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  • 【ベンチャーファーム】行動を変えるコンサルで創業企業を成長に導く

    2012年12月に開業した、はぎぐち公認会計士/税理士事務所は、創業企業のサポートに注力しています。顧問先を継続企業へ導く秘訣と、そのための職員育成について、代表の萩口義治氏にお話を伺いました。 創業支援に特化し、企業の継続をサポート私は、2003年に公認会計士試験に合格した後、大手監査法人に6年間勤務。その後、独立を志して起業家スクールに通い、2012年に東京で開業しました。独立しようと決めたのは、実力を高めて自分の足で立つ生き方に憧れ、監査法人の社員の一人ではなく、「萩口義治として仕事をしたい」という思いからでした。当社の強みは融資や助成金申請などを含めた創業支援や、磐石な財務体質にするためのコンサルティングです。開業当初は、企業規模を絞らずに幅広く営業活動をしていました。創業間もない企業を中心にサポートしようと決意したきっかけは、起業家スクールの仲間たちとの出会いです。起業を目指す人は、勇気のあるハートの熱い人たちです。しかし、経営の経験もなければ実績もないので、いざ創業しても先行きが不安定です。実際、経済白書では起業から3年での生存率は50%と言われており、事業の継続が難しい場合が多い。私自身、やっていけるか不安に駆られ、開業に踏み切るまでに2年かかりました。このような思いから、起業したての会社が長く継続し、世の中に需要や雇用を生み出していける支援をしたいと考えたのです。当初は朝会に参加したり、飛び込み営業をしたりしていましたが、顧客が増えたのは、創業補助金の支援を始めてからです。起業家スクールの人脈から案件が獲得でき、2014年には創業補助金採択支援件数が、東京都で1位になりました。これをきっかけに、紹介で顧客を増やすことができ、現在も幅広い業種の経営者から相談をいただいています。 数字で行動を変える! 会計視点の経営コンサル創業企業を支援するため、特に力を入れていることは二つ。一つは財政支援です。融資や助成金などで資金を確保できるようにサポートしています。もう一つは、経営コンサルティング。成長期に入った顧問先には、業績を上げるために何をすればいいか、具体的な行動についてもアドバイスをしています。創業した企業をいかに存続させるかということが、私たちの腕の見せ所。そのため、試算表や月次決算書で数字を分析し、赤字の原因を突き止めます。そして、損益分岐点がいくらで、黒字になるためにはどのくらいの売り上げが必要か、そのためにどんな行動が必要なのかを一緒に考えています。業績向上ための営業やマーケティングのサポートも、事務所のできる範囲で行います。そのほか、助成金に強い社労士、Web集客など、専門的な知識を持った企業を紹介することもあります。行動の結果が数字であり、行動を変えていかなければ業績は変わりません。だからこそ、行動に移すまでサポートするコンサルティングが重要だと感じています。コンサルティングは、私以外の職員も行っています。その際、職員自身が自分の頭で考えて、発言することを大切にしています。代表である私の意見がすべて正しいというわけではないですし、発展途上であっても入社した時点でコンサルタントです。ですから未経験で入ってきたとしても、一人のコンサルタントとして自分の考えを述べるように伝えています。また、顧問先にアドバイスをするというよりは、〝質問を投げかけること〞が行動につながるコミュニケーションだと考えています。会社のことを一番考えていて、業界のことを一番知っているのは、その会社の経営者です。私たちはあくまで、会計や数字という視点から経営のヒントとなるような質問をする。「客単価を上げるには何ができますか?」などの質問をして、顧問先に行動指針を考えてもらうように導くのです。そうすれば、実行可能性が高まり、企業の発展につながっていきます。行動までサポートした結果、当事務所の支援企業のうち95%が、3年以上継続して事業を行うことができています。 職員の物心を〝豊か〞にして、業界価値を高める組織へ事務所は現在、私を含め12名体制で、税務事業部とコンサル事業部に分かれています。二つの事業部を兼任しているメンバーもいて、これは税務とコンサルの両面から数字を見る力を養い、ハイブリットな会計人になってもらいたいという考えからです。できるだけ未経験や経験の浅い人を採用しているのですが、会計知識とコンサルスキルの両方を身に付けられるように育成をしています。最初に職員を採用したのは開業して一年経った頃。定着しない時期や、採用がうまくいかない時期もありました。振り返ってみると、職員が定着しなかったときは、職員に対する愛情が足りなかったのだと思います。彼らがこの事務所で働くことで、どのような成長が得られるのかということを、ロジカルに考えていませんでした。現在は、「職員の物心を豊かにする」という理念を最優先に掲げています。豊かさというのは、お金と時間とスキルのこと。この理念を実現するため、高い付加価値業務を受注・提供するスキルの向上が大切だと職員に話しています。現在、職員が興味を持った分野の勉強をサポートするため、研修費を会社で負担する制度も取り入れてました。また、職員との面談は定期的に行い、業務や今後の目標、家族や体調など、何でも話せる場にしています。もちろん、私の考えもしっかり伝えます。この業界でどんな人が生き残り、必要とされ続けるのか日々勉強しているつもりなので、職員が成長するためのヒントになればいいなと思っています。今後は会計業界のため、会計業界で働く人たちのために、事務所ができることをさらに進化させ、広めていきたいと考えています。コンサルティングを含めた顧客とのコミュニケーションなど、付加価値の高いサービスを体系化して、会計業界の価値を高めていきたいです。 
  • 【税理士替えたい110番】頻繁に担当者が変わり、ミスも多い…顧問料が低いから雑なのでは?

    顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。今回は、「顧問料が低いという理由で、ミスも多く、担当者が頻繁に変わり困っている」という事例です。 大手を紹介してもらったが適当な仕事ばかりで不満私は医療法人と不動産管理会社の経営をしています。父の代からこれまで40年近く、同じ税理士の先生に顧問をお願いしてきましたが、昨年、その先生が高齢のため事務所をたたむことになり、新しく大手の会計事務所をご紹介いただきました。しかし、顧問料が低かったためか、担当者が頻繁に変わるうえに、ミスも多いのです……。前の先生には滞りなく税務関係の引き継ぎを行っていただき安心していただけに、不安が募ります。今の担当者は若くてやる気もあるのですが、預けていた資料を紛失したり、会計処理を間違ったりなど、仕事が雑な印象を受けます。もう少し仕事が丁寧な方に担当してもらいたいのが本音です。顧問料は、記帳代行や決算申告もお任せして、年間で50万円ほど。事業規模や年間売上で金額が変わるそうですが、弊社の場合、相場よりも低い顧問料に設定されていると思います。引き継ぎの際に「顧問料は前と同じで構わない」と伝えたものの、引退した先生との関係もあったからか、ある程度優遇してくれたようです。だからといってミスが多いのは困りますし、こんなに担当者が変わったり、雑な仕事をされるのであれば、最初から相場の顧問料で契約していました。コロナの影響で、医療法人、不動産管理会社ともに売上の先行きが見えないのが現状です。節税や今後の資金繰りはもちん、M&Aなど将来を見越した相談もしたいのですが、それも難しそうです。顧問料を上げれば担当者を変更してもらえるのかもしれませんが、別の会計事務所に替えること含めて検討しています。 【顧客満足度を高めるワンポイントアドバイス】品質を担保する仕組みづくりと担当者の固定で信頼関係を構築一般的に報酬額によって業務内容や作業量は変わるものですが、〝質〟に差が出てしまってはいけません。特に士業事務所の場合、お客様は「ミスがないこと」が当たり前だと思っているので、管理システムの導入やマニュアルを作成するなど、業務の品質を担保するための標準化やルール設定が必須になります。また、新規のお客様に対しては、一定期間担当者を固定するなど、信頼関係を築くための措置も必要です。もし、特定の担当者をつけない場合は、契約時にきちんと説明して顧問先の理解を得ておく必要があります。※月刊プロパートナー2021年5月号より抜粋 
  • 北海道から全国へ! 会計業界を改革せよ Vol.3

    2021年6月15日、元株式会社マネーフォワードビジネスカンパニー執行役員の平野龍一氏が、税理士法人マッチポイントと税理士法人フューチャークリエイト(旧税理士法人シマ会計)に参画したというニュースが飛び込んできました。急成長中の企業を飛び出し、地方のベンチャー事務所とタッグを組んだ理由とは?平野氏、税理士法人マッチポイントの小島匡彦氏、税理士法人フューチャークリエイトの植島悠介氏の3名が目指す「新たな会計業界」について聞きました。撮影:山本 晃与(HATch.img)>>Vol.2はこちら 会計事務所に“非連続の成長”をもたらす――ここまで、中小企業をサポートするためには、会計事務所がさらに幅広い視野を持ち、自らさまざまな取り組みを実践していくことが必要だという話を聞いてきました。会計事務所が変化していくために、平野さんは、マッチポイントとフューチャークリエイトにどのように関わっているのでしょうか?平野 CSO(最高戦略責任者)として、経営会議を一緒にやっています。事業計画の立て方、採用計画の立て方はもちろん、ミッションやビジョンも再作成しました。また、評価制度の再構築なども、これまでの会社で得た知見を活かして行っています。植島 平野さんが入って一番大きく変えたのが、採用計画です。これまでも毎年経営計画を立てて、採用する人数は決めていました。ただ、これまでは「何人採用します」だったのですが、「どういう戦略で、どんな人を採るのか」まで落とし込むようになりました。今までは、あまり具体的な計画ではなかったので、スタッフも「どうせ採用できないよ」という気持ちがあったと思うのですが、理論に基づいた具体性のある計画になったことで、安心できると思います。平野 今回改めて思ったのは、フューチャークリエイトもマッチポイントも優秀な事務所であることは間違いないんです。ただし、それはあくまでクラウド対応ができるとか、紹介でどんどんお客様が増えていっているという部分で、基本的には旧来型のやり方です。だから、新しいやり方をどんどん導入して、いわゆる“非連続の成長”をつくっていきたい。会計業界は、今までなかなか非連続の成長がありませんでした。なぜかと言うと、外部の血が入ってこないからなんです。地方は特に。東京以外の地方すべてで、おそらくそういう課題感があると思うのですが、私がこれまで培ったものを含めて、さまざまな外部の知識や経験を取り入れて、非連続の成長をつくっていきたいと考えています。そしてもう1つ、予実の管理をすること。これは、戦略をしっかり立てるということができていないからこそ起こりうる現象なのですが、予実の管理ができていないんです。例えばマネーフォワードで言えば、予実の管理を毎月しっかりやっています。それは売上だけではなくて、コストも採用計画も含めてです。年間を通して、いつまでに、どの部署で何人採用するという計画を立てていて、それに対してちゃんとできているかどうかを管理している。会計事務所は、計画を立てて、最終的に誰が責任を持ってやるかという管理ができていないところが大きな課題としてあります。それができるようになれば、お客様に対しても同じように価値提供できるようになります。小島 これまでの会計事務所は、所長と職人しかいないところが多かったと思います。車の製造に例えるなら、社長と工場しかない。でも、サービスを売る人、情報を発信する人、お客様のメンテナンスをする人など、税務会計以外のことを行う部署をつくっていくことが必要だと考えています。一般企業であれば、専門部署ができて、自社内でうまく回せるようになるところまでで終わるのですが、会計事務所の場合は、その先に顧問先がいます。自社内でうまく回せたことを、顧問先に提供できて、顧問先の成長につながるコンサルティングができるのです。それが会計事務所の強みでもあり、面白いところだと思います。平野 この魅力が正しく伝わってないんですよね。コンサルタントは年収が高いイメージがありますが、なぜ年収が高いかというと、付加価値が高いからです。だけど、今の会計事務所の仕事は、“帳簿をつけてくれる人”というイメージを持たれていると思うんです。会社の経営の相談に乗ってくれる相手ではない。特に職員の人たちは。実際に、会計事務所の職員さんが顧問先に月次の訪問に来たところに遭遇したことがあるのですが、黙々と帳簿をチェックしただけで帰って行ったんです。