2023.09.25
インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応に関するお知らせ

2023年10月01日(日)より、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されますので、弊社の同制度への対応についてお知せいたします。

弊社ではインボイス制度の対象となる課税取引のご利用について、
2023 年10月以降の決済分より、同制度の要件に対応できるようにいたします。

【当行適格請求書発行事業者登録番号のご案内】
株式会社アックスコンサルティングの登録番号をご案内いたします。

適格請求書発行事業者登録番号
T9011001004344
 

士業の独立・拡大の轍を追う! OCパートナーズ代表 税理士・呉村哲弘氏【前編】

士業の独立・拡大の轍を追う! OCパートナーズ代表 税理士・呉村哲弘氏【前編】
 
2018年、独立から10周年を迎え、更なる躍進を続ける『税理士法人OCパートナーズ』代表・呉村哲弘(くれむら あきひろ)氏。
26歳の時に地元・大阪にて独立、29歳で東京へ進出と、順風満帆に歩んできたかに見えるその輝かしい事務所経営だが、そのひとつひとつを紐解くと、そこには人生を揺るがす、大きな選択と決断の連続であったという。

今回、私たちプロパートナーONLINE編集部は、呉村氏の半生を振り返りながら、開業・経営について具体的に伺ってみた。


 

元関西ジャニーズJr.から俳優へ。
そのキャリアをすべて捨て、税理士を目指す

税理士を目指したきっかけとその歩みを、教えてください。

呉村氏は、20歳の時に税理士を目指し試験勉強を開始するのだが、それ以前の経歴がいわゆる“一般の税理士”とは大きく異なっている。14歳で関西ジャニーズJr.として芸能界入りし、その後、俳優を志し上京。映画に主演するなど躍進著しいそのタイミングで、まさかの俳優業引退。そして税理士への道を歩み始めた。

「父が自営業を営んでいた関係で幼少期から税理士事務所へ行く機会があり、おぼろげですがそこで働く人たちに憧れを抱いていました。また、3歳年上の兄が司法書士をしている関係で“士業”という職業が身近な環境だったのかもしれません。ハッキリと “税理士になる”と決めたのは二十歳の時です。
俳優業に対して、後ろ髪をひかれる思いは少なからずありました。また、周辺からの反対や説得もすごく受けました。当時はまだ若かったこともあり、大人の方々が諭すという形で“もったいない”と言ってくれたんです。
ただ、自分の気持ちは固まっていたので、結果的に周囲の大反対を押し切って勉強を始める、という形になりました。税理士の試験制度や全科目合格する確率は極めて低いとか、そういった話も聞いていましたが、やるだけやってやろう! と。駄目だった時のことは考えていなかったですね。とはいえ、私は高校を中退していたので、受験資格の問題で引っかかり、まずは簿記一級の取得から目指すことになったのです」。

「今でも覚えていますが、資格試験予備校のガイダンスに20歳の12月に行って、そこで相談した際に簿記一級の試験まで半年しかなかったんです。通常は1~2年間で合格を目指すカリキュラムなのですが、私はなんとか半年で受かりたい旨を伝えると、それは無理だと軽く笑われました。それで気持ちが固まったんです『絶対に受かってやる!』と。その日から具体的な受験勉強がスタートしました。」
 

受験勉強への取組みを教えてください。

「中学時代は私立に通っていて、大学までエスカレーター式の進学校だったのですが、勉強の成績は学年で下から2番目。 しかも1番下の生徒は学校に来てなかったので、実質ビリだったかもしれません。なので勉強が”得意”という訳ではありません。ただ、数字は好きだったのと、“無理”だと言われると、むしろ挑戦したくなるのが私のバイタリティーなんです。
税理士を目指して予備校に通い始めてからは、毎朝教室へ行って、授業が終わった後も自習室で21時まで勉強、そこから帰宅後に深夜2時~3時まで取り組んでいました。それを週7日ぶっ通しで繰り返し、睡眠時間は平均4時間ぐらいだったと思います。受験まで半年しかなかったこともあり、日に数コマ分の授業をテープの早巻きで聞いて、それが終わると問題を解く。ひたすらそれを反復しました。結果6ヶ月後の簿記一級の試験に受かったんです」。

その後、科目試験の学習に取り掛かるのだが、呉村氏を悩ませたのは意外にも“友人”だったという。

「当時は若いこともあり学校で友人が増えるじゃないですか。やっぱり楽しいから談笑やら、ついつい遊び心が生まれてしまう。1人なら20分のお昼ご飯が友人と一緒だと1時間、2時間となり次第にそれが普通になる。やがて、このままでは集中できないと危機感を覚えて、途中で別の専門学校へ転校したんです。ところが、2校目はリアルタイムの授業を他の生徒に交じって受講したので、一般の学校さながらの空気で、転校前より友人が増えてしまって。……結局、都合2回学校を変えました。
楽しいけど、やっぱり自分の目指す方向とこれはちょっと違うな、と思ったんです。最終的には専門学校の自習室では勉強できなくなり、雑居ビルの一角に設置されていた月極の自習室を借りて、勉強に取り組んでいました」。

21歳で簿記1級。22歳で簿記論・財務諸表論。23歳で法人税法に合格し、税理士事務所へ勤務を開始する。

 

独立を公言して就業!
試験も実務もどっちも最優先!!

