2024.04.04
【ゴールデンウィーク中の商品発送について】
ゴールデンウィーク休業期間中、商品の出荷対応につきまして
下記の通り、ご案内いたします。

≪発送休業日≫
2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月祝)

※2024年4月30日(火)~2024年5月2日(木)は一部ご注文・お問い合わせについて対応させていただきます。

通常よりもご注文からお届けまでに多くの日数がかかりますので、お急ぎの場合はご注意ください。
ご不便をお掛けいたしますが、ご理解及びご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

地方にこそ勝機あり!田舎で伸びる士業事務所のつくりかた



人口が少なく商圏の小さい地方の街で大きく成長している士業事務所にこそ、
成功の秘訣があるはず!
そこで、地方に事務所を構え、
独自の戦略で伸びている3名の若手士業による特別座談会を開催。
過疎化の進む地方でどう事務所を成長させてきたのか、たっぷりと語り合ってもらいました。


※この記事は、『月刊プロパートナー』2020年10月号に掲載したものです。




 

特化型事務所より総合型が求められる

―――まずは、「田舎と都会で士業に求められるものの違い」を聞かせてください。
特に澤井先生と清家先生は都会での勤務経験もありますが、違いはありますか?


澤井 司法書士で都内で拡大している事務所は、
特化している事務所が多いんです。
でも、田舎で特化するのは難しいし、
商圏が小さいし、仕事のパイが少ないですから。
より総合力が求められるという点が、都会との違いだと思います。

清家 私の場合、前職のコンサルティング会社でも
地方のお客様が多かったので、それほど違いは感じません。
ただ、当時は、税理士の看板があまり役に立ちませんでした。
一方で、士業のありがたさも実感しました。
ですから、士業がコンサルもできできれば、
田舎ではチャンスがあると考えていました。

――― 石田先生はいかがですか?

石田 スピード感覚が全然違います。
働き方改革も、田舎でははまだ本格的に始まっていなくて、
体感で1〜3年の差があります。
ですから、いま都会で起きてきていることを学んで田舎に持ち帰ってくれば、
成功するのではないでしょうか。
あとは、オンラインよりオフラインを重視する人が多いですね。

澤井 確かに、顔を合わせて話したいというお客様が多いです。

清家 県外のお客様はオンライン面談ですが、
地元ではまだ浸透していないですね。

―――オンライランの方が効率的な面もあると思いますが、
今後は積極的に移行する予定ですか?


澤井 顔を合わせることで信頼関係が醸成されることもありますし、
どちらも大事だと思います。
「オンライン対応ができる」という理由でうちに依頼がくることもありますので、
必要に応じて使い分けていきたいと考えています。

清家 オンラインは、録画して職員に面談方法の
フィードバックができるのがいいですよね。
なかなか一気には進められませんが、移行していきたいです。

石田 うちはコロナ禍を機に、原則オンラインに切り替えました。
使ったことがなくてメリットを知らない方が多かったので、
スタッフが訪問して、使い方を教えながら良さを実感してもらうことで、
移行していただけました。


 

給与の高さよりも成長が見えるかが重要

―――全国的に採用難や人材不足という課題がありますが、
採用で工夫していることはありますか?


石田 欲しい人材のペルソナを設定し、
それに合う人を採用することで定着率が上がりました。
田舎は、どうしても優秀な人の総数が少ない。
優秀というのは、良い大学を出ているかではなく、
「リライエの理念に合っているか」。
世の中で、うちの経営理念を知っている人はほぼいません。
そのなかで合う人を探すには、
自分たちが尖っていくしかないと思います。

清家 私も、規模を追いかけて合わない人を採ってしまい、
お互いに苦しい思いをしました。
そこで、理念をしっかり策定して、共感してくれる人を採用しています。
ただ、まだまだ影響力が小さすぎる。
銀行と比べられたら、負けてしまいますから。
だから、「うちでどうやって成長できるのか」
を発信していかないといけないですね。

澤井 田舎は、紹介で採用できるという利点があります。
「事務所の規模はまだまだだけれど、澤井個人は信頼できる」
と期待感を持っていただけるのだと思います。
ただ、これからはペルソナや理念を明確にしないと厳しいと感じています。

――― 給与は、相場より高くなるように意識していますか?