これって、すごくもったいないですよね。小島 税理士の資格を持っていない人がコンサルタントとして活躍しているのだから、資格を持っていない職員だって、コンサルティングができるはずなんです。やったことがないだけなんですよね。平野 そのくらいのポテンシャルがある業界だからこそ、中から変える必要があると思ったのです。(写真左から)税理士法人フューチャークリエイト 代表税理士 植島悠介氏税理士法人マッチポイント 代表税理士 小島匡彦氏平野龍一氏 取り組みを公開し、会計業界のビジョンを再構築する――多くの会計事務所がそういった取り組みを実践していけば、その先にいる中小企業にも広がっていきますね。小島 そうですね。ただ、今私たちがアクションを起こしても注目されません。業界を変えていくためには、自分たちが影響力を持つ事務所にならないといけない。そのためには規模感も必要です。当社は開業から2年で28名規模になりましたが、まだまだ足りないので、3年後に100人を目指しています。植島 私たちも、4年後に100人、売上10億円という目標を立てました。最初は7年後に100人と言っていたのですが、平野さんに修正されました(笑)平野 事業計画を立てるときに、「今のペースだったらできるね」というのは、戦略でも計画でもないですから。自分たちの意思を入れることが大事です。4年先のことなんてわからない。でも、ワクワクする未来を自分たちで入れていくことが事業計画なんです。植島 夜中に一人で事業計画を立てたのですが、ワクワクしました。平野 結局、クラウドサービスを導入して業務効率化ができたとしても、そこにワクワクはないんですよ。なんでワクワクするのかっていうと、やっぱり一番は成長なんです。成長を実感できることが一番なので、そこをつくっていくことが業界にとってすごく大事です。小島 会計事務所は、業務効率化して時間が空いても、ワクワクしない方向に行きがちなんです。空いた時間で倍の数の担当を持ちます、みたいな。そうすると職員も「だったら新しいことはやらずに、今のままでいいです」となってしまいます。平野 それって理由は明確で、会社としてのミッションやビジョンがないからです。例えば、フューチャークリエイトであれば、「日本中の中小企業を強くする」というメッセージを掲げています。そういったメッセージがあれば、職員もそこに向かって進んでいけます。――マッチポイントとフューチャークリエイトに関しては、明確なビジョンとともに、100人規模を目指すという具体的な目標もあります。では、北海道全体、さらには全国的に業界を改革していくために、どんなことが必要だと考えていますか?平野 まずは、北海道の会計事務所のトップ3を入れ替えること。北海道の会計事務所って、トップ3が30年間変わっていないそうなんです。30年あれば、日本の時価総額ランキングはガラッと入れ替わります。なのに、この業界は変わっていない。だから絶対に、この2事務所を北海道のトップ3に入れます。「北海道はすごく勢いがある! 挑戦していくんだ」という文化をつくっていきたい。小島 トップ3を入れ替えることが、一つの楔を打つことになると思います。北海道は、全国より10年早く労働人口が減っていくと言われています。つまり、私たちがやったことが、全国のお手本になるはずなんです。平野 これから、高齢化で会計事務所が少なくなっていくなかで、若い事務所には自動的にお客様が流れてきて、伸びてくると思います。ただ、業界に人を流入させることができなければ、いつかは受け入れられなくなるときがきます。だとしたら、業界の魅力度を上げて、事務所の魅力度を上げて、コンサル業界に行きたい人や、中小企業を元気にしたいという思いを持っている人がどんどん入ってくるようにしなければいけません。そういう思いがあれば、デザイナーでもいいし、マーケッターでもいい。いろいろな人が働けて、中小企業をトータルで支援できる組織をつくっていくこと。そのために、「魅力のある業界なんだ」という発信をしていく必要があります。植島 誰でも働ける会社をつくることは必要です。「簿記2級を持っていないと受けられません」ではなくて、「中小企業を良くしたい」という思いがあるなら働けるという状況にしないといけません。平野 まずはマッチポイントとフュチャークリエイトとともに北海道での活動に注力しますが、この2事務所だけが伸びればいいというわけではありません。業界全体を良くしていく、業界のブランドをつくっていくために、事業計画の立て方、人事評価制度のつくり方、情報発信の仕方など、今後取り組んでいくことは、プロセスを含めて良かったことも悪かったこともオープンにしていきます。小島 真似できるところは、どんどん真似をしてもらいたいと思っています。こんなに楽しそうに働いている30代40代の会計事務所の職員は、そんなにいないと思いますから。平野 私は、絶対に業界を変えられると思っています。マネーフォワードでの仕事を通して、中小企業にとって士業が重要なパートナーであることは実感していましたし、士業に対する信頼の厚さも肌身で感じていました。一方で、今の業界に対するブランドの低さ、認知度の低さ、会計事務所として求められているもののレベルの低さに対する課題も感じています。だから、この2事務所とともに会計業界の課題をクリアにしていって、新しい業界をつくっていきたいと思います。 
  • 北海道から全国へ! 会計業界を改革せよ Vol.2

    2021年6月15日、元株式会社マネーフォワードビジネスカンパニー執行役員の平野龍一氏が、税理士法人マッチポイントと税理士法人フューチャークリエイト(旧税理士法人シマ会計)に参画したというニュースが飛び込んできました。急成長中の企業を飛び出し、地方のベンチャー事務所とタッグを組んだ理由とは?平野氏、税理士法人マッチポイントの小島匡彦氏、税理士法人フューチャークリエイトの植島悠介氏の3名が目指す「新たな会計業界」について聞きました。撮影:山本 晃与(HATch.img)>>Vol.1はこちら まずは、会計事務所が変わることが必要――中小企業を良くしていくためには、パートナーである会計事務所のサポートが欠かせません。どのようなサポートをしていくべきでしょうか?小島 当社は、マネーフォワードを使うために立ち上げた会社ではありますが、顧問先にクラウド会計ソフトを使ってもらうことが目的ではありません。「これを機に、社内の効率の悪い経理を改善しませんか?」というのが本題です。中小企業の経理って、必要のない資料をいっぱいつくっていたりします。誰も見てない資料を、良かれと思ってつくっているケースが結構あるんです。だから、「それをクラウド化したり、ほかのシステムと連携させたりすることで、経理業務自体を変えるきっかけにしましょう」という話をしています。まずは効率化して、本業に集中できる環境をつくる。そのサポートができますよね。平野 ただ、業務の効率化だけをやっても中小企業は良くならない。売上を伸ばしたり、従業員の待遇を良くしたり、組織をしっかりつくっていくこと。