就職、そして勤務と学習の並行期の話を聞かせてください。

「私は事務所への就職の方法など当時はよくわからず、税理士事務所をインターネットで検索し、『働きたいのですが、どうしたらいいですか?』と直接電話しました。振り返るとまあ、よくやったと思います(笑)。履歴書を送ったりしましたが、どうも具合がよくない。周囲に相談すると専門学校で求人を取り扱っているというので、窓口へ行って、こんな私ですが、雇ってくれる事務所はありますかね……。なんて感じです。
事務所に入った時、3科目まで合格していたんですが、私は最初から“独立”を前提に業務をしていました。税理士登録するには5科目すべてを取得するのはもちろんですが、2年間の実務経験が必要なので、最低2年は勤務して、残りの2科目を合格するのはもちろん、同時に独立してやっていく上で必要なことをすべて吸収する。そのつもりで業務にも勉強にも取組みました」。

「どっちも優先でどっちも捨てられない。まれに、同じような境遇の人の中には、合格するために早く帰りたいという人もいますが、私の場合はそういうわけにはいかなかった。実務も試験勉強もすべてを真正面からやりました。具体的な学習スタイルは仕事が終わると自習室へ行き、1時間ぐらい勉強し、さらに自宅で夜中まで勉強していました。仕事で授業を受けられないことが多かったので、テープで学習をしていました。かなりハードな毎日でしたが、私は税理士事務所を自分で開業して“こういったことをやりたい!” というのが具体的にあったので、落ち込んだり、疲れを感じることはなかったです。
単なるイチ職員で末端かもしれませんが、自身がこの業界でやっていることに楽しみを感じていました。また、所長や先輩方には色々な話を聞かせて頂きました。経営や集客にまつわる話を何度も尋ねて、『いつもその話をするね』と言われてました。私は当初から独立の意思を明確にしていまして、その頃の方々には今でも良くして頂いてます」。

当時抱いていた開業してやりたいこととは何だったのだろうか?

「その頃の業界は一般的な“先生”といった部分が強く、サービス精神やコミュニケーションに関して、まだまだ改善の余地がすごくあると感じていたのです。士業だって接客の要素が高い仕事ですから、お客様への対応であったり、様々な面に関して思うことがありました。勤めていた事務所でも、お客様をより集客するには、こういった方法が良いのではないか? といった提案をしたことがありました。ただ、その場では聞いてもらえましたが、実現はできなかったんです。だからその辺りを独立して現実化したかったですね。
冒頭にも述べた通り、開業に関しての準備はマインド的なものも含めて、着々と進めていきました。そして25歳の年に5科目全ての試験に合格しました」。
 

具体的に開業に関してどんな準備をしたのですか?

「勤務している2年間で事業計画書やホームページをすべて作りました。ただ、私は開業に際しては、600万円を借り入れ、事務所も自宅とは別に賃貸し(家賃10万円)、オフィス用品なども最初から複合機など購入したので、イニシャルコストだけでも350万円はかかりました。
また、開業直後は飛び込み営業やテレアポ、リスティング広告やブログなど、様々な営業ツールをつかっていました。私一人の事務所なので、人手がいる時はときどき彼女(現在の妻)に手伝ってもらいました。務めていた事務所からお客様を連れてくるようなことはしなかったので、最初はお客様がゼロからのスタートでした。
お客様の中には“独立するなら依頼する”と言ってくれた方もいたのですが、これは道義的な問題で、今まで勤めていた事務所にも恩がありましたし、全て断りました。また、これから独り立ちする立場でお客様を自力で掴めないなら、大成は難しいと思っていました」。

「一応、借入金の残りもあるし1年間はノンクライアントでもやっていけるようにはしていました。もし、それで駄目なら、また勤め人税理士としてやっていけば600万円ぐらいの借入は何とか返せるかなと考えていました。とはいえ開業から1ヵ月、2か月と依頼ゼロ。やはり現実は厳しいと感じました。もちろん種まきはしていたんですが、不安な気持ちは付きまといました。
そして、3ヶ月たったある日、法人のお客様からご依頼を頂けました。初年度を振り返ると売上高はそれなりの形になりまして、なんとか事務所を続けていけたんです。そして、撒いていた種が2年目、3年目に一斉に芽を吹き出し、一気に売上も倍々になっていったんです」。
 

事務所の利益が上がっていったポイントを教えてください。

「お客様は様々な税理士事務所を検討しているわけですから、ある程度のブランディングとマーケティングをしていれば、そういった方々とお話できる機会は割とあるんです。当時は税理士というと“硬い”とか“話をしにくい”という点がまだ強い時代だったのですが、そうした点を考慮した現在のウチのスタイル“税理士らしくない税理士”をモットーに対話を続けていった結果、選んで頂けたのだと思います」。


26歳で大阪に税理士事務所を構え、3年後には数千万の貯金をためるまでに成功した呉村氏。このまま手堅く地元大阪でやっていくのか……と思いきや、更なる目標が芽生えていく!
年齢29歳。人生のターニングポイントとなる出来事が動き始めるのだが、それは次回、お伝えしよう。

OCパートナーズ東京事務所・廊下にて撮影
プロフィール
呉村 哲弘(くれむら あきひろ)氏
1982年生まれ。大阪府出身。税理士法人OCパートナーズ代表税理士(東京税理士会所属)。東京、大阪の2箇所に事務所を構える。25歳で税理士試験に合格し、26歳で独立。29歳で東京へ進出。現在は新設法人の設立業務に特化し東京を中心に活躍中。過去に関西ジャニーズJr、俳優として活動した異色の経歴を持つ。

会社Webページ:http://www.oc-tax.biz/platinum.html
会社リクルートページ:http://www.oc-recruit.com/
【人材募集中:詳しくは上記Webページよりお問合せください】
会社紹介:https://www.youtube.com/watch?v=GgZDxlwvzDY
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