顧問先は己れ自身である‼︎部下は全て私だ‼︎
- 2020.05.26
- プロパートナーONLINE 編集部
経営者として半世紀以上トップに立ち続けるJPA総研グループ代表・神野宗介氏。
税理士としてのお客様と向き合う自利利他の哲学と、社員を思う親ごころについて聞きました。
税理士たるもの社長の信頼を勝ち得るベし
税理士はね、社長に寄り添うサムライであるべきなんです。そのために5つの顔を使い分けるんですよ。
第1は安心感を与える街医者の顔、第2は相談しやすく懐に入っていける芸者の顔、第3は先を読む易者の顔、第4は尊敬の念を与える学者の顔、第5が説得性や人を惹きつける役者の顔です。
毎月、顧問先へ足を運んでコミュニケーションをとるときにこの5つの顔を使いこなす。
そして自分のことのように社長の立場になって考え、指導する。
そりゃ、指導者としてダメなものはダメだとはっきり言わなきゃならん場面もあるでしょう。
〝私はあなたなんです〞という思いで税理士は社長と向き合っていくべきなんですよ。
これは開業して50年経った今でも、信条として変わらず私の中で生きています。
この教えを説いてくださったTKCの創設者・飯塚毅先生は、人生の恩師ですね。
私は実業家から政治家になりたくて福島県の二本松から上京しました。
しかし、就職した先で手形の期日を9月31日と誤って作成しちゃってね。
当時の経理部長に「こんなことも知らんのか!」と、こっぴどく怒られたよ。
政治家になるにも相当な金がかかるわ、手形の期日さえ間違えるわで、これじゃダメだって考えたんです。
ただ「社長になりたい」という思いは強くてね。
そろばんと暗算は共に初段、数字に強かったので、じゃあ得手に帆を揚げようと税理士の道を選んだわけ。
思い返せば、手形の期日を間違っていなければ会計人として今ここにいなかったかもしれないね。
ようやく税理士として独立したのが24歳の時。
三鷹の事務所兼住居の三畳一間で開業したのはいいけど、待てど暮らせどお客様がさっぱり来ない。
来ないから借金経営が続いたなあ……。
でも、借り入れは積極財産に対する、消極財産だと思ってるから「返せなかったらどうしよう」なんて考えもしなかった。
おっかないなんてまったく思わなかったよ。
会計人生を支えた恩師との出会い
いろんなお客様とのご縁もあって、3年かけて会計事務所経営の基盤ができた頃、TKCのセミナーの案内が届いたんです。そしたら「これからはコンピューターの時代がくる。しかし、記帳代行で飯を喰っていけると思っているバカな税理士が山のようにいる!」と飯塚先生が言うわけ。
記帳代行で喰っていけると思ってたもんだから、はっとビックリしたね。
すぐにTKCに入会したよ。
あれから50年、
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