さらに、会社のサービスを知ってもらう活動などもやっていかない限り、中小企業や地方はなかなか伸びないんです。私は、マネーフォワード時代に個人的にその支援をしていたのですが、この仕事はやっぱり、本来は士業がやってしかるべき仕事です。そのためには、まずは士業事務所が伸びないといけない。植島 例えば、事務所規模の拡大という点でいうと、私たちの事務所は1年で5人くらいのペースで職員が増えていました。これは、会計事務所としては比較的多い方なので、自分たちでは「すごく増えている」と感じていたのです。でも、一般企業から見ると少ないんですよね。この“枠にとらわれている”という点も、業界の課題だと感じています。だからこそ、一般企業の感覚や価値観を取り入れて、枠を取り払うことが必要だと思います。会計事務所は、経営に関して「会計事務所だから仕方ない」と諦めている部分がある気がしています。でも、自分たちができないこと、やったことがないことは、顧問先にもアドバイスできません。だから、会計事務所はまず、一般企業と同じ水準にならないといけないと思います。普通の企業がやっていることを自分たちもやって、それをお客様に提供できるようになるのが、中小企業を発展させることにつながる。そのためには、平野さんのように一般企業の感覚をぶつけてくれることは非常にありがたいんです。今、平野さんとやっていることが私たちの武器になって、その武器を使って中小企業を強くすることができるのではないかと思っています。(写真左から)税理士法人フューチャークリエイト 代表税理士 植島悠介氏平野龍一氏税理士法人マッチポイント 代表税理士 小島匡彦氏 会計事務所が中小企業のCxOを担っていく――会計業界に人材が入ってくるようになるために、会計業界が魅力的にならないといけないという話がありました。そのために、どのような取り組みをしていこうと考えていますか?平野 中長期的に絶対に実現したいと思っていることが、会計事務所の職員が中小企業のCxOを担っていくこと。CFO(最高財務責任者)やCSO(最高戦略責任者)、システム周りを担うCTO(最高技術責任者)など、職員が中小企業の重要なポジションを兼務していく。中小企業が、「財務担当をおきたい」「経営戦略を練りたい」「技術面を強化したい」といった計画を立てたとして、その担当者を採用するのは困難です。だったら、会計事務所がその役割を担い、しっかり支援していく。そうすれば、もっと多くの中小企業を支援できるし、会計事務所もサービスの単価も上げていくことができます。そのためには、今までと同じサービスの提供の仕方ではダメだし、今までと同じ学び方ではダメ。固定観念を壊して、さまざまな知見をどんどん取り入れて、まずは自分たちが実践していくことが必要です。植島 最近、「会計事務所は税務をやる」という当たり前自体がおかしいと感じるんです。私がやりたいのは、「中小企業を強くすること」。税務の申告書を完璧につくっても、中小企業は強くならないですよね。当社は、2021年8月から社名をシマ会計からフューチャークリエイトに変えたのですが、それは税務会計にとらわれたくないという思いからです。社名に“会計”が入っていると、税務会計しかやっていないイメージを持たれてしまうのではないかと感じたのです。地域では「シマ会計」という名前はある程度浸透していましたから、かなりチャレンジではありました。でも、ここで変えないと、これからやりたいことができなくなってしまうのではないかと思いました。小島 会計業界は今、人材流出を止めることと流入を増やすこと、どちらもやらなければいけません。サービスの単価を上げて給与水準を上げたり、資格がなくてもコンサルタントとして活躍できるように人材を育てることも大切です。私たちは『マッチポイントカレッジ』という学びの場を主宰しています。税理士法人マッチポイント、税理士法人フューチャークリエイト、伊東祐生税理士事務所の3事務所が合同で行っている組織学習の場です。マッチポイントカレッジでは、コンサルティングなどの付加価値業務を提供できるよう、実務以外にも提案力や交渉力などのコミュニケーションスキルを身につけるカリキュラムを実践しています。植島 会計事務所はこれまで、「背中を見て覚えなさい」という指導が多かったと思います。また、「人によって教えることが違う」ということも多くありました。実務に関するマニュアルはあっても、商談や営業スキルを体系的に学ぶ機会は少なかったのです。マッチポイントカレッジは他事務所と合同で組織学習を行うので、視野も広がりますし、ほかの事務所の職員が実践したことを共有することで、疑似体験が増えていきます。「やってみたらできた」という成功体験を積み重ねることで、職員のモチベーションが上がるのを実感しています。小島 付加価値業務を提供できるようになれば、会計事務所の価値はさらに高まります。会計事務所への顧問料は、会社を維持するための必要経費ではなく、会社を成長させるための“投資”であるべきです。マッチポイントカレッジ以外でも、私たちが取り組むことが今後の業界のスタンダードになるように、方向性を示したいと思っています。植島 でも、発信が下手なんです。それも平野さんに怒られましたね(笑)平野さんが参画すると決まって、プレスリリースを出したのですが、初めてのことでした。平野 自分たちができないのに、中小企業にアドバイスはできないですからね。例えば、顧問先が良いサービスを持っていて、「新しい店舗を出します」となったときに、「プレスリリースを出しましょう!」というようなアドバイスをできるかどうかはすごく大事だと思っています。だから、自分たちがどんどん外部のやり方を取り入れて、変えていくことをやっていかないといけない。マッチポイントとフューチャークリエイトは、それができる事務所だと思っています。>>Vol.3に続く 
  • 北海道から全国へ! 会計業界を改革せよ Vol.1

    2021年6月15日、元株式会社マネーフォワードビジネスカンパニー執行役員の平野龍一氏が、税理士法人マッチポイントと税理士法人フューチャークリエイト(旧税理士法人シマ会計)に参画したというニュースが飛び込んできました。急成長中の企業を飛び出し、地方のベンチャー事務所とタッグを組んだ理由とは?平野氏、税理士法人マッチポイントの小島匡彦氏、税理士法人フューチャークリエイトの植島悠介氏の3名が目指す「新たな会計業界」について聞きました。撮影:山本 晃与(HATch.img) 中小企業を救うには、いま動くしかない――平野さんがマネーフォワードの執行役員という立場を離れて会計業界に参画するというニュースを知り、驚きました。どのような経緯があったのでしょうか?平野 私はマネーフォワードに入社後、北海道支社長として会計事務所や中小企業にクラウド会計ソフトを導入してもらう活動をしていました。まずは札幌をメインに、ほとんどの会計事務所を回りました。次に、中小企業への認知を広げるため、いろいろな会に所属して、たくさんの経営者とつながりをつくっていったのです。