2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

税理士が独立・開業に失敗するパターンと対処法

税理士が独立・開業に失敗するパターンと対処法

日本税理士会連合会によると、令和4年3月末日の税理士登録者数は80,163人で、
そのうち56,277人が開業税理士と、約7割が独立開業の道を歩んでいます。
税理士事務所に目を向ければ、事務所の大型化が進み、税理士法人が増加。
一方で、顧客となる企業の数は長期減少傾向にある現在、
開業すれば顧客が獲得できるというわけではありません。

では、独立開業に失敗して廃業という道を辿らないためには、
何に気をつけなければいけないのでしょうか?
税理士が独立開業において失敗に陥りやすいパターンから、
成功に導くポイントまで解説します。

 
目次
  1. 税理士が独立開業に失敗してしまうパターンは?
    1. 営業力・集客不足による失敗
    2. 紹介に頼ってしまい、顧客が増えない
    3. 顧問料を安く設定して失敗
    4. 業務ミスによる税賠トラブル
    5. 人間関係の悪化による失敗
  2. 独立開業した税理士が明かす、開業当時の失敗事例
    1. 失敗事例1:開業しても、看板を掲げただけではお客様は来ない
    2. 失敗事例2:経営パートナーと決別、残された税倍訴訟で賠償額は数千万…!
    3. 失敗事例3:利益を優先した結果、職員の統率がとれずに解散…!
  3. 税理士の独立開業を失敗させない5つのポイントは?
    1. 実務経験を積んでおく
    2. 開業資金を貯めておく
    3. 集客・営業スキルを磨いておく
    4. 顧問料を適正価格に設定する
    5. 職員とのコミュニケーションを心がける
  4. 税理士が独立開業して後悔しないために必要なことは?
  5. この記事のまとめ
 

 

税理士が独立開業に失敗してしまうパターンは?

税理士として独立開業する場合、
資格をとって税理士登録をしてから比較的すぐに開業するパターンと、
会計事務所などで数年~十数年ほど経験を積んだあとに開業するパターンの2通りがあります。
前者は経験が浅く、人脈もほとんどないことが想定されるため、
開業後に相応の努力が必要になることが考えられます。
その点、後者は所属していた事務所での経験や人脈がある程度あることを考えると、
独立開業に適しているように思えますが、
不況のあおりを受けて一般企業が減りつつある近年では、
決して成功が約束されているわけではありません。
では、“税理士が独立開業に失敗して廃業するパターン”とは、
どのような場合が考えられるのか、独立開業した税理士が陥りがちな、
よくある失敗パターンをご紹介します。

 

1、営業力・集客不足による失敗

最も多い失敗が、開業したものの集客できずに、廃業してしまうというパターンです。
自分の事務所を開業したら、税理士としての仕事だけではなく、
まずは顧客を開拓して、仕事をとってくる必要があります。
税理士事務所で働く社員税理士であれば、
”税理士業務だけ”に励むことは問題ありませんが、
経営者となれば、自ら集客・営業をしていかなければ、
資金不足になり事務所経営が立ち行かなくなってしまうでしょう。

 

2、紹介に頼ってしまい、顧客が増えない

前職の人脈を持ったまま開業すれば、
最初のうちは顧問先や知人の紹介により
安定的に顧客が増えていくかもしれません。
しかし、それに頼りすぎてしまうと、
紹介が止まってしまったときにどう対処していいか分からず、
窮地に陥る可能性があります。
紹介が止まってしまってから動こうと思っても、
そう簡単には増やすことはできません。
自然発生的な紹介だけに任せるのではなく、
開業の準備段階から紹介を促進させるような人脈づくりに力を入れたり、
Webを介して新規顧客の集客をするなど、
日々のマーケティング活動も重要なポイントとなってきます。

 

3、顧問料を安く設定して失敗

他事務所との顧客獲得競争に勝とうとして、
“一般的な単価よりも安い仕事”ばかりを請け負ってしまうと、
業務に追われ、十分な休息が取れなくなってしまう場合があります。
しかし、事務所経営は継続させなければならないため、
価格やサービス内容を見直さずに、また安い仕事をとってきてしまう。
そんな負のサイクルに突入してしまい、
開業後わずか半年で過労で倒れてしまった…というケースがあります。
もちろん、採算度外視の案件ばかりでは利益も出ないため、
用意した開業資金が尽きてしまう可能性もあります。
顧客獲得に励むのは大事なことですが、その後の運営面や、
長期的な経営計画を立てていかなければ、
結果として営業の努力は報われずに廃業してしまう恐れがあります。

 

4、業務ミスによる税賠トラブル

税賠とは、税理士賠償責任のことで、
税理士によるミスが発覚した際に損害賠償請求が発生するケースです。
これは、業務中にあるような通常のミスではなく、
顧問先に明確な損害額が発覚した際に訴えられてしまう可能性があるということです。
ミスによる損害額が大きければ、多額の損害賠償請求を受けることになり、
その負担で事務所経営が破綻するケースもあります。

