな変化が起こるでしょう。
これらの変化に対応するためにも、まずは人材が定着する環境を整えておくことが必要なのです。

介護業界がもっと良くなっていけば、一般企業に勤めている人の介護離職を減らすこともできます。
もはや、介護業界の改善は、日本全体の課題なのです。
そのためには、社労士の力が必要だし、社労士にできることがたくさんあると、心底思っています。
けれど、私一人ではどうにもできないという無力感を感じていることも事実です。
だから、一人でも多くの社労士の先生に介護業界のことを知ってほしいし、
私にお手伝いできることがあれば、一緒にサポートしていきたいと思っています。



 

山本氏が監修!
介護事業所にアプローチできる『働き方ルールブック』が
アックス社会保険労務士パートナーズのサポートツールに登場!

アックス社会保険労務士パートナーズでは、
社労士事務所の営業活動に“すぐに使える”チラシや提案書の雛形、
セミナー開催キット、職員研修ツールなどを提供しています。
そのサポートツールに、山本氏が監修した介護事業所向け『働き方ルールブック』が追加されました!

■働き方ルールブックとは?
 仕事をするうえで従業員に知っておいてほしい基本ルールを、
「就業規則よりも簡単な言葉で、わかりやすく」まとめた小冊子。



就業規則に則ったルールだけではなく、経営理念や仕事をするうえでの姿勢・考え方なども書かれているため、
経営者の思いも従業員に浸透させることができます。
ルールブックを使った研修ができるのはもちろん、
小冊子なので、いつでも見られるところに置いておくことで、従業員が気軽に確認することもできます。

〔記載事項〕
●当施設の考え方について

・当施設の経営理念
・ルールブックとは
●仕事の基本
・ホウレンソウとは
・入居者さまへの対応の仕方やマインド
●基本ルールについて
・就業中のルールについて
  (出勤・遅刻・早退・有給休暇、身だしなみ、申し送りについて など)
・業務外のルールについて(各種申請、守秘義務 など)
●こんな時どうする?
・怪我、トラブル、ハラスメント
・セルフケア


★介護事業所にルールブック作成を提案するための、チラシの雛形も提供します

「介護事業所へアプローチする際は、人材定着や採用支援、
ハラスメント対策などの付加価値をつけることで、
“よりよい労働環境をつくるパートナー”として認識してもらえます。
その入口として、『働き方のルールブックをつくりませんか?』という提案が
有効になると思います」と山本氏。
ルールブックを作成する際に見えた課題から、就業規則の見直し、
従業員向けの研修、賃金制度・人事制度の整備など、幅広い提案が可能になります。

アックス社会保険労務士パートナーズでは、介護事業所向けルールブックをはじめ、
さまざまなツールで社労事務所の売上拡大をサポートしています。
また、会員の先生限定で、最新の成功事例がわかるセミナーも開催!
「新規を獲得したいけれど、営業ツールをつくる時間がない」
「提携先をどうやって増やしたらよいかわからない」
「顧問先にもっとさまざまな提案をしたい」

という先生は、ぜひお問い合わせください。

▼アックス社会保険労務士パートナーズの詳細・お問い合わせはこちら
https://bit.ly/3fQ2jWR

 
プロフィール
山本武尊氏
おかげさま社労士事務所代表

大学(福祉学)卒業後、大手教育会社を経て、介護業界へ転身。
介護業界に関わる人の優しさに触れると共に、
低待遇と慢性的な人手不足の課題解決のため社会保険労務士の資格を取得し、2021年に開業。
現在も地域包括支援センターでセンター長として勤務しながら、
介護現場の最前線で活躍する事業所と人をサポートしている。
また、介護関連の執筆・監修者としての活動や
介護事業書向けの採用・定着・育成・組織マネジメントなど、
介護経営コンサルタントとしても幅広く活動中。
保有資格は、社会保険労務士、社会福祉士・主任介護支援専門員・
介護福祉経営士1級・ファイナンシャルプランナー2級(AFP)・簿記3級。
https://www.okagesama-sr.com/
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