そのなかで、中小企業の経営者から「マネーフォワードを入れたいけれど、顧問税理士が対応してくれない」という話を聞くことが多くありました。士業は、経営者からものすごく信頼されています。なのに、企業が変わろうとしているときに士業がボトルネックになっている。その結果、「30万円でも40万円でもいいから、平野さんに売上を伸ばしたり組織を強くしたりするコンサルティングをしてほしい」という相談をされることが増えてきました。ただ、これは本来、士業が担うことができる仕事です。多くの会計事務所が3万円、4万円で税務顧問を請け負っていますが、30万円、40万円でもコンサルティングを受けたいという会社がたくさんある。「それだけのポテンシャルがあるんですよ」ということを、税理士の先生方に言い続けていました。けれども、積極的に取り組んでいない事務所がほとんどです。さらに、こんなに魅力的な仕事なのに、優秀な人材がなかなか入ってこない。それは、業界のブランディングができていないからだと思います。情報がしっかり発信できていないんです。実際、「魅力的な業界だ」と言いながら、大手会計ソフトベンターなどから会計業界に入る人は少ないですよね。これは、マネーフォワードでもみんなで話をしていたことなのですが、人材が入ってこないというのは、大きな課題です。そこを解決できれば、会計業界はもっと良くなるし、顧問先である中小企業はもっと前に進むことができる。これから労働人口が減っていくと言われています。これは北海道にいると実感するのですが、地方の中小企業はすでに採用が厳しい状況です。さらに、コロナ禍で追い討ちがかかり、オリンピック後の経済も不透明。中小企業にとって重要なパートナーである会計事務所が、しっかり支えていかないといけません。もはや、待ったなしの状態です。しかも、税理士業界はただでさえ平均年齢が高いですから、5年、10年先なんて待っていられない。だったら、「誰かがやるのを待つのではなく、自分がやろう」と決めました。中小企業にとってもマネーフォワードにとっても大切なパートナーである会計業界を、さらに魅力的な業界にして、ブランド化する。これは、挑戦する価値があると感じました。(写真左から)税理士法人マッチポイント 代表税理士 小島匡彦氏税理士法人フューチャークリエイト 代表税理士 植島悠介氏平野龍一氏 中小企業を支えるのが、会計事務所の仕事――会計業界に入ると決意したときに、小島さん、植島さんと一緒に挑戦しようと思った決め手は何だったのでしょうか?平野 小島さん、植島さんに出会ったのは2016年頃ですが、出会った当初から「北海道のために一緒にやっていこう」という話をしていて、実際に積極的にアクションを起こしてくれていました。だから、「絶対に責任を持って支援する」と決めていました。小島 実は、マッチポイントは元々、「平野さんと一緒に仕事をしたい」「そのためにマネーフォワードを使いたい」という理由で、社内ベンチャーのような形で立ち上がった事務所なのです。先ほど、平野さんが札幌の事務所はほとんど回ったと話していましたが、当時私が所属していた事務所には来ていなかったんですね。ただ、平野さんのセミナーを聞く機会があって、ぜひ一緒にやりたいと感じました。北海道や中小企業を良くするためには、会計事務所がちゃんとサポートしなければいけないという考えが、私たちと共通していたのです。でも、当時の事務所はマネーフォワードを導入する予定がなかった。そこで、現在マッチポイント株式会社の代表を務めている鈴木(洋平氏)と、「マネーフォワードを導入することで事務所の顧問先も増やしますから、新しい会社をつくらせてください」と所長に事業計画を出し、できた会社がマッチポイント株式会社です。植島 うちの事務所は、平野さんが入る以前からマネーフォワードを使っていたので、入社したての平野さんが上司と一緒に来たのを覚えています。当時はまだ今みたいなアツい感じは出ていなくて(笑)、すごくメモをとっていた印象です。その後、セミナーに誘われて、マネーフォワードをどう活用していくか、中小企業をどう良くしていくかなどを学ぶなかで、「これはやるしかない!」と。私たちの事務所は、誰かに動かされないと動かないタイプですが、動き出したら「よし、やろう!」と一気に進むんです。それで、「全部マネーフォワードにします」と平野さんに伝えました。その本気度を感じてくれていたのかな、と思います。平野 マッチポイントとフューチャークリエイトには、「北海道の中小企業を良くしていこう。会計事務所を良くしていこう」というコミットメントをすごく感じていました。そのために「自分たちが変わっていこう」という気概を感じたんです。それが私にとっては一番大きかったですね。>>Vol.2に続く 
  • 【所長たちのホンネ座談会 Part2】経営者がやるべきことは仕組みづくりと人材創出

    職員の先頭を走り、自ら道を切り拓いていく所長たち。「経営者としてのモチベーションは何か?」「モチベーションが下がったらどうする?」「所長の仕事とは?」など、普段は聞けないホンネに迫る座談会を開催。税理士法人SS総合会計の鈴木宏典氏、社会保険労務士法人リライエの石田隆利氏、税理士法人阿比留会計事務所の阿比留一裕氏、スクエアワン株式会社の石川和司氏の4名が語り合います。〔司会〕株式会社アックスコンサルティング コンサルタントPart1はこちら 所長のモチベーション自分の運命に責任を持つ独立した存在が楽しい司会 時には、「今日は仕事をしたくないなぁ」と感じたり、気持ちの浮き沈みもあると思います。 どのようにケアしていますか?石川 〝自分の運命をコントロールできる状態〞にあることが、すごく重要だと思っています。経営者は、「嫌なら断ればいい」「信条に合わないから断る」というのが、自分の責任でできる。私の場合、そういった独立した存在であることが、自分を解放してくれて、楽にいられるので、仕事へのモチベーションが上がる要素になっている気がします。鈴木 多くの人は、自分に降りかかった困難を外部のせいにしてしまうと思うんです。石川先生はすごくハードルの高いことを実践されていて、素晴らしいですね。石田 私自身は、モチベーションが下がろうが、「仕事だからやる」 という感じですが、職員が成長したり、変わった瞬間を見ると、やる気は出ます。阿比留先生のモチベーションも聞いてみたいです。阿比留 私は子どもの頃から、やる気のなさに定評がある人間でして......。〝モチベーションややる気に依存しない仕組みをつくる〞 という路線で生きています。例えば集客も、自分が頑張らなくても提携先から自動的に紹介がくる仕組みになっています。スタッフの仕事も仕組み化しているので、こと細かに指示は出しません。むしろ、「所長の工程、早く終わらせてください」と職員から圧がかかるくらいです。案件も業務も、来てしまったらやるしかないので、 やります(笑)。モチベーションによって成果がぶれるという状態が嫌なので、機能的な仕組みを構築するプロセスが好きなんです。