石田 相場よりは高いと思いますが、
給与が目的の人は、もっと高いところへ移ってしまいます。
入社時の給与より、入社後のステップが見えることが大事です。

清家 私も気にしていません。
給与が理由で辞めることもないですね。
「この能力だったらいくらもらえて、何歳で家が建てられる」
という成長や保証への安心感がある方がいいと思います。

澤井 私も同じです。
「『利益はどんどん社員に還元します』と言いたいところですが、
何があっても事務所が倒れないように蓄えつつ成長するためには、
大盤振る舞いはできない」と説明しているので、
その覚悟は感じてもらえていると思います。
あとは、人間関係の良さや子育て中でも働きやすくするなど、
給与以外でのメリットが大きいのではないでしょうか。




 

田舎で伸びるなら選ばれる理由が必要

―――皆さん、着実に事務務所を拡大していますが、
田舎で開業したことを後悔した経験はありますか?


清家 後悔はないですが、資格者がいないので支店を出せない、
法人化できないのはネックです。

澤井 資格者の採用は難しいです。
資格のある人は、地元に何かしらのツテがあって独立開業する人が多いですね。

石田 私も後悔はないですが、新幹線に乗るまでに2間弱かかかるので、
セミナーなどでの情報収集の時間とコストがかかります。

澤井 あとは、良くも悪くも噂が広まるのが早い(笑)。
ですから、良い意味でマイペースなメンタリティは必要ですね。

―――なるほど。
では、これから田舎で開業する先生に、
「これはやっておいた方がいい」というアドバイスはありますか?


石田 ブランディングです。
これからは、あまり地域は関係なくなるので、
田舎のしがらみにとらわれず、
「どうやって選ばれるか?」を考えた方がいい。
将来の明確なビジョンがあるなら逆算すればいいのですが、
開業時に見える景色がすべてではありませんから。

澤井 そうですね。
「パーソナルブランディングをこの地で築けるのか?」
「どういうマーケットなのか?」を考えて開業しないと、
なかなか地域の役には立てません。
地縁、血縁、ツテ、コネを過信しないことが大切だと思います。

清家 今はインターネットで知識を得られますから、
「選ばれる理由」をつくっておくことは重要です。
地域を引っ張っていくくらいじゃないと、埋もれてしまいます。

―――今後、地方の過疎化が進むといわれているなかで、
さらに成長するための戦略はありますか?


清家 後継者不在の企業を買って、
地域内でヒト、モノ、カネをシェアしていきたいと考えています。
そうすることでで、地域にネットワークができて、
若い人が残り、活性化していくと思います。

石田 田舎は学びの場がなくて、都会とどんどん差がついてしまう。
そこで、自社ビルを活用して学びの場をつくっています。
あとは、学生が地域の企業と触れ合う機会を設けたい。
ビジネス面では、オンラインを使って全国の田舎を専門にした
コンサルティングをしていきたいと考えています。

澤井 うちは、寄居町にあるオフィスが古いお屋敷なので、
そこをリノベーションしてセミナールームをつくろうと考えています。
また、商工会や銀行、役所の担当者など、
地域の人のつながりや学びの場を提供して、
地域の発展に貢献できたら面白いですね。
ほかにも、弁護士との合流も考えています。
より総合力が上がり、地域のお役に立てると思います。

―――都会への支店展開などは考えていませんか?

清家 考えていません。
今構想していることが楽しそうなので(笑)。

石田 田舎専門なので、私も考えていません。
楽しそうなことを考えて実行していたら、
勝手に成長していくという感覚です。

澤井 私は、あと20〜30年くらいは仕事ができるように、
目の届く範囲で広げています。
今できることを一生懸命やると、
気づいたら一段登っていたりするので、
「神のみぞ知る」ですね(笑)。


地方で伸びる経営戦略Q&A
 
プロフィール

社会保険労務士法人リライエ
石田隆利

20歳からの10年間で社会保険労務士のほか、建築士や土地家屋調査士など10の国家資格を取得。
2009年に30歳で社労士事務所を開業。
「田舎の社会人学校」など地域の発展に貢献するサービスを展開している。
https://www.tajima-sr.com/


司法書士・行政書士法人あす綜合法務事務所
澤井修司

大学在学中に司法書士試験、行政書士試験に合格。
東京都内の司法書士事務所に勤務したのち、2008年、24歳のときに埼玉県秩父郡皆野町で開業。
現在は秩父エリア、寄居エリア、深谷エリア、熊谷エリアの4拠点で埼玉県北西部をカバーする。
https://www.ash-office.com/


清家巧貴税理士事務所
清家巧貴

大分県佐伯市の会計事務所に勤務後、大手監査法人系コンサル会社に転職。
2011年に佐伯市に戻り、開業。
事業再生、キャッシュフローコーチ、経営理念策定支援など、
幅広く地元企業をサポートしている。
https://seike-office.com/
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