 

5、人間関係の悪化による失敗

開業に失敗する原因には、社内の人間関係のトラブルによるものもあります。
例えば、職場の人間関係が悪く、職員の定着率が低い事務所の場合、
新たな人材を採用する度に引き継ぎなどに時間を要するため、
当然生産性が落ちてしまいます。
さらには、組織の内部崩壊が起きて、職員がいっせいに退職し、
仕事が回らなくなってしまって所長が過労で倒れてしまったというケースや、
経営パートナーとの対立によりやむなく解散を選んだというケースもあります。




 

独立開業した税理士が明かす、開業当時の失敗事例

事務所経営を軌道にのせて活躍されている税理士の先生方も、
かつては失敗した経験を持っています。
そこで、これまでプロパートナーONLNE編集部が取材した記事のなかから、
独立・開業時の失敗談や反省点を、事例としてご紹介します。
※プロパートナーONLINEの記事より一部抜粋して掲載しています。
 

失敗事例1
開業しても、看板を掲げただけではお客様は来ない

2017年に、東京都渋谷区の恵比寿で開業しました。
独立前に長く勤めていたのは、ベテランの先生が経営されていて、
自然と仕事が入ってくるような事務所。
開業すれば自分もそうなると思いこんでいましたし、
集客するための行動計画もなく、何をすればよいのかわかりませんでした。
でも実際には、看板を掲げているだけではお客様は来ませんでした。
また、税理士事務所を開業するために絶対に必要なのは、
パソコンや会計ソフトくらいで費用はほとんどかからないと思っていましたが、
売上が立つまでの生活費という意味で資金が必要でした。
集客がうまくいかなかったこともあり、
実は開業から1年ほど経ったときに、1度融資を受けました。

<独立・開業時の失敗点>
・開業すれば自然と仕事が入ると思い込んでいた
・売上計画をあまり立てないまま開業してしまった


事業計画や売上目標など、計画の重要性をわかっていなかったことが本当に大反省です。
今は、コンサルタントに相談して、計画を立てながら進めています。

記事はこちら
>>【ルーキー税理士座談会Vol.1】 開業時に重要なのは、「事業計画」と「たくさん人に会うこと」

 

失敗事例2
経営パートナーと決別、残された税倍訴訟で賠償額は数千万…!

事務所を開業したのは2020年9月のこと。
実務経験のある知人に経営パートナーとして参画してもらいました。
開業時から力を入れていたTikTokなどのSNSマーケティングがうまくいったことで、
開業5カ月で顧問先が70社になるなど、順調に成長。
集客や税務調査は私が担当し、
顧問業務はパートナーに任せるという両輪でうまく回っていました。
しかし、開業から1年ほどで、事件が起こります。
消費税に関する数件の税賠訴訟を残して、パートナーが去っていったのです。
賠償額は数千万円にのぼるものでした。
賠償額の金額が金額ですから、職員の給与も払えないため、
当時7名いた職員全員に辞めてもらいました。

<独立・開業時の失敗点>
・パートナーとの価値観の違いで、関係が悪化してしまった
・開業時から一気に予算をかけて集客したが、顧客を増やしすぎてしまった


この失敗の背景には、私とパートナーの関係性が徐々に悪化していたことがあります。
また、税賠のリスクを考えたら、
会計事務所はある程度潤沢な資金がないと安心できないのだと知りましたし、
リスクも含めてサービス品質と価格のバランスを考えないといけないことも、
身をもって学びました。

記事はこちら
>>すべての顧問契約を清算!?大きなしくじりを経て……メタバースで新たな士業像を描く!

 

失敗事例3
利益を優先した結果、職員の統率がとれずに解散…!

2016年の開業当初は事務所規模を大きくしていきたいとは考えておらず、
少数精鋭で個人の利益を最大化することにフォーカスしていました。
しかし、頑張ったら頑張った分だけ報酬が上がるコミッション制を採用していたこともあり、
個人のパフォーマンスは発揮されるものの、
隣に座っているメンバーが何をやっているか、
何に困っているか、関心を示さない個人事業主の
集まりのような状態に陥ってしまったのです。
個人の裁量で任せるにも、ミッション、ビジョン、バリューの共有ができなければ、
いくら少数精鋭でも必要なときに統率がとれない
”暴走列車になりかねない”ということを身をもって実感しました。

<反省点>
・スキル重視で採用していた
・個人の裁量で任せていたため、仲間意識がなかった


解散後はかなり落ち込みましたが、2018年に心機一転、法人化して再スタートしました。
現在、メンバーは34名。人数は増えましたが、月に1回以上、
上長と部下で個人面談を実施してもらい、
職員の状況がどうなっているかを共有する形をとっています。
ただし、拡大するには資金力、組織力が必要ですから、
事業計画と人事制度や業務フローを含めた社内体制構築に
早期に取り組むことがポイントになってくると思います。

記事はこちら
>>拡大×総合型でスタッフのキャリアプランを描く





 

税理士の独立開業を失敗させない5つのポイントは?