なので、モチベーションを上げるとか維持するという発想がそもそもないですね。司会 モチベートが必要な人、仕組みがあれば自然にできる人、両方のタイプがいますよね。鈴木先生は、どのように情熱を持ち続けているのですか?鈴木 私は、仕事そのものが好きなんです。お客様と話したり、経営塾の塾生に響いている感じだったり、自分が役に立って、みんなの関係性が変わる仕事そのものがモチベーションになっています。もちろん眠い朝もありますが、 やっているうちに楽しくなっちゃうんですよね。お客様への価値提供そのものを、魅力に感じているのだと思います。石川 経営者は、仕事とプライベートの境目があまりない人が多いように思います。仕事のことを考えないようにする方が、かえってストレスなのかもしれません。 組織と人材の育て方顧客満足を軸に従業員満足を考える司会 経営者として、職員さんの成長や動機づけについてはどのように考えていますか?石田 以前、お客様から「あなたはもう来なくていい。スタッフさんが来てくれたら十分だから」と評価されたときには、これを繰り返せたら業界も地域も良くなっていくだろうという希望につながりました。司会 一方、阿比留先生は......阿比留 育てる気がないですから(笑)。それぞれの調子や個性による振れ幅をなくして、常に一定のクオリティを提供し続けられる仕組みにしています。なので、採用のときは、「何も教えないし、成長させる気もない」ということを伝えます。妙にやる気のある人ではなく、毎日決まった仕事をこなすことにモチベーションを感じられる人を採用したいので。石川 一貫した姿勢がすごいですね。私自身は「飲みながら話そうか」など、ある意味昭和的な感情マネジメントをしている傾向があるのですが、「果たしてそれが本当にお互いのためになっているのか」と、いま思いました。リー ダーって孤独な面があって、それを会社や事務所で埋め合わせしているような気がします。こちらがよかれと思ってやっていることが、実は自分の満足にしかなっていないこともありそうです。司会 鈴木先生は、パートさんを担当者レベルに成長させていく、ということをされていますね。鈴木 私は阿比留先生と逆ですよ。成長やお客様への価値提供こそが、エンゲージメントを高める要素だと思っています。CS(顧客満足) を軸にしたES(従業員満足)じゃないと意味がない。お客様に価値提供するための型があって、それを乗り越えて成長することが一番のモチベーションになるんです。自立型人材の育成には3つの要件があって、まずはしっかりした型をつくること。次に、目的・理念をはっきりさせること。最後に、できたら承認、できなかったらダメだったことをきちんとフィードバックする。お客様への価値提供が一番崇高で、それを実現する仕組みを会社としてつくる、モチベーションとシステムを両立することが重要です。司会 人としての関わりだけでは依存関係になってしまうので、仕組みやレベルアップの目安をつくるということですね。鈴木 人は結局、仕事ができるようになればモチベーションも上がるのだと思います。単に昇給や福利厚生を充実すればいいのではなく、自分の業務と組織の理念が結びついていることが大切だと考えています。 所長の役割ビジネスモデルの構築と最後の砦としての安心感司会 経営者は、プレーヤーとして困難な局面を乗り越えたり、ビジネスの仕組みをつくったり、仕事の幅が本当に広いですね。そのなかでも、所長として絶対に外せない仕事とは何でしょうか?阿比留 ビジネスモデルをつくることです。誰をターゲットに、どんな付加価値を提供し、どういう仕組みで実行するか。そして、お客様やスタッフとして、どんな人を受け入れて、排除するか。その部分は経営者にしかできません。所長が頑張って申告書を書くより、事務所に合わないお客様を1件解約してくれた方が、スタッフは喜ぶ気がします。石川 志を同じくする、優秀な人財を集めることでしょうか。高収益な体質をつくるためにも、人財は重要です。石田 私が従業員だったら、経営者には最後の砦であってほしい。心が折れそうなとき、「あの人がいれば大丈夫」という存在。そういう意味で、私も早く本当の経営者になりたいです。鈴木 やはりビジネスモデルの策定でしょう。そして、理念策定と浸透。私の場合はプレーヤーも兼務しているので、一つくらいは誰にも負けないものがあってもいいと思っています。石田先生がおっしゃっていたように、「さすが所長」と頼られる存在になりたいです。司会 最後に、ほかの先生に聞いておきたいことはありますか?鈴木 石田先生に、社労士としてのビジョンを聞いてみたいです。石田 地方は若者の減少が顕著です。コロナ禍で、さまざまな変化もありました。「全国の田舎の労働環境を変える先導者になる」というのが、最近の経営理念です。いまは、学びの場を提供する学校も開催しています。鈴木 うちも社労士をかかえていますが、それぞれ特徴が出るものですね。阿比留先生は、次の計画は何かありますか?阿比留 税理士を雇おうかな、と思っています。私の実務を引き継ぎたいのと、将来父が引退して税理士が減ると、法人でなくなりますから。あまり心踊る計画ではありませんが(笑)。司会 これからも定期的に、皆さんの動向を知りたいですね。今日は起業家としての力強い原動力を垣間見ることができました。ありがとうございました。※月刊プロパートナー2021年5月号より抜粋 
  • 【所長たちのホンネ座談会 Part1】独立、承継、職員の一斉退職…所長の苦労を語る

    職員の先頭を走り、自ら道を切り拓いていく所長たち。「経営者としてのモチベーションは何か?」「モチベーションが下がったらどうする?」「所長の仕事とは?」など、普段は聞けないホンネに迫る座談会を開催。税理士法人SS総合会計の鈴木宏典氏、社会保険労務士法人リライエの石田隆利氏、税理士法人阿比留会計事務所の阿比留一裕氏、スクエアワン株式会社の石川和司氏の4名が語り合います。〔司会〕株式会社アックスコンサルティング コンサルタント 独立・事業承継の思い継ぐか? 独立か?最初の決断のきっかけ司会 まず、いつ頃から独立しよう、所長になろうと考えていたかを聞かせてください。阿比留 私は、小学6年生のときに父が税理士事務所を開業したので、「継いだらラクができる」と思ったのがきっかけです。親の助言もあり、「大学4年で公認会計士試験に合格して、修行を5年してから帰ろう」と、その当時に決めました。と言っても結局、法人として申告は一緒にしていますが、実質的には別事務所です。石川 私の場合、学生時代から資格を取って事務所を開こうと考えていたので、就職活動もしていません。結果、試験に合格するのに6年かかってしまいましたが。石田 私は20歳のときに悪徳不動産会社から痛い目に遭い、法律に興味を持ったのがきっかけです。それで、この先10年で10個の国家資格を取って独立しようと決めて、一番独立しやすそうだった社会保険労務士として開業しました。顧問契約書のつくり方も知らない状態からのスタートだったのですが、当時は頼れる人がいなくて、二代目の経営者をうらやましいと思ったこともあります。