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【特集】記帳代行&給与計算は「納期」「ルール」「価格」を整備して効率化!

【特集】記帳代行&給与計算は「納期」「ルール」「価格」を整備して効率化!

記帳代行と給与計算を効率化するポイントについて、
数多くの士業事務所の効率化をサポートしている株式会社アックスコサンルティングの笹澤佳槻氏が解説!
ポイントは、「納期」「ルール」「価格」の整備にありました。



 

差別化しづらいからこそ、適正価格と効率化が重要

会計事務所や社会保険労務士事務所の生産性を下げる要因として、
「繁忙期があること」があげられます。
記帳代行や給与計算といった毎月発生する業務に、
確定申告や社保算定などの“期間限定”の業務が加わると、それを残業で賄うことになります。
つまり、繁忙期をラクにするためには、
年間を通して記帳代行・給与計算を効率化しておくことが必要なのです。

多くの事務所から記帳代行や給与計算でよく聞く課題に、
・顧問先からの資料回収方法やデータ形式がバラバラ
・仕訳のルールや給与の手当てが顧問先ごとに異なる
・納品までのスケジュールがタイト
・顧客担当者と入力担当者の引継ぎで時間のロスが出たり、業務が属人化してしまう

といったものがあります。

さらに、記帳代行や給与計算は、どの事務所に依頼してもアウトプットはさほど変わらないため、
お客様が“価値を感じにくい”業務です。
ですから、事務所内で「納期」や「ルール」を設けて効率化するとともに、
採算の合う「価格」を設定しておくことも重要です。


記帳代行・給与計算 効率化のポイント
POINT1 納期を徹底管理する
POINT2 業務を行ううえでのルールを決めて運用する
POINT3 工数に見合った適正価格を設定する



 

POINT1納期を徹底管理する

給与計算の場合、給与振込日が決まっているので納期厳守が鉄則ですが、
記帳代行の場合は意外と納期管理ができていない事務所が多くあります。
まずは、「お客様からの資料をいつまでにもらうのか」「入力作業にどのくらいの日数がかかるのか」
「いつまでに納品するのか」を明確にしましょう。

 

POINT2業務を行ううえでのルールを決めて運用する

効率化を進めるためには、標準化が必須です。
記帳代行も給与計算も、大きくは
(1)資料/勤怠データ回収
(2)入力/計算
(3)チェック
(4)納品

という業務フローに分けられます。

それぞれのフローで、「資料やデータはどのようにもらうのか」
「回収のフォーマットは統一されているか」「入力する順番」
「一次、二次チェック者が確認する項目」「資料の保管方法や保管場所」
「データの格納場所やフォルダの名称の付け方」などのルールが必要です。
合わせて、困ったときに情報を取りに行くためのマニュアルも整備しましょう。
お客様ごとのカルテを作成しておけば、担当者が変更になった場合の引継ぎもスムーズです。
社会保険労務士法人協心の取り組みが参考になります。

また、事務所内、職員間でのやりとりのルールも決めておきます。
やりとりの方法が、チャットツールだったり口頭だったりとバラバラにならないよう、
統一することがポイントです。
kintoneなどの業務管理システムを使うことも検討してみてください。
また、特集で紹介した税理士法人GrowUP青木健一公認会計士事務所の取り組みも参考になります。

 

POINT3工数に見合った適正価格を設定する

効率化を考える際、業務フローの見直しなどはもちろん大切ですが、
「工数に見合った単価設定になっているか」という点も重要です。
必要な工数に対して採算の合わない料金表になってしまっていると、
受注すればするほど赤字になってしまいます。

料金を決める際は、「時間単価」と「作業日数」を考慮するのが良いでしょう。
特集で紹介した、社会保険労務士法人絆の取り組みのように、
時間単価を出すことで顧問先ごとの報酬が適正かどうかを可視化できます。

また、適切な作業日数を確保することも大切です。
記帳代行の場合、納品日から逆算して、最低でも10日は確保したいところです。
とはいえ、「経費精算のルール上、早めにデータをもらうことができない」
などのケースもあると思います。そういった場合、“特急料金”を設けるのも有効。
例えば、以下のように作業にかけられる日数によって倍率を設定しておけば、
交渉がしやすくなります。

〔記帳代行の価格設定例〕
15営業日:1.00倍 10営業日:1.25倍 6営業日:1.50倍



作業日数に応じた価格設定にすることで、納期の根拠ができるため、
事務所内での納期管理も徹底しやすくなります。
一方で、納期や価格の設定を明確にすることで、既存の顧問先の解約につながる可能性もあります。
また、受託するかどうかのボーダーラインができるため、“依頼を断る”必要も出てきます。
はじめは抵抗がある先生もいると思いますが、生産性を上げるためにはその覚悟も必要です。
納期やルールを整備し、クオリティを担保できる体制をつくっておけば、
自信を持って交渉できると思います。

記帳代行や給与計算は、職員が主となり業務にあたっている事務所がほとんどだと思います。
上記3つのポイントを実行してもらうためには、
まずは所長や上長が目標・ルールにしっかりコミットしている姿を見せることが必要です。

効率化ができていないと、一部の優秀な職員に業務が偏ったり、
職員が定着しなかったりというリスクにもつながります。
一朝一夕に改善できるものではありませんが、長期的な視点で取り組むことが大切です。

 
プロフィール
笹澤佳槻氏
株式会社アックスコサンルティング コンサルタント
2015年の入社以来、全国の士業事務所の経営をサポート。
業務効率化のほか、売上アップ、組織づくり、採用など幅広く支援している。
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