税理士が独立開業を失敗させないためには、前述した失敗パターンを踏まえて、
開業前から経営計画を立てておくことをおすすめします。
まずは、税理士の独立開業を成功へと導く、5つのポイントを押さえておきましょう。

 

1、実務経験を積んでおく

独立開業前に、2年以上は税理士事務所で実務経験を積んでおくとよいでしょう。
税理士事務所に勤務することで、経営ノウハウを学ぶことができ、
人脈づくりもすることができます。
開業する前から人脈づくりを始めておくことで、
開業後の顧客獲得にもつながっていくはずです。

 

2、開業資金を貯めておく

開業したら、事務所によっては、家賃、広告費、人件費などが必要になります。
収入が安定するまでに時間がかかることもあるため、経営を維持していくためには、
事業計画をもとに開業資金を準備しておいた方が安心できます。
それに、もしも何らかのトラブルが起きたときに、
急に資金が必要になるといったこともあるかもしれません。

 

3、集客・営業スキルを磨いておく

独立開業が決まったら、まずは、友人・知人に挨拶をするようにしましょう。
直接会う機会を設けるのが一番ですが、難しければ、先に電話やメール、
ハガキなどで知らせておくのがよいでしょう。
また、士業や経営者が集まるような交流会やセミナーに積極的に参加しましょう。
知り合いを増やしておくことで、新規顧客につながる可能性があります。
自己紹介の際は、自身の得意分野を伝えておくこともポイントです。
また、開業前に準備しておきたいことに、事務所のホームページの開設があります。
何かを調べる際、今ではスマホでネット検索する人が殆どです。
ネットで検索されたときのために、事務所の所在地・問い合わせ先はもちろん、
税理士としての経歴や強み、どんな分野に特化している事務所なのかなど、
内容を明確にしておきましょう。

>>税理士の営業・集客方法についての詳しい記事はコチラ

 

4、顧問料を適正価格に設定する

顧問料を安く設定しすぎたり、安易に値下げをすると、
多くの顧問先を抱えなければ経営が成り立たなくなってしまいます。
しかし、仕事を多く抱えれば抱えるほど、多忙になり、
ミスも発生しやすくなります。
最悪、賠償金を払うといったことにもなりかねません。
そうならないためには、独立開業の準備段階で、
売上目標と提供するサービス、価格を決めることがポイントです。
自身や従業員のキャパシティと、
提供するサービス内容(作業量・業務の難易度など)から価格基準を設けることで、
適正な報酬金額を策定することができます。

 

5、職員とのコミュニケーションを心がける

独立開業して職員を雇う場合、離職率の低い事務所を目指しましょう。
円満な人間関係を築くためには、職員とのコミュニケーションは必須です。
例えば、職員が何か分からないことがあったとき、
所長に質問できないといった状況にならないよう、
自分から積極的に声掛けを行うようにしましょう。
また、所長がイライラしていたりすると、職場のムードが悪くなり、
職員にとってはストレスです。
自分の感情をコントロールするように心がけましょう。
職員が働きやすい環境をつくるのも、所長の役割といえるでしょう。




 

税理士が独立開業して後悔しないために必要なことは?

独立開業した税理士が陥りやすい失敗パターンはいろいろありますが、
後悔することなく進めるためには、
開業準備をしっかり行っておくことが肝となってきます。
特に、事業計画を予め立てておくことで、事務所の経営が成り立つのか、
思い描いている方向性にブレはないかなど、事前に可視化することができます。
さらに、開業後にどんな行動が必要なのかがわかり、
計画どおりに進んでいるかなどを見直して軌道修正することができます。

また、税理士として、自分が強みとしている分野を明確にしておくことも重要です。
営業・集客をする際、ターゲットとなる顧客層がイメージしやすくなり、
どの地域に事務所を構えるのが適切なのかも見えてきます。
事務所を開業したい地域を定めたら、
エリアの特徴や競合も予め調べておくとよいでしょう。
不景気の影響もあって、独立開業をしたすべての税理士が成功することは厳しい時代です。
しかし、失敗事例を知ることは、成功へ導くヒントでもあります。
「こんなはずではなかったのに…!」と、独立開業後に後悔することがないよう、
失敗から対処法を学び、自分に合った経営戦略を考えていきましょう。

 

この記事のまとめ

  1. 独立開業の準備をしっかり行う
  2. 開業後の売上目標や資金計画を立てる
  3. 税理士としての強みを明確にしておく

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