司会 鈴木先生は二代目ですよね。鈴木 はい。親からは「自分の好きなことをしてほしい」と言われていましたが、大学が法学部で、大学院にも行き、やっぱり税理士になろうかな、と。あと、父の影響はあります。仕事熱心で、「あれだけ情熱をかけられる仕事ならいいな」と思いました。また、もともと講師業や教師に憧れていたので「税理士は経営の先生だよ」という母の言葉も大きかったですね。実際には領収書ばかりの世界でびっくりしましたけど(笑)。石川 なかには継ぐのが嫌な方もいらっしゃるのでしょうか?阿比留 継ぐのは難しいですよね。私の場合、父の事務所の職員は私が生まれたときから知っている方ばかりで、一緒に働くのはなかなか難しいなと思って。それもあり、物理的には分けています。鈴木 うちは親子でぶつかった経験があるので、継いだ人の気持ちはよくわかります。小さなことにこだわりすぎず、潔癖になりすぎないことが大事ですよね。 開業後の苦労まさかの全員退職…二代目ならではの悩みも司会 独立後は、大変な苦労もあったのではないでしょうか?石川 縁もゆかりもない所で開業したので、「大変だったね」とよく言われますが、自分とお客様のために100%の力を出せることがすごく楽しくて。日々良くなっていくだけなので、簡易書留を出す作業も楽しかったですね。守るべきものが増えた今のほうが、何かと恐怖があるかもしれません。例えば、開業して5年目の頃、ある不動産会社による売上げが全体の7割を占めるようになったんです。1社に依存しているのが怖くて、別の不動産会社や銀行と取引しようと動いたのですが、すでに先輩の先生方が固めていて。そこで、お付き合いの多かった税理士の先生とタイアップする『会計事務所サポートサービス』を始めました。私はすぐに調子に乗ってしまうタイプなのですが、不安や恐怖に直面することで、成長へとつながっているように思います。司会 石田先生も、ベースがないなかでの独立だと思いますが、特に苦労した時期はありますか?石田 仕事は順調に増えていたのですが、開業3年目のある日、4名いた職員全員が一斉に退職してしまったんです。退職届を突きつけられて、引き継ぎもなく、パソコンのデータも……。鈴木 すごいですね……。どうやって乗り切ったんですか?石田 すぐにハローワークからパートさんを紹介してもらい、今では記憶がないくらいに働きました。あまり社労士のいない地域で、私が辞めたらお客様が困ると考え、「やるしかない」という気持ちです。事業拡大のために広い事務所に移転を決めた矢先の出来事で、さみしい日々を過ごしました。司会 ほかの先生方は、つらいときにどのように思考を切り替えてこられたのでしょうか?阿比留 私は開業当初、事業再生やM&A業務だけをするつもりでした。でも、一人目のスタッフを雇った直後に民主党政権になり、金融円滑化法が出て事業再生の仕事がゼロになったんです。このときはきつかったですね。それで、「まじめにやらなきゃ」と税理士業務へ方針転換して、美容院と飲食店に特化しました。もともと、自分じゃなくても良い「その他大勢」になるのが嫌で、特徴のある存在でいたいという気持ちが強いため、思い切った方針転換ができたのかもしれません。鈴木 皆さんは開業という不退転の決意があったと思いますが、私は決意しきれない、自立しきれない二代目特有の悩みがありました。「まったく性格の違う父と一緒にやっていけるのか」「税理士として自分のスタイルをつくりたい」と悩み、父に反発していた頃が一番つらかったですね。恵まれているのに感謝できなくて、職員を不安にさせていました。司会 どのように気持ちを切り替えたんですか?鈴木 一般社団法人才能心理学協会の北端康良先生にプロファイリングをしてもらったことで変われました。自分の思いを理解して、父にきちんと話せるようになったことで、引き継ぎもしてもらえるようになりました。結局のところ、二代目で一番重要なのは〝二代目であることを受け入れて、親の土俵で踊れるか〞だと思います。某家具会社のように親を公の場で公開処刑するなんてもってのほか。やっぱり、親に認められないと、高く飛ぶことはできないんですよ。今では後継者向けの経営塾をやっていますが、そこでもこの話をしています。Part2へ続く※月刊プロパートナー2021年5月号より抜粋  
  • 【税理士替えたい110番】この事務所に相続や事業承継の相談をして大丈夫?

     顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。今回は、「担当者が頼りなくて事業承継の相談ができない」という事例です。 信頼できる税理士に事業承継の相談をしたい不動産オーナーの親からテナントビルの賃貸業を任されることになりました。現在、親の所有しているテナントビルは6棟あり、年間で3000万円ほどの家賃収入があります。いわゆる家族経営で、両親は80代と高齢なこともあり、「認知症になったら...」などの不安も出てきています。1年ほどかけて事業の引き継ぎをしていく予定なので、これを機に相続や事業承継に強い税理士を探そうとしています。これまでは父の知り合いの税理士に顧問を頼んでいたのですが、事務所が遠方にあるうえ、うちの担当はアシスタントの方。小さなミスが多く、事業承継にも詳しくはなさそうなので、正直不安です。もし近場で信頼できる税理士がいれば、そちらにお願いしたいと思います。依頼したいのは、事業承継計画の作成や税金に関する手続きなど、事業承継についての総合的なサポートです。ほかにも、自計化のチェックや決算、自社株の計算なども依頼する可能性があります。また、当社のビルには幸いにもコロナ禍の影響を受けにくい業種の店舗や企業が入っているのですが、それでも前年比で収入が減少しているので、何か対策が必要だと考えています。節税や賃貸経営に関するアドバイスなどもしていただける方だと助かります。付き合いもあるので父は顧問を替えることに積極的ではないのですが、私自身、今の先生には相談しづらいのが正直なところです。事業を継ぐ身としては、専門的な知識があり、相談しやすい先生の方が安心なので、父ともよく話し合い、変更する方向で動いています定期的にヒアリングを行い、相続や事業承継のニーズを把握顧問先の年配の経営者をリストアップし、定例の面談時に相続や事業承継に関してヒアリングをしておくと良いでしょう。日頃から要望をすくいあげ、方向性を話し合っておくことが安心感につながり、顧問 契約を乗り替えられないための対策にもなります。自社で対応できない場合でも、事業継承専門の同業者を紹介するなど、顧問先をサポートする姿勢が大切です。また、 職員で対応しきれない相談であれば、移動時間が不要のオンライン面談ツールなどを使い、所長や税理士がフォローすることも必要です。※月刊プロパートナー2021年4月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼ 
  • 事務所のブランド力UPでシニア層への訴求に効果あり!

