タスクの細分化で効率化を加速!
- 2022.03.14
- プロパートナーONLINE 編集部
開業と同時にリモートワークを開始したはやし総合支援事務所。
代表を務める林 雄次氏が、10名全員が連携をとり合って
スムーズに運営できる仕組みを公開します!
仮想オフィスの設計とフォローできる環境をつくる
私が生産性を上げるために行っているのは、個人と組織も含めて一度、頭の中にあるタスクをすべて書き出して
そのタスクを細分化することです。
これによって、本当に私が行う必要があるのか、
スタッフに任せられるものなのかを整理することができます。
また、細分化の利点は、職員同士のフォローがしやすいこと。
「ここまで対応したので、次の工程からお願い」というような
依頼がしやすくなります。
加えて、細分化すれば誰でもできる単純なタスクも発生しますので、
スキルによって振り分け指示がしやすくなるのも利点の一つです。
さらには、一つひとつのタスクには必ず納期が発生するため、
日々納期を守っていれば繁忙期が重なって疲弊するということもありません。
弊社では大規模なものを含めて10社以上の給与計算業務を対応していますが、
残業をほとんどせずにこなせています。
リモートワークで生産性を向上させるポイントは、
〝とにかくシンプルに〞です。
誰に確認すれば良いのかわからない、
書類の保管ルールが細かい、
入力が必要なデータが複数あるなど、
複雑になればなるほどルールは守られなくなります。
ですので、単純化を意識することが重要です。
当社では、平日時短勤務のスタッフや土日にオフィスに
出社して庶務作業をしてくれるスタッフがいるなど、
フレキシブルな働き方を実現させています。
今後、ニューノーマル時代のモデルケースとなるように
業務改善と新サービスの開発をしていきたいと思っています。
【複雑な業務を細分化するコツ】
(1)頭の中にあるタスクをすべて書き出す時間がかかっても良いので、途中や未着手のものまで
必ずすべてだしきることがポイント。
(2)書き出したタスクをカテゴリーに分類していく
業務を細かく書き出していくことで
必要な業務なのか不要な業務か取捨選択できる。
(3)本当にやるべき業務か判断する
本当に自分にしかできない業務なのか
人に任せてもいい業務なのかを区別する。
(4)人に任せる業務のレベル分けをする
スタッフの向き不向きやスキルに合わせてタスクを振り分ける。
離れているからこそタスクは細かく
進行管理&フォローをしやすい状態をつくる
まずは頭の中にあるタスクをすべて書き出して整理するリモートワークでの生産性を阻害する要因として
現状把握ができずに処理スピードが遅れることがあげられる。
この問題を解決するためにまず、
個人と組織が抱えているタスクをすべて書き出して分解する。
「重要なのは頭の中にあるものを100%把握するために
些細なものまですべて書き出すことです。
そして、不要か必要かを分類して
必要なタスクを細分化していきます。
すると、スタッフに任せる作業、
自分がやらなければいけない作業というのが見えてきます」(林氏)。
POINT
業務を細分化すればフォローがしやすい・誰でもできる!
タスクを細分化することで、スタッフに任せる業務と対応必須の業務を切り分けている林氏。
実際の業務の流れを解説します。
細分化すればほかのタスクの隙間時間に対応ができて効率的!
「担当制ではなく、各職員のスキルなどを考慮してタスクを振り分けていきます。現在は2名の職員が給与計算を担当してくれていますが、
タスクをフローごとに分解して、
1カ月の全業務サイクルの中の「すきま時間」で対応しています。
確認待ちなどで時間ができたら、
その間を利用してほかのタスクを進めていけるので、
時間を効率よく使えます」(林氏)。
初期導入と仕組みを整えればあとは運用するだけ!
「新規クライアントでクラウド給与システムへの乗り換えが困難な場合、サービス開始までに先方が使用している勤怠システムや
サーバーに合わせたインフラ整備、
ローカルルールに弊社が慣れる必要があります。
しかし、初期導入費用をいただき、
細かくスケジューリングしてしまえば、
年次や月次の事務手続きも運用がスムーズになります」(林氏)。
アレもコレもはNG!