    インターネットでの情報収集がメインとなった昨今でも、シニア層を中心に書籍は根強い信頼を得ています。同じく信頼度が重要となる士業との相性も良い書籍を使い、相続案件獲得に成功している2事務所の事例を紹介! 書籍×セミナーで提携先の拡大を実現書籍マーケティングで提携先からの紹介獲得に成功した高橋英之氏。効果的なBtoB営業での活用方法とは?信頼度が上がりBtoB営業に有効私は2012年に開業し、翌年から相続専門のホームページを作成するなど、相続業務に取り組み始めました。主な集客ルートとしては、自社開催のセミナーや不動産会社主催のセミナーが中心。その後、2015年の相続税法改正で世間的に相続ブームが起きたこともあり、さらに相続業務に注力しようと、共同出版企画で『相続は準備が9割』を出版しました。書籍は、農協や不動産会社、ハウスメーカーなどへ営業に回る際に配布。それまでもチラシやパンフレットは持参していましたが、「本を出していること」でブランディングができ、より信頼度が上がる手応えを感じました。また、セミナー参加者にも参加特典として配布。不動産会社主催のセミナーの場合は、書籍を買い取ってもらい、特典として使ってもらうこともありました。書籍は2000円弱するものですから、お得感があり、お客様にはとても喜んでいただけました。なかでも、特に印象に残っている案件があります。一人暮らしのおばあさんがセミナーに参加してくれたのですが、その何年後かに、息子さんから連絡があったのです。 「うちの母が亡くなったのですが、この本を持っていたので、先生に相談しに来ました」と言うのです。 私もそのおばあさんを覚えていたので、「本を大切に持っていてくれたんだ」と感慨深かったですね。最近ではLTV(顧客生涯価値)向上に注力し、民事信託、任意後見、 遺言執行、不動産売却など生前対策の提案力アップに、事務所全体で取り組んでいます。仙台市内3店舗の強みを活かし、ローカルマーケットのシェア拡大を進めます。  相談前に信頼度が上がり第一印象の格上げに成功書籍活用でブランド力向上に成功した税理士法人エスペランサ。事務所内での活用方法を、ふじた美咲氏に聞く。待合室に置くことで初対面でも話が弾む当社は、2014年に相続専門のサロンとして、愛知県名古屋市に『相続ラウンジ』を開設しました。当時、中部エリアでこういった取り組みをしている事務所はなく、思い切った決断でした。「まずは、とにかく知ってもらうこと。そしてブランディングが必要」と考え、相続ラウンジ専門のホームページやパンフレットをつくり、電車の中吊り広告を出すなど、さまざまな施策を打ちました。 そのなかで、信頼度を高めるために有効だったのが、共同出版で出した『相続の税金と対策』です。もともと書籍は出してみたかったのですが、一から自分たちで執筆するのは難しい。そこで、共同出版に参加したのです。出版後は、顧問先、提携先、セミナーの参加者などに、とにかく配布。渡す際には、「無料で差し上げますので、読み終わったらぜひ、誰かに勧めてください」と伝えるようにしました。 また、ポスターを所内に貼ったり、事務所の相談室に書籍を置いておくと、相談に来られたお客様が待っている間に手に取って読んでくれます。すると、私が部屋に入った瞬間に「あ、本人だ!」という反応があるんです。「本を出している人だ」という認識で話を聞いてくださるので、第一印象が格上げされて、信頼度が上がった状態で話ができます。ほかにも、出版歴があることでセミナーの講師に呼ばれやすくなる効果も感じました。プロフィールに書けるので、呼ぶ方も安心感があるのだと思います。今後は、書籍を教科書がわりにした勉強会形式のセミナーなどもやってみたいと考えています。 ※月刊プロパートナー2021年6月号より抜粋いかがだったでしょうか?『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。▼14日間の無料体験はこちらから▼
  • 相続申告業務で売上をあげられない税理士の3つの誤解

    通常、年間数件しか案件が来ない「相続申告業務」。突発的に案件が来るので、経験豊富な先生が対応することが多く、業務フローの見直しや業務効率化が困難な分野です。さらに、案件ごとに内容が異なるため、過去の事例が参考にならないこともあり、職員の方に任せるのが怖いという意見もあります。確かに、内容も複雑で責任も重い業務の1つです。しかし、ある税理士事務所では、所長先生1人+職員1人で年間60件もの相続案件を受注されており、相続ビジネスで安定的に売上をあげています。なぜ同じ相続申告案件にもかかわらず、ここまで成果の違いが出るのでしょうか?そこには、3つの誤解があるからだと私たちは考えています。 1.「相続申告業務は対応できる先生だけが頑張るものである」という誤解冒頭でもお伝えした通り、相続申告業務は通常、年に数件しか依頼がないものです。責任も重い業務であるため、所長先生ご自身で対応されるケースがほとんどです。そのため、職員に任せることができないと、どうしても先生の業務時間が増えてしまいます。職員に業務を引き継ぐのが怖いのは、どの業務なら職員に引き継げるのかの線引きが上手くできていない、そして相続申告業務を職員がこなすためのマニュアルがないことが原因です。結果、「相続申告業務は所長だけが対応するもの」になってしまっている事務所が多いようです。しかし、相続申告業務は本来、業務内容と担当範囲を明確にして標準化できれば、先生の負担も減らすことができ、かつ職員も安心して取り組むことができる業務なのです。ただ、そこに取り組む事務所が少ないというのが現状です。 2.「自分のノウハウだけで教育、ルーティン化しづらい業務である」という誤解相続申告業務はその特性上、通常業務と並行して案件対応をするため、納期に追われることも多くなりがちです。忙しい所長先生が業務の合間を縫って相続申告業務の業務フローの確立を行ったり、ましてやそのフローを明文化したりするということは非常に困難です。とはいえ、結局は所長先生ご自身の記憶や経験、ノウハウのみで相続申告業務のマニュアルを作成しなければならないとお考えではありませんか?相続申告業務においては、事務所専用のオリジナルマニュアルを作る必要はなく、成功している会計事務所のやり方を参考にすることができます。これは、記帳代行や月次顧問業務においても同じことが言えます。もし、マニュアルを作ることで精いっぱいになってしまい、いつまでも職員に業務を下ろせないままでは本末転倒です。注力するべきはマニュアル作りではなく、実際に業務をおろして職員が実務にあたった際のフォローや、さらなる案件の獲得です。 3.「自分で読んでわかりやすいマニュアル=職員にもわかりやすいマニュアル」という誤解仮にマニュアル作りの時間を確保できて、先生の納得のいくマニュアルができたとします。しかし、所内で所長以外に相続申告業務を扱える人材がいない場合、「そのマニュアルの中身をチェックできる人がいない」状況になってしまいます。つまり、そのマニュアルが本当に使いやすいかどうかは、実際に職員に見てもらってからでないと分からないのです。「専門的な言葉ばかりで難しい・・・」「資料がたくさんあり過ぎて理解が追い付かない・・・」「肝心なところの説明が足りない・・・」など、職員からフィードバックをもらって、さらにマニュアルをブラッシュアップすることを繰り返していると、やはりマニュアルの完成が遠のいてしまいます。「先生の視点から」の完璧なマニュアルと「職員の視点から」の完璧なマニュアルは必ずしもイコールではないのです。これら3つの誤解があるため、多くの方が相続申告業務獲得で本来注力するべきポイントに力を割けず、いつまでも現状の案件数を維持したまま、という状況になってしまうのです。では、相続申告業務で案件を増やし、売上を上げるには何に取り組めばよいのでしょうか?それは、・相続申告業務ができない職員の方でもできる作業、役割をつくり出す・業務の全体像を共有し、ノウハウを蓄積する仕組みや指導できる環境を整える・業務内容を可視化・ルール化し、いつでも誰でも確認できるようにすることでサービス品質を高めるこれら3つを実施することで、品質を維持したまま案件1件ごとにかける時間を削減し、今までのリソースでより多くの相続申告業務に取り組むことができます。今回お伝えした方法を実践することで、・年間60件以上の相続申告案件を受注・相続申告業務未経験の職員を3カ月で戦力に教育を実現した税理士事務所のノウハウを凝縮したマニュアルもございます。ご興味がありましたら、ぜひ下記ページをご覧ください。↓ ↓ ↓https://www.accs-c.co.jp/lp/shimane_dvd2020/?from=ppo
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