使用ツールは極力少なく・わかりやすく
作業環境は基本の「5S」シンプルでわかりやすさを意識〝ルールは少なく〟が生産性アップのコツ。
「ルールが多いと煩雑になってしまうため、
書類データの管理方法も各顧問先フォルダを作成し
必要な書類を分類して保管するだけ。
最低限の統一ルール以外は細かく強要していません」(林氏)。
また、主な使用ツールは基幹システムと連携したkintoneと
コミュニケーションツールのChatworkのみ。
使用ツールも限定することで、
シンプルな導線と運用しやすいルールをつくることができる。
生産性低下の元凶は「誰に聞けばいい?」
明確な指示系統でルールをシンプルに
進行管理ツールとチャットを連動させてタスクの振り分け初期面談やクライアントのインフラ整備は林氏とコアメンバーが行い、
受任後の業務は各職員のスキルや抱えている業務ボリュームや
向き不向きを考慮して差配する。
「タスクの振り分け指示はChatworkから行います。
依頼した内容はkintoneに反映されるため、抜け漏れはありません。
最初から業務を細分化すると小回りが効くので、
スタッフが急遽休むことになってもすぐにフォローでき、
作業が滞ることはありません」(林氏)。
▲[林氏の1日のタスク内容]
「今後は事務作業の割合を減らして業務改善・ 新サービス構想と
自己研鑽の時間を増やして いけるよう改善を図っていきます」(林氏)。
POINT
手元にタスクを持ったままの状態にさせない
新入社員もリモートワークでのスタートのため、マニュアルを用意。ツール操作ガイド、情報システム運用、業務フローマニュアルに沿って業務を行い、
不明点はChatworkやzoomで気軽に質問できるように配慮している。
コミュニケーションはチャットツールに限定
情報の汲み取り方や齟齬を防止!共有のしやすさも考慮リモートワークだからこそ正確な情報伝達が重要。
クライアントとの連絡も電話やオンライン面談ではなく
極力メールやChatworkを使ってやりとりの共有を行う。
「メールワイズを活用して、対応履歴の管理やステータス管理も行い、
事務所内の情報共有に役立てています。
お客様とのやりとりは基本的には代表である私かコアスタッフですが、
情報共有が自動でできると、先方からの急な相談にも対応でき、
タスクの振り分けもスムーズになります」(林氏)。
納期から細分化したタスクの〆切を逆算
「仕事を溜めない」が鉄則!平準化させて波をつくらない給与計算など毎月締め切り日が決まっている業務は
逆算していつまでに何を終わらせるか細かく洗い出し、
〝溜めずにコツコツが原則〟。
「タスクを細分化するのは、忙しい時期をならして平準化させるためです。
小さな締め切りを日々守っていれば被ることは稀です」(林氏)。
POINT
クライアント規模によって対応スピードは変化する
「顧問先の規模や専任担当の有無、使用ツールによって、先方が処理をするスピードは変化します。
そのため給与支給日が重複していたとしても、
忙しい時期が被ることは基本的にはありません」(林氏)。
リモートワークの作業効率を加速させるお役立ちツール7選
フルリモートで200件超の顧問業務や給与計算業務を行う、はやし総合支援事務所。林氏が実際に使用しているお役立ちツールをご紹介します。
▲モバイルバッテリー
PC充電ができるものは災害時にも役立つ。短めのケーブルならコンパクト
▲バタフライボード
Webミーティング中に図を書いて説明したいときに使用
▲小型リングライト
持ち運びが簡単で外出中のWebミーティングにも便利
▲ヘッドセット
ノイズ除去性能の高さ、収納中に充電できるケースがあるものをセレクト
▲モバイルプリンタ
外出先でのコピーや予備のプリンタとして活躍
▲書画カメラ
手元の紙資料やスマホの画面を映すときに使用
▲モバイルモニター
デスク以外で仕事をする際に。 簡易プレゼンの時にも使える
ツール選びのポイント
「レビューなどを参考に購入。細かい部分の用途や使いやすさは、
あまり高価なものでなければ、ひとまず買って試してみるのがおすすめ。
ツールはどんどん改善されているので、定期的に新しいものをチェックします。」(林氏)。
林氏の関連記事はこちら!
なぜDXが必要なのか、社労士の業務が今後どう変わるのかなど、士業とDXの関わりについて、林氏にインタビューした記事を
以下のページにて公開中!
>>>記事を読む
また、インタビュー時の音声も
オンライン限定コンテンツとして特別公開しています。
ぜひこちらからご視聴ください。
>>>音声を視聴する
プロフィール
林 雄次氏
はやし総合支援事務所 代表
大手IT企業でシステムエンジニアとして勤務する傍ら、社会保険労務士の資格を取得。
エンジニアと社労士を掛け持ちしながら、社労士業務の効率的なフローを構築。
在職中に行政書士の資格も取得し、2年の兼業の後、2020年に独立。
さらには、情報処理支援士や旅行業務取扱管理者など多数の資格を保持し、
ニューノーマル時代企業の働き方改革支援なども多く手がける。
https://h-office.biz/
大手IT企業でシステムエンジニアとして勤務する傍ら、社会保険労務士の資格を取得。
エンジニアと社労士を掛け持ちしながら、社労士業務の効率的なフローを構築。
在職中に行政書士の資格も取得し、2年の兼業の後、2020年に独立。
さらには、情報処理支援士や旅行業務取扱管理者など多数の資格を保持し、
ニューノーマル時代企業の働き方改革支援なども多く手がける。
https://h-office.biz/
